起業時に公式サイトを開設する際、SEO施策を取り入れたい企業も多いのではないでしょうか。SEOを講じて自社サイトが検索結果画面の上位に表示されることで、効率の良い集客につながります。
本記事では、起業時に取り組みたいSEO対策と、検索エンジンの仕組みについて解説します。SEOの必要性や主な対策についての理解を深めることで、効果的な施策を実施できるでしょう。SEOに取り組むときのポイントも紹介するので、「SEOって何をすればいいの?」「SEOで成果を出したい」という方はぜひ参考にしてください。
目次
SEOとはコンテンツを最適化して検索画面の上位表示を狙うこと
SEO(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)とは、検索エンジンの検索結果画面の上位表示を狙うマーケティング施策のことです。検索結果の上位に表示されることで自社コンテンツがユーザーの目にとまりやすくなり、効率の良い集客を図れます。
検索エンジンから良い評価を得るには、検索キーワードに対して最適なコンテンツを制作することが大切です。まずは、検索エンジンの仕組みやSEOの概要をみていきましょう。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンは、以下のプロセスでコンテンツを評価しています。
【検索エンジンの評価の仕組み】
クローラーがインターネット上にある情報を収集(クロール)集めたデータを検索エンジンのデータベースに整理して登録(インデックス)アルゴリズムにもとづいてランキング付け |
クローラーとは、ネット上を巡回しているプログラムです。サイトやコンテンツを公開した際は、まずクローラーに発見してもらうことから始まります。
クローラーが集めた情報は、検索エンジンが分析してデータベースに登録します。この作業を「インデックス登録」といいますが、発見されたコンテンツが必ずしも登録されるわけではありません。
分析の結果で品質が低いと判断されたコンテンツは、インデックス登録されない仕組みです。ユーザーが特定のキーワードで検索した際、アルゴリズムにもとづいて関連性や品質が高いと判断されたものから検索結果に表示されます。
なお、総務省の資料によると日本の検索エンジンのシェアは、Googleが80%以上を占めていることがわかりました(※)。Google検索エンジンへの対策を講じることで、約8割のシェアをカバーできるといえます。
(※)参考:総務省|情報通信白書 令和6年度版
SEOは大きく「コンテンツSEO・内部対策・外部対策」の3つ
SEOの主な目的は、検索エンジンの評価を高めることです。ユーザーが検索したキーワードに対して、最適なコンテンツを提供することで評価が高まりやすくなります(検索エンジン最適化)。
SEOは幅広い対策が存在しますが、大きく以下の3つに分けられます。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、ユーザーが検索したキーワードに対して、最適なコンテンツを制作する施策です。ユーザーのニーズに応えるコンテンツは良質と判断されやすく、継続的に積み上げることでサイト自体の評価を高められます。
コンテンツSEOの主な目的は、ユーザーのニーズに適したコンテンツを作ることです。Googleは「ユーザーファースト」を理念に掲げているため、ユーザーに役立つコンテンツを作成することで評価も高まると考えられています。
ただし効果的なコンテンツSEOを実施するには、Webマーケティングに関する知識と経験が必要です。市場のニーズを分析し、回答として適したコンテンツプランを企画することにより、品質の良いコンテンツ作りができます。
内部対策
内部対策とは、サイトやコンテンツ内で行う施策です。内部対策を実施することで、クローラビリティ(クローラーによるサイト内巡回のしやすさ)や、検索エンジンからの評価向上を図れます。代表的な内部対策としては、以下のようなものが挙げられます。
クロール対策 | XMLサイトマップの作成・URLの最適化・リンク切れのチェック など |
インデックス対策 | タグ設定・キーワードの設定・メタディスクリプションの設定 など |
ページエクスペリエンス対策 | 表示速度の向上・レスポンシブ対応・SSL化 など |
