個人事業主におすすめの銀行口座6選を比較!屋号付きで開設できる

[投稿日]2025年03月24日 / [最終更新日]2025年03月29日

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個人事業主やフリーランスが銀行口座を選ぶ際には、各口座のサービス内容を比較し、目的にあったものを選ぶ必要があります。しかし、銀行には多くの種類があるため、「どれを選べば良いだろう?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、個人事業主におすすめの銀行口座を6つ紹介します。なお、本記事で紹介するのは、屋号付きで銀行口座を開設できるもののみです。

後半では銀行選びのポイントもまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

個人事業主におすすめの銀行口座(屋号付き口座)6選の比較表

ここでは、ネット銀行と店舗型銀行から厳選した個人事業主におすすめの銀行口座を6つを比較します。

屋号付き口座を開設できる金融機関には、地方銀行や信用金庫もあります。ただし、地方銀行や信用金庫は事業所地によって最適な金融機関が異なる傾向があるため、比較対象から省いて紹介していきます。

ネット銀行

ネット銀行とは、基本的に店舗や支店を持たず、銀行口座開設から各種サービスの提供をオンライン上で完結する形態です。以下では、個人事業主におすすめなネット銀行のサービス内容を比較しています。

同行宛振込手数料他行宛振込手数料口座維持手数料
GMOあおぞらネット銀行無料145円無料
PayPay銀行通常:55円通常:160円無料
楽天銀行52円3万円未満:150円
3万円以上:229円
無料

ネット銀行は、店舗や支店を持たない分、振込手数料や口座維持手数料が安価に設定されています。特に、口座維持手数料は無料に設定されているケースがほとんどです。

また、振込手数料は店舗型銀行の半額以下のため、コストを抑えつつ銀行口座を利用したい方におすすめです。

店舗型銀行

店舗型銀行は、店舗や支店を持つ銀行のことです。以下では、大手の店舗型銀行に厳選し、個人事業主におすすめの3行を比較しています。

スクロールできます
同行宛振込手数料他行宛振込手数料口座維持手数料
三菱UFJ銀行3万円未満:110円
3万円以上:330円
3万円未満:484円
3万円以上:660円
1,760円/月
みずほ銀行【同行同一支店宛】
無料
【同行本店宛】
3万円未満:220円
3万円以上:440円
3万円未満:490円
3万円以上:660円
【みずほビジネスWEB】
ライトプラン:3,300円/月
【みずほe-ビジネスサイト】
・ベーシック:5,500円/月
・スタンダード:22,000円/月
三井住友銀行【同行同一支店宛】
無料
【同行本店宛】
・Web21<ライト>:無料
・そのほかのWeb21
 3万円未満:220円
 3万円以上:440円
・Web21<ライト>
 3万円未満:165円
 3万円以上:330円
・そのほかのWeb21
 3万円未満:495円
 3万円以上:660円
Web21<ライト>:無料
Web21<デビュー>:2,200円/月
Web21<エキスパート>:22,000円/月

店舗型銀行は、振込手数料・口座維持手数料が高めに設定されています。口座維持手数料は、三井住友銀行のWeb21<ライト>を除くと、1,760円〜22,000円かかります。

また、振込手数料は同行宛で0〜440円、他行宛では165〜660円です。これは振込件数1件あたりの手数料のため、取引回数が多い場合は多くのコストが発生します。

コスト面を重視する方は、前述したネット銀行で個人事業主用の銀行口座を開設するのがおすすめです。ただし、窓口で直接やりとりができる点は、店舗型銀行ならではの魅力です。

なお、店舗型銀行はネット銀行よりも歴史が長く、一般的に信用力が高いとされています。さまざまな企業や自治体との連携も強い傾向にあるため、手厚いサポートが期待できます。

個人事業主用の銀行口座(屋号付き口座)はどこの金融機関で開設すべき?

