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起業直後に法人口座を開設する場合、同時期に複数の銀行へ申請する場合があります。ここで不安になるのが、法人口座の複数申し込みが審査に影響するか否かでしょう。
本記事では、法人口座を同時期に複数申し込むことに問題がないのかどうかを紹介します。申し込み時の注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
法人口座を同時期に複数申し込むのは問題ない?
ここでは、同時期に複数の法人口座を申し込めるか否かについて紹介します。
基本的に問題ない
基本的に、同時期に複数の法人口座を申し込んでも問題ありません。ほとんどの場合、他行での申し込み状況は把握されないためです。
法人口座の開設審査では、CICやJICCなどの信用情報機関を通じて、利用者の与信状況を調べることがあります。ただし、法人口座の申請状況は、信用情報機関に基本的に登録されないため、与信状況の調査では把握できない可能性が高いです。
なお、銀行には、利用者の情報を保護するための守秘義務があります。一部ケースを除き、銀行間で利用者の情報を共有するケースが少ないため、何もせず、同時期に複数の法人口座を申し込んでいると気づかれる可能性は低いと言えます。
気づかれることで、審査に影響する可能性はある
万が一、同時期に複数の法人口座を申し込んでいると気づかれると、審査に影響する可能性はあります。たとえば、面談時に他行への申請情報をそれとなく聞かれて回答した場合は、複数の法人口座を申し込んでいると気づかれます。
また、銀行の立場からすると、「複数の銀行で申請をしているけど、本当に当行と取引する意思があるのか?」と多少なりとも不安に感じるでしょう。結果、法人口座の開設審査にて取引目的を詳しく質問されたり、追加で資料の提出を求められたりする可能性があります。
同時期に複数の法人口座を申し込んでいることで審査落ちになるとは考えづらいものの、より慎重に審査される可能性が高まるため注意が必要です。
法人口座を同時期に複数申し込む際に気をつけるポイント
同時期に複数の法人口座を申し込む際は、以下3つのポイントを意識しましょう。ここでは、以下のポイントの重要性を紹介します。
- 各行との取引目的を明確にする
- ミスがないようにする
- 口座維持手数料に気をつける
各行との取引目的を明確にする
同時期に複数の法人口座を申し込む場合、各行との取引目的を明確にすることが大切です。万が一、銀行から取引目的を問われた際に、正当な理由を説明できるようにしておくためです。
銀行としては、利益を得るために開設した法人口座で多数の取引をしてほしいと考えます。同時期に複数の法人口座を申請していることを把握されれば、「自社との取引をメインにしてくれるのか?」「休眠口座になるのではないか」といった不安を多少なりとも抱くでしょう。
これに対して明確な取引目的を示せると、銀行側の不安を払拭できる可能性が高まります。そのため、同時期に複数の法人口座を申し込む際は、各行との取引目的を明確にすることが重要です。
なお、より信頼性を高めるには、事業内容や会社の将来と絡めた取引目的を設定すると良いでしょう。たとえば、以下のとおりです。
【良い例】
〇〇業界におけるBtoB取引を主な事業としています。現段階では主に取引先からの入金および支払い業務に使用予定で、今後、受発注やクライアントとの取引のための振込用口座として利用する計画です。
【悪い例】
振込用口座として使用
ミスがないようにする
一般的に、法人口座の開設では多くの書類や申請情報が求められます。同時期に複数の法人口座を申し込む場合、書類や情報の申請ミスが発生しやすいため、注意が必要です。
たとえば、A銀行に送付するはずの書類をB銀行へ送ってしまったり、B銀行の申し込みでA銀行の名前を出したりなどです。こうしたミスがあると、複数の法人口座を同時に申し込んでいると気づかれるうえに、銀行からの心象が多少悪くなります。
提出書類は、銀行によって大きく異なるため、各銀行の公式サイトを参照して提出書類のチェックリストを作成するのがおすすめです。提出前には不備がないかを細かくチェックし、ミスの防止に努めましょう。
口座維持手数料に気をつける
主に都市銀行や信用金庫などの店舗型銀行では、法人口座の初期契約料や口座維持手数料がかかることがあります。こうした銀行で複数の法人口座を開設すると、費用の負担が大きくなるため注意が必要です。
なお、法人口座の初期契約料と口座維持手数料は、各行で契約するインターネットバンキングのプランによって異なります。初期契約料と口座維持手数料の相場は、以下の通りです。
初期契約料 | 口座維持手数料 |
下位プラン:5,000〜25,000円 上位プラン:10,000〜55,000円 | 下位プラン:550〜5,500円 上位プラン:7,500〜20,000円 |
初期契約料と口座維持手数料を抑えるには、ネット銀行を検討すると良いでしょう。多くのネット銀行が両者を無料にしているためです。ぜひ、用途にあった法人口座を選択してみてください。
複数の法人口座を申し込むなら、用途別に分けよう
銀行の各形態ごとに、法人口座のサービス内容や特徴が異なります。複数の法人口座をうまく使い分けるには、用途にあった銀行を選択しましょう。ここでは、以下3つの銀行形態とその用途を紹介します。
- ネット銀行:振込用口座として使い、手数料を削減
- 都市銀行:入金用口座として使い、信用力を向上
- 信用金庫:地元密着で、融資・事業の手厚いサポート
ネット銀行:振込用口座として使えば、手数料が削減できる
ネット銀行とは、店舗や支店を持たず、インターネット上での取引に特化した銀行形態です。一般的な銀行のような店舗を持たない分、賃料や人件費を節約し、各種手数料を安価にすることで還元しています。