内部対策は、テクニカル面に着目した対策です。社内のみで実施する場合には、HTMLやCMSの知識を持った人材を確保する必要があります。
外部対策
外部対策は、外部のサイトやサービスを通じて実施する対策です。外部サイトに自社サイトのリンクを掲載したり、紹介してもらったりすることで検索エンジンの評価を高めます。
外部対策の主な目的は、被リンクの獲得です。主な施策としては、SNSとの連携や検索意図を加味したコンテンツ作りなどが挙げられます。
ただし被リンクの獲得では、「正しく評価してもらえるようなコンテンツ作り」がポイントです。金銭で被リンクを獲得したり、ダミーサイトで自演したりするのは違反となり、ペナルティの対象となる可能性があります。
起業時にSEOが必要な理由
SEOが起業時に必要となる理由についても理解しておきましょう。必要性を知ることで、SEOに対する理解がより深まります。
ユーザーに自社サイトを認知してもらうため
SEOは、自社サイトの存在をユーザーに認知してもらうのに有効です。サイトを制作しただけでは自社サイトの存在を誰も知ることができず、Webでの集客が期待できません。SEO対策を講じて上位表示されるとユーザーの目に留まりやすくなり、サイトの存在を知ってもらえます。
サイトの認知度アップでいうと、Web広告も選択肢のひとつです。しかしそれなりのコストがかかるため、予算が確保できないときは適切な広告が打てず、効果が薄い可能性があります。その点SEOは、低予算で実施可能です。起業時のように予算が確保できないときでも取り組みやすいでしょう。
効率の良い集客を図るため
インターネットの普及により、インターネットが消費者行動に与える影響が大きくなったことも起業時にSEOが必要な理由です。SEOを実施することで、集客力アップが期待できます。
消費者庁の資料によると約70%の人がインターネットを利用しており、そのうち89.5%は情報収集に活用していることがわかりました。またネットで買物をする割合も75.6%と高くなっていることから、インターネットは消費判断から行動まで深く関わっているといえます。
しかしインターネット上には無数の競合サイトが存在しており、単にサイトを立ち上げるだけで集客は見込めません。まずはSEOで認知度アップを図り、サイトや企業の信頼性を確保する必要があります。
なお、50代以上の世代は若年層と比べて、ネットの活用頻度が低めです。幅広い年齢層がターゲットの場合には、「新聞+ネット」のようなクロスメディア戦略も検討することで、より効率的な集客が図れるでしょう。
参考:消費者庁|第1部 第2章 第2節 (2)インターネットを介した様々な行動の変化
起業時に取り組みたいSEO対策
Web集客を検討する場合、起業してから早い段階でWebサイト開設を目指す企業も多いでしょう。起業時に取り組みたいSEO対策としては、以下のようなものが挙げられます。
- 独自ドメインを取得する
- 定期的に更新してサイトを最新の状態に保つ
- オウンドメディアの展開も検討する
- キーワードとの関連性を意識したコンテンツ作り
独自ドメインを取得する
サイトを立ち上げるときは、独自ドメインの取得がおすすめです。独自ドメインの取得は、間接的なSEO対策として有効と考えられています。独自ドメインとは、自社で所有するドメイン名です。「http://」に続く文字列を変更します。
例)「http://(会社名・サービス名).com」
会社名・店名・サービス名と関連したドメインはユーザーが認識しやすく、ユーザビリティが高いといえるでしょう。「良質なコンテンツ+わかりやすいドメイン」は、Googleのユーザーファーストの理念とマッチしており、評価も高まる可能性があります。
ただし独自ドメインには、直接的なSEOの効果はないと考えられています。あくまでも自社サイトを有利にする手段と捉えておきましょう。
定期的に更新してサイトを最新の状態に保つ
サイト内情報の鮮度管理は、検索エンジンの評価を高める重要な施策のひとつです。クローラーはサイトの更新状況を絶えず検出し、データベースに加えようとします。定期的にページを更新して最新の状態を保てば、インデックス登録がされやすくなるでしょう。