金融機関別の特徴

個人事業主が屋号付きの銀行口座をどの金融機関で開設すべきかは、目的によって異なります。ひとえに銀行口座と言っても、開設する金融機関によって受けられるサービス内容が異なるためです。

ここでは、以下の銀行形態の特徴を紹介します。

他行宛振込手数料信用力の高さサービス内容の特徴
ネット銀行安い低いオンライン上でサービスが完結
スタートアップ・小規模事業者向け
メガバンク高い高い大手企業向けのサポートが手厚い
地方銀行・信用金庫・組合比較的安い比較的高い地元密着型のサポートが手厚い
地元の小規模事業者・中小企業向け

ネット銀行:手数料の安さや利便性に優れる

ネット銀行の特徴は、手数料の安さや利便性に優れている点です。基本的に店舗を持たないため、店舗型銀行よりも賃料や人件費を削減できています。

その分、振込手数料や口座維持手数料が安価に設定されています。振込手数料を例に挙げると、店舗型銀行の半額以下が大半です。

同行宛なら1件あたり無料もしくは50円程度、他行宛でも145〜230円程度です。銀行振込の利用頻度が高い事業を行っている場合、ネット銀行を選択するとコストの削減が期待できるでしょう。

なお、ネット銀行は店舗を持たない分、オンライン上でのサービス提供に長けています。たとえば、銀行口座の開設申請がオンラインで完結できたり、ビジネスローンの必要書類が少なかったりします。

一般的な店舗型銀行では、口座開設のみ店舗で受付としたり、ビジネスローンの必要書類が多かったりするケースもあります。オンライン上でのサービス提供に特化し、ユーザーの利便性に優れている点はネット銀行ならではの魅力といえます。

メガバンク・都市銀行:取引先からの信用を得やすい

メガバンクや都市銀行の最大のメリットは、長年の実績と社会的信用です。三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行などの銀行口座を持つことで、取引先からの印象が良くなるケースがあります。

メガバンクは、ほかの銀行よりも運営歴が長く、全国に支店やATMを展開しています。大手ならではのネットワークが充実しており、銀行口座を持っていることが一種の信用につながる傾向があります。

なお、全国に支店があるため、対面でのサポートを受けやすいことも強みです。特に、資金調達や資金運用で銀行サービスを利用する場合は、窓口で直接対応できる点が大きな利点です。

対面での対応では疑問点を解消しやすく、自分では気付けなかった新たな提案を受けられる可能性があります。このように、メガバンクや都市銀行の口座は、ビジネスの信用を重視し、対面でのサポートや将来的な資金調達を視野に入れたい個人事業主におすすめです。

地方銀行・信用金庫:地元密着型のサポートを期待できる

地方銀行や信用金庫は、地元に根ざした金融サービスを提供している点が特徴です。地方銀行や信用金庫の多くは、地域経済の活性化を目的としています。

そのため、地元の地方銀行・信用金庫で銀行口座を開設すれば、資金調達の相談や経営に関するアドバイスなど、事業に関するさまざまなサポートが期待できます。また、地方銀行や信用金庫は、地元の事業者との取引が多いため、銀行口座を開設することで地域内での信用力向上にもつながります。

地域内のネットワークを活用したビジネスマッチングや各種支援制度を提供しているケースもあるため、事業の成長を後押しする環境が整っています。このように、地方銀行や信用金庫は、地域密着型のサポートを求める個人事業主におすすめです。

個人事業主におすすめの銀行口座(屋号付き口座)6選を比較!

ここでは、個人事業主におすすめの銀行口座(屋号付き口座)を紹介します。ここで紹介するのは、以下の6行です。

  • GMOあおぞらネット銀行
  • PayPay銀行
  • 楽天銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行

ネット銀行

まずは、個人事業主におすすめのネット銀行を紹介します。

GMOあおぞらネット銀行

GMOあおぞらネット銀行
スクロールできます
振込手数料同行同一支店宛無料海外送金契約金無料
※提携サービス
同行本支店宛無料月額料金無料
※提携サービス
他行宛145円送金手数料送金金額に応じて変動
初期費用・維持費初期契約料無料その他機能・サービス複数口座の開設上限数10口座
口座維持手数料無料融資商品の有無×
総合振込初期契約料無料Pay-easyの対応
月額料金無料日本政策金融公庫の対応
上限処理件数9,999件審査期間最短翌日
口座振替・定額自動振口座振替手数料無料
定額自動振込手数料振込手数料と同様

GMOあおぞらネット銀行は、振込手数料の安さが魅力です。同行宛であれば、一律で無料です。他行宛においては、1件あたり145円と安価に設定されています。

また、初期契約料や口座維持手数料など、サービスの利用で発生する初期費用・月額費用も無料な点が特徴です。それでいて、複数口座の開設やPay-easy、日本政策金融公庫にも対応しているなど、事業用途のサービスが充実しています。