1件あたりの振込手数料の相場は、都市銀行の半額以下です。ネット銀行の法人口座を振込用として利用することで、手数料を大幅に削減できます。
以下では、主要なネット銀行の口座維持手数料と振込手数料をまとめています。
口座維持手数料 | 振込手数料(他行宛) | 振込手数料(同行宛) | |
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 145円 ※129円 ※振込料金とくとく会員 | 無料 |
住信SBIネット銀行 | 無料 | 145円 ※130〜145円 ※振込優遇プログラム | 無料 |
楽天銀行 | 無料 | 3万円未満:150円 3万円以上:229円 | 52円 |
PayPay銀行 | 無料 | 通常:160円 ※月5回まで0円 | 通常:55円 ※月5回まで0円 |
イオン銀行 | 無料 | 5万円未満:220円 5万円以上:440円 | 無料 |
特筆すべきは、ほとんどのネット銀行で口座維持手数料が無料なことです。法人口座を複数開設しても、維持費がかからないため、サブ口座としての利用にも適しています。
都市銀行:入金用口座として使えば、信用力の向上につながる
都市銀行は、東京・大阪などの主要都市に本店を構え、全国的に支店を展開する銀行形態です。預金量や貸出量が非常に多く、銀行としてのネームバリューが高い点が特徴です。
そのため、都市銀行の法人口座を入金用として利用することで、取引先や顧客からの信用につながります。以下では、主要な都市銀行の口座維持手数料と振込手数料をまとめています。
口座維持手数料 | 振込手数料(他行宛) | 振込手数料(同行同一支店宛) | 振込手数料(同行本支店宛) | |
三菱UFJ銀行 | 1,760円 | 3万円未満:484円 3万円以上:660円 | 3万円未満:110円 3万円以上:330円 | 3万円未満:110円 3万円以上:330円 |
みずほ銀行 | ベーシック:5,500円 スタンダード:22,000円 | 3万円未満:490円 3万円以上:660円 | 無料 | 3万円未満:220円 3万円以上:440円 |
三井住友銀行 | デビュータイプ:2,200円 スタンダードタイプ:5,500円 エキスパートタイプ:22,000円 | 3万円未満:495円 3万円以上:660円 | 3万円未満:110円 3万円以上:220円 | 3万円未満:220円 3万円以上:440円 |
ゆうちょ銀行 | スタンダードプラン:550円 エキスパートプラン:1,100円 | 165円 | 100円 | 100円 |
りそな銀行 | りそなビジネスダイレクト(Mini):3,300円 りそなビジネスダイレクト:7,700円 | 605円 | 無料 | 330円 |
SBI新生銀行 | 無料 | 3万円未満:220円 3万円以上:330円 | 無料 | 無料 |
ネット銀行と打って変わり、都市銀行は各種手数料が高めに設定されています。口座維持手数料だけでも月に数千〜数万円かかるため、都市銀行の法人口座を複数開設する際は注意が必要です。
会社の信用力を高めつつ振込手数料を節約したいとお考えの方は、都市銀行を入金用口座として使い、ネット銀行を振込用口座として併用するのがおすすめです。
信用金庫・地方銀行:中小企業の融資相談に乗ってもらいやすい
信用金庫と地方銀行は、特定の地域で営業活動をし、地元企業や産業の発展をサポートする金融機関です。地元の中小企業への融資に積極的なため、資金調達が必要、もしくは将来的に予定している会社に適しています。
なお、信用金庫と地方銀行には以下の違いがあるため、会社の規模や用途にあった金融機関を選択する必要があります。
信用金庫 | 地方銀行 | |
運営組織 | 非営利の協同組織 | 株式会社 |
営業地域 | 特定の地域 | 特定の地域 ※広域な場合もある |
法人口座の開設 | 特定の地域内の企業が対象 | 比較的幅広い企業が対象 |
融資対象 | 創業期・小規模事業者〜中小企業 | 中小企業 |
融資上限額の目安 | 数千万円~数億円 | 数億円~数十億円 |
融資金利の目安 | 1.0%~3.0% | 1.5%~4.0% |
信用金庫は、地元の企業・住民が会員となって地域の発展を図ることを目的とした協同組織です。そのため、法人口座を開設できるのは、特定の地域内で事業をする会社に限られます。また、創業期や小規模事業者への融資にも積極的なため、起業から間もない場合は信用金庫を選択すると良いでしょう。
地方銀行は、株式会社が運営する営利目的の銀行です。信用金庫と比較すると、規模の大きな融資商品を提供しています。そのため、ある程度事業の実績があり、会社規模が大きい場合は、地方銀行の法人口座がおすすめです。
まとめ
本記事では、法人口座を同時期に複数申し込めるかどうかを解説しました。基本的に、他行での申し込み状況は銀行に把握されないため、同時期の申請でも問題ありません。
なお、法人口座を同時期に複数申し込んで失敗しないためには、以下のポイントを意識することが大切です。
- 各行との取引目的を明確にする
- ミスがないようにする
- 口座維持手数料に気をつける
- 用途にあった法人口座を選ぶ
以下の記事では、ネット銀行・都市銀行のサービス内容を一覧表にまとめて比較しています。より会社にあった銀行を選びたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。
この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
東商 社長ネット 株式会社バーチャルオフィス1 牧野 傑
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