また、サイトのページ数も評価に影響を与える要素です。高品質なコンテンツを積み上げていけばサイトのボリュームも大きくなり、良い評価が得やすくなる可能性があります。
なお、サイトの鮮度維持はユーザーからの信頼性獲得にも有効です。「○○の最新情報はこのサイト!」のような形で認知してもらえれば、サイトの訪問率アップにつながるでしょう。
ただし重要なのは「更新をすること」ではなく、「最新の状態を維持する」ことです。更新頻度の増加を狙って内容の薄いページを量産したり、単に更新履歴を最新状態にしたりしても高評価にはつながりにくいと考えられます。
参考:Google Developers|Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について
オウンドメディアの展開も検討する
起業時には、オウンドメディアの展開もあわせて取り組むとさらに効果的です。オウンドメディアとは企業が自社で保有するメディアのことで、ホームページ・SNS・パンフレットなどを指します。
オウンドメディアでは、関連性の高いキーワードやコンテンツを自由に配信可能です。記事ごとにSEO対策を講じて良質な記事を積み上げていくことで、検索エンジンからの評価も高められます。
また自社サービスの認知拡大や新たな顧客との接点創出など、集客にも有効な手段です。公式サイトと組み合わせて活用すれば、集客率アップにも期待できます。たとえば、公式サイトと情報発信サイトの併用は代表的な展開例です。互いをリンクさせることでユーザーに役立つ情報を発信しつつ、公式サイトへの流入経路の確保も図れます。
キーワードとの関連性を意識したコンテンツ作り
検索エンジンから良い評価を得るには、「ユーザーが検索したキーワード」との関連性が高いコンテンツ作りが必要です。キーワードを以下の箇所に盛り込むことで、関連性が高いと判断されやすくなります。
- タイトル
- h1・h2・h3タグ
- メタディスクリプション
タイトルは、記事の概要を伝える役割を果たすものです。明瞭かつ魅力的な文章を設定することで、検索エンジンにもコンテンツの概要や特徴が正確に伝わります。ただしキーワードの連続使用や不自然な形での挿入などは、逆に評価を下げる可能性があるので注意しましょう。
また、h2・h3タグはサイト内におけるコンテンツの見出しです。どのような内容が記載されているのかを伝える役割を持っており、タイトルに次いでキーワードを盛り込むべき箇所といえます。適切に使うことで検索エンジン対策としてだけでなく、ユーザーにとっても読みやすい記事にできるでしょう。注意点としてキーワードの乱用は、スパムとして扱われる可能性があるため避けるのが基本です。
なお、メタディスクリプションは直接的に検索順位には関係しませんが、クリック率の向上が期待できます。キーワードを取り入れつつ、興味を引くような文章を記載しましょう。
起業時をはじめ企業がSEOに取り組むメリット・デメリット
つづいては、企業がSEOに取り組むメリット・デメリットをみていきましょう。メリット・デメリットを理解しておくことで、より効果的なSEO対策の実施につながります。
SEOのメリット
SEOのメリット
- 自社の知名度や認知度アップが図れる
- ピンポイントにターゲットへ訴求できる
- コストパフォーマンスに優れている
- 長期的な効果に期待できる
- 潜在顧客にもアプローチができる
- 作成したコンテンツが自社の財産となる
SEOは、知名度や認知度アップに効果的です。検索したユーザーへ役立つ情報をピンポイントで届けられるため、費用対効果の高い集客を実現できます。
また記事やサイトは、Web掲載広告やテレビCMと違い、掲載期間の定めがありません。SEOで検索上位に表示できれば、長期的な宣伝効果が見込めます。ハイクオリティなコンテンツは自社の財産となり、企業の信頼性や評価アップにつながるでしょう。
SEOのデメリット
SEOのデメリット
- 成果がでるまでに時間がかかる
- コンテンツの制作に労力やコストがかかる
- 良質なコンテンツの制作には知識とスキルが必要
- コストと時間をかけても必ず上表表示されるとは限らない
SEOは、成果が出るまでに時間を要する点がデメリットです。広告運用と比べて費用があまり必要ないものの、コンテンツの制作には労力とコストがかかります。