コストを抑えつつサービスが充実した銀行口座を開設したい方には、GMOあおぞらネット銀行がおすすめです。

PayPay銀行

PayPay銀行
スクロールできます
振込手数料同行同一支店宛55円海外送金契約金無料
※提携サービス
同行本支店宛55円月額料金無料
※提携サービス
他行宛160円送金手数料送金金額に応じて変動
初期費用・維持費初期契約料無料その他機能・サービス複数口座の開設上限数1口座
口座維持手数料無料融資商品の有無
総合振込初期契約料無料Pay-easyの対応
月額料金1,100円日本政策金融公庫の対応
上限処理件数30,000件審査期間最短当日~7日程度
口座振替・定額自動振口座振替手数料無料
定額自動振込手数料振込手数料と同様

PayPay銀行は、申し込み〜口座開設までの期間が短い点が特徴です。混雑状況にもよりますが、最短即日で銀行口座を開設できます。

必要書類は、本人確認書類と事業実態確認資料の2点のみです。いずれもスマートフォンで撮影しアップロードするだけで提出できるため、申し込みの手間もかかりません。

なお、振込手数料は、同行宛が1件あたり55円、他行宛は1件あたり160円です。振込金額による手数料の変動もなく、比較的安価に利用できます。

手続きに手間をかけず、短期間で銀行口座を開設したい個人事業主には、PayPay銀行がおすすめです。

楽天銀行

楽天銀行
スクロールできます
振込手数料同行同一支店宛52円海外送金契約金無料
同行本支店宛52円月額料金無料
他行宛3万円未満:150円
3万円以上:229円
送金手数料1,000円/件
初期費用・維持費初期契約料無料その他機能・サービス複数口座の開設上限数5口座
口座維持手数料無料融資商品の有無
総合振込初期契約料無料Pay-easyの対応
月額料金無料日本政策金融公庫の対応
上限処理件数3,000件審査期間1週間~2週間程度
口座振替・定額自動振口座振替手数料無料
定額自動振込手数料振込手数料と同様

楽天銀行は、ネット銀行でありながらサービス内容が充実している点が特徴です。たとえば、Pay-easyや日本政策金融公庫に対応していたり、個人事業主向けの融資商品も提供していたりします。

特に、楽天銀行ビジネスローンは、借入可能額が100万円〜最大1億円です。ネット銀行としては珍しく、大口融資にも対応しているため、将来的に資金調達をお考えの方に適しています。

なお、事業に直接役立つサービスとしては、インバウンド決済サービスがあります。このサービスは、アジア各国で使用される10種類のスマホQR決済を一括で導入できるというものです。

店舗で使用する端末決済のみならず、オンライン決済にも対応しているため、海外の顧客が多い個人事業主におすすめのサービスです。楽天銀行のサービス内容を詳しく知りたい方は、以下より公式サイトの情報をご確認ください。

店舗型銀行

次に、個人事業主におすすめの店舗型銀行を紹介します。

三菱UFJ銀行

スクロールできます
振込手数料同行同一支店宛3万円未満:110円
3万円以上:330円
海外送金契約金無料
同行本支店宛3万円未満:110円
3万円以上:330円
月額料金無料
他行宛3万円未満:484円
3万円以上:660円
送金手数料同行在外支店:3,000円/件
他行宛:3,500円/件
初期費用・維持費初期契約料無料その他機能・サービス複数口座の開設上限数記載なし
口座維持手数料1,760円融資商品の有無
総合振込初期契約料27,500円Pay-easyの対応
月額料金3,300円日本政策金融公庫の対応
上限処理件数100件審査期間※最短当日
※口座番号通知まで
口座振替・定額自動振口座振替手数料110円/件
定額自動振込手数料【同行同一支店宛】
3万円未満:無料
3万円以上:無料
【同行他支店宛】
3万円未満:110円
3万円以上:330円
【他行宛】
3万円未満:264円
3万円以上:550円

三菱UFJ銀行は、三大メガバンクに数えられる大手の銀行です。全国に多数の支店を持つ信頼性が高い銀行のため、口座を開設できれば取引先からの信用につながります

インターネットバンキング「BizSTATION」を利用すると、振込手続きや入出金管理をオンラインで完結できます。また細かな点ですが、三菱UFJ銀行のインターネットバンキングは操作性に優れている点が魅力です。

過去には、個人向けインターネットバンキングの「三菱UFJダイレクト」がグッドデザイン賞を受賞したほどです。個人事業主向けの「BizSTATION」も操作がしやすいため、資金管理や取引をスムーズに行えるでしょう。

信用力が高く、さまざまなサービスを利用しやすい銀行をお探しの方には、三菱UFJ銀行がおすすめです。ただし、個人事業主が屋号付き口座を申し込む場合、窓口での対応のみとなっています。銀行口座を開設したい方は、最寄りの店舗へ問い合わせると良いでしょう。

みずほ銀行

スクロールできます
振込手数料同行同一支店宛無料海外送金契約金無料
同行本支店宛3万円未満:220円
3万円以上:440円
月額料金無料
他行宛3万円未満:490円
3万円以上:660円
送金手数料同行在外支店:3,500円/件
他行宛:4,000円/件
初期費用・維持費初期契約料【みずほビジネスWEB】
ライトプラン:無料
【みずほe-ビジネスサイト】
・ベーシック:27,500円
・スタンダード:55,000円
その他機能・サービス複数口座の開設上限数3口座
口座維持手数料【みずほビジネスWEB】
ライトプラン:3,300円/月
【みずほe-ビジネスサイト】
・ベーシック:5,500円/月
・スタンダード:22,000円/月
融資商品の有無
総合振込初期契約料無料Pay-easyの対応
月額料金無料日本政策金融公庫の対応
上限処理件数【みずほビジネスWEB】
ライトプラン:20件
【みずほe-ビジネスサイト】
・ベーシック:500件
・スタンダード:500件
審査期間記載なし
口座振替・定額自動振口座振替手数料100円/件
定額自動振込手数料【同行同一支店宛】
3万円未満:無料
3万円以上:無料
【同行本店宛】
3万円未満:110円
3万円以上:330円
【他行宛】
3万円未満:380円
3万円以上:550円

みずほ銀行も三大メガバンクと呼ばれる大手の銀行です。個人事業主用の銀行口座は、ほかのメガバンクに比べて振込手数料や口座維持手数料が高めに設定されています。

また店舗数もほかのメガバンクに比べて少ないため、窓口でのサポートを期待する方にはあまり適していないでしょう。しかし、近年は多くの銀行が店舗数を縮小し、インターネットバンキングへ移行する動きが活発化しています。

特にみずほ銀行は、バーチャルオフィスや会計ソフトなどの事業者向けサービスと提携するなど、インターネットバンキングへの移行に積極的です。将来的に見て、オンラインでのサービス体制や銀行口座の利便性を考慮する方には適しているでしょう。

みずほ銀行も個人事業主用の銀行口座開設は窓口でのみ対応しているため、気になる方は最寄りの店舗に問い合わせてみてください。

三井住友銀行

スクロールできます
振込手数料同行同一支店宛・Web21<ライト>:無料
・そのほかのWeb21:
3万円未満:110円
3万円以上:220円
海外送金契約金無料
同行本支店宛・Web21<ライト>:無料
・そのほかのWeb21:
3万円未満:220円
3万円以上:440円
月額料金無料
他行宛Web21<ライト>:
・3万円未満:165円
・3万円以上:330円
そのほかのWeb21:
・3万円未満:495円
・3万円以上:660円
送金手数料同行在外支店:2,500円/件
他行宛:3,000円/件
初期費用・維持費初期契約料Web21<ライト>:無料
Web21<デビュー>:無料
Web21<エキスパート>:55,000円
その他機能・サービス複数口座の開設上限数5口座
口座維持手数料Web21<ライト>:無料
Web21<デビュー>:2,200円/月
Web21<エキスパート>:22,000円/月
融資商品の有無
総合振込初期契約料無料Pay-easyの対応
月額料金無料日本政策金融公庫の対応
上限処理件数Web21<ライト>:非対応
Web21<デビュー>:30件
Web21<エキスパート>:20,000件
審査期間記載なし
口座振替・定額自動振口座振替手数料110円/件
定額自動振込手数料110円/件+以下の振込手数料
【同行同一支店宛】
3万円未満:無料
3万円以上:無料
【同行本店宛】
3万円未満:110円
3万円以上:330円
【他行宛】
3万円未満:385円
3万円以上:550円

三井住友銀行は、信用力の高さと各種手数料の安さを併せ持つ銀行です。同行も全国に多数の支店を持つメガバンクです。

銀行自体の信頼性が高いため、銀行口座を開設できれば取引先や顧客からの信用につながります。なお、同行のインターネットバンキング「Web21」には、3つのプランが用意されています。

ライトプランは、メガバンクとしては珍しく、初期契約料と口座維持手数料が無料です。また、振込手数料もネット銀行並みの低価格なため、コストを抑えやすいでしょう。

信用力のある銀行口座を低コストで利用したい方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

三井住友銀行も、個人事業主用の口座は店舗でのみ開設申請を受け付けています。銀行口座を開設する方は、店舗の来店予約をしたのち訪問すると良いでしょう。

個人事業主におすすめの銀行口座(屋号付き口座)の選び方

個人事業主(屋号付き)口座の選び方

個人事業主が屋号付きの銀行口座を選ぶ際には、以下3つのポイントを意識するのがおすすめです。

  • 口座維持手数料の有無
  • 振込手数料の安さ
  • 銀行の信用力

基本的に、上記のすべてを兼ね備えた銀行は存在しません。したがって、基本的にはコストの安さ、もしくは信用力の高さの2択から選ぶことになります。

ここでは、銀行選びで意識すべきポイントと、各ポイントに該当する金融機関を紹介しますので、ぜひご参考ください。

口座維持手数料の有無

個人事業主が銀行口座を選ぶ際、口座維持手数料の有無は重要な判断ポイントです。これは取引の有無に関係なく、毎月発生するコストだからです。

一部で無料の銀行も存在するため、コストを抑えたい場合は積極的に検討しましょう。ほとんどのネット銀行は、口座維持手数料を無料としていますが、三菱UFJ銀行やみずほ銀行などの店舗型銀行では、月額数千円程度の手数料が発生します。

以下では、本記事で紹介したネット銀行の口座維持手数料をまとめています。

銀行名口座維持手数料
GMOあおぞらネット銀行無料
PayPay銀行無料
楽天銀行無料

振込手数料の安さ

銀行口座のコストを抑えるには、振込手数料の安さも意識する必要があります。通常、1件の取引ごとに発生するため、取引先や顧客への振込が多い場合、積み重なって大きな負担となります。

できるだけコストを抑えたい方は、店舗型銀行よりも、GMOあおぞらネット銀行PayPay銀行などのネット銀行を検討するのがおすすめです。ネット銀行は同行宛振込手数料が非常に安価で、無料もしくは50円前後に設定されています。

また、他行宛振込手数料が店舗型銀行の半額以下に設定されているケースが多いため、お得に銀行振込を利用できます。ネット銀行は前述の口座維持手数料も無料なことが多く、コストを抑えたい方に適しています。

銀行の信用力

個人事業主が銀行口座を選ぶ際、銀行の信用力を重視するのもおすすめです。信用力が高い銀行は、長年の実績があり、金融機関としての安定性が高いとされています。

たとえば、三菱UFJ銀行みずほ銀行三井住友銀行などのメガバンクがこれに該当し、破綻リスクが低いとされています。銀行が破綻すると、預金を失うリスクがある上に、金融サービスの停止による事業への悪影響が懸念されます。

こうしたリスクを少しでも抑えるには、信用力のある銀行で口座を開設するのがおすすめです。なお、信用力の高い銀行は、口座開設時の審査が厳しいと言われています。

そのため、こうした銀行で口座を開設できれば、「メガバンクの審査を通過した」という事実が事業の信用につながります。取引先や顧客から信用されやすくなることで、結果的に事業を有利に進められるでしょう。

口座維持手数料や振込手数料は高いものの、破綻リスクを抑えなおかつ事業の信用力を高めるには、メガバンクなどの大手銀行で口座を開設するのがおすすめです。

個人事業主用の銀行口座(屋号付き口座)でよくある質問

個人事業主(屋号付き)口座でよくある質問

ここでは、個人事業主の屋号付き銀行口座に関する、よくある質問とその回答を紹介します。具体的には、以下5つについて解説します。

  • 審査に必要な書類は?
  • 申し込み〜口座開設までの流れは?
  • 審査は厳しい?
  • 「屋号のみ」の名称で開設できる?
  • ゆうちょ銀行で屋号付き口座は開設できる?

審査に必要な書類は?

個人事業主が屋号付き口座を開設する際には、一般的に以下の書類が求められます

  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
  • 屋号付きの営業事実確認書類(開業届の控え、確定申告書、許認可証など)

営業事実確認書類には、屋号の記載が求められます。仮に屋号が記載されていない書類を提出すると、追加で書類の提出を求められる可能性があるため注意が必要です。

また、営業事実確認書類は、屋号を把握するためだけでなく、事業の実態を把握するためにも使われます。そのため、自社発行の請求書や契約書など、客観性に欠ける書類では要件を満たせない恐れがあります。

営業事実確認書類として認められる書類と認められない書類の例は、以下の通りです。

営業事実確認書類として認められる書類営業事実確認書類として認められない書類
  • 個人事業の開業届出書の控え
  • 確定申告書
  • 事業に関する許認可証
  • 国税・地方税の領収書
  • 公共料金の領収書
  • 自社発行の請求書・見積書・契約書
  • コンテンツ量が不十分なホームページ
  • 事業のパンフレット

提出書類に不備があると、追加で書類の提出を求められ審査に時間がかかります。スムーズに口座を開設するためにも、必要書類をしっかりそろえ、事業の実態を示すことが大切です。

申し込み~口座開設までの流れは?

個人事業主が屋号付き口座を開設する際の主な流れは、以下の通りです。

  1. 必要書類を準備
  2. 店舗窓口やオンラインで申し込み手続き
  3. 審査
  4. 口座開設完了・利用開始

特に注意が必要なのは、2番目の申し込み手続きです。一般的に、ネット銀行では口座開設用のページからオンラインで申し込みが可能です。

しかし、メガバンクや地方銀行などの店舗型銀行では、特定の窓口でのみ申し込みを受け付けているケースがほとんどです。オンラインでは個人事業主用の銀行口座を申し込めないため、事前に対応窓口を確認しておく必要があります。

審査は厳しい?

個人事業主の屋号付き口座の審査は、銀行によって厳しさが異なります。一般的に、メガバンクや大手の地方銀行など信用力のある銀行は、審査が厳しめです。

一方、ネット銀行や地元の信用金庫は、比較的柔軟に審査してくれる傾向があります。金融機関によって審査基準が異なる理由は、取引の対象としている事業者の性質や規模が異なるためです。

たとえば、メガバンクや都市銀行は、全国に支店を展開しているため、比較的大手の会社をターゲットとしています。そのため、事業の信用や実績を考慮して審査を行います。

一方、ネット銀行や信用金庫は、小規模事業者やスタートアップとの取引が中心です。もちろん、審査では事業の信用や実績を評価しますが、将来性や代表者の信用情報など、そのほかの要素も含めて総合的に判断する傾向があります。

ネット銀行や信用金庫のほうが審査が緩いとまでは言えませんが、メガバンクや都市銀行に比べて柔軟に審査してもらえるでしょう。

「屋号のみ」の名称で開設できる?

基本的に、屋号のみの名称では銀行口座を開設できません。個人事業主が銀行口座を開設すると、「屋号+個人名」または「個人名+屋号」の名称になります。

個人事業主用の銀行口座は、提供されるサービス内容が法人口座に近いものの、根本的な区分は個人口座に該当します。法人格が契約の主体となる法人口座とは異なり、個人が契約の主体となるため、名称には必ず個人名が記載されます。

ゆうちょ銀行で屋号付き口座は開設できる?

ゆうちょ銀行では、一般的な銀行のような「屋号付き普通口座」の開設はできません。代わりに、お金の受け取り・送金に特化した「振替口座」として屋号付き口座を開設することは可能です。

なお、ゆうちょ銀行の屋号付き振替口座を開設するには、以下すべての条件を満たす必要があります。

  • 現状、事業用途で個人名義の口座を持っていない
  • 現に屋号等で個人事業を営んでいる
  • 個人事業により一定金額以上の所得がある
    • 給与所得がある方:20万円以上
    • 給与所得がない方:48万円以上

特に、1つ目の条件には注意が必要です。すでに、ゆうちょ銀行の個人口座を事業用途で使用している場合は、屋号付き振替口座を開設できません。

また、ゆうちょ銀行では、1人につき1口座までと定められているため、現状利用している口座と別に個人口座を新規で開設できません。よって、ゆうちょ銀行で屋号付き口座を開設できるのは、1口座目を開設し、なおかつ上記の条件を満たす方に限られます。

なお、振替口座は普通口座と異なり、ATMでの取引ができません。振込や引き出しは窓口やインターネットバンキング経由で行う必要がある点に注意が必要です。

まとめ

本記事では、個人事業主におすすめの銀行口座を紹介しました。口座選びで失敗しないためには、各種手数料の安さと信用力の高さで銀行を比較するのがおすすめです。

一般的に、コストの安さを重視するならネット銀行が、信用力を重視するなら店舗型銀行から選ぶと良いでしょう。口座開設には時間と手間がかかるため、各銀行を比較し、より目的にあったものを選択してみてください。

 

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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