また高品質なコンテンツの制作には、WebマーケティングやHTMLなどの知識が必要です。社内に知識を持った人材がいない場合、人材の確保や制作会社への外注を検討しなければなりません。コストと時間をかけても必ず上位表示できるとは限らないため、費用対効果を考慮しつつ対策を講じる必要があります。
起業時のSEO対策で押さえておきたいポイント
起業時のSEO対策では、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 自社サービスと競合サイトを分析してセールスポイントを見つける
- サイトの運用目的やターゲットは具体的に定める
- Googleの理念やガイドラインに沿ったコンテンツを作成する
- 運用に必要な社内体制を整える
- 関連ツールを活用して分析・管理を行う
- 自社での対応が難しいときは制作会社への依頼も検討する
自社サービスと競合サイトを分析してセールスポイントを見つける
自社やサービスのセールスポイントは、コンテンツ制作の基礎となるものです。セールスポイントを明確にすることで、設定すべきキーワードも見えてきます。ユーザーの悩みに適した解決策の提案が可能となり、検索エンジンの評価も得やすくなるでしょう。
手軽さがセールスポイントの会計ソフトの場合 | |
想定されるキーワード例 | ・会計ソフト 使いやすい ・初心者 会計ソフト ・会計 業務効率化 など |
なお、自社サービスのセールスポイントを見つけるときは、競合サイトや商品の分析も実施しましょう。自社ならではの魅力を発信できれば訴求力アップが期待でき、コンバージョンにつながりやすくなります。
サイトの運用目的やターゲットは具体的に定める
SEO対策に取り組むときは、サイトの運用目的・ゴール・ターゲットを具体的に定めるのがポイントです。方向性が明確になるため施策がブレにくく、キーワードに適したコンテンツ作りにつながります。
たとえば「認知度アップを目指す」のと「売上アップ」では、取り組むべき施策が違います。「認知度アップ」は流入経路の拡大がメインとなりますが、「売上アップ」はあわせてコンバージョンへの導線設計も必要となるでしょう。1年間で売上100万円アップのように数値化すれば、取り組むべき施策を明確化できます。
また、ターゲット(ペルソナ)も具体的に定めれば、訴求力アップを図ることが可能です。
良い例 | |
ターゲット・ペルソナ | ・20代女性事務員で、会計処理などの事務作業に苦労している。 ・通勤の合間や隙間時間を活用して、効率化できる方法を探している。 |
コンテンツ制作に取り入れたい要素 | ・会計処理を効率化する方法を紹介 ・効率化する手段のひとつとして手軽さが魅力の会計ソフトを訴求 ・スマホでの閲覧が予想されるため、スマホでの視聴を意識したレイアウト(レスポンシブデザイン) |
上記のように具体的にターゲットを設定すれば、コンテンツに取り入れるべき要素も見えてくるでしょう。
Googleの理念やガイドラインに沿ったコンテンツを作成する
SEOを実施するうえでは、Googleの理念やガイドラインを理解することが大切です。検索エンジンのアルゴリズムは公表されていないため、コンテンツを公開してみないと検索順位はわかりません。しかしながらルールに沿ったコンテンツを作成すれば、プラスの評価を得やすいと考えられます。たとえばGoogleではコンテンツを評価する際、以下にある「E-E-A-T」を重視しています。
Experience(経験・体験) | 体験や経験の要素が盛り込まれているか |
Expertise(高い専門性) | プロの知識やノウハウなどの専門的な内容があるか |
Authoritativeness(権威性) | 制作者の明記や被リンクの獲得など権威性があるか |
Trustworthiness(信頼性) | 情報の正確性やサイト自体に関してどれだけ信頼できるか |
「E-E-A-T」はランキングに直接影響を及ぼすものではないものの、取り入れたコンテンツは一定の効果が期待できるとされています。
運用に必要な社内体制を整える
SEOは長期的に取り組む必要があり、規模に応じた社内体制の整備が必要です。特に創業して間もない企業では、ひとりの担当者に業務が偏る「属人化」が発生しやすい傾向にあります。
SEOは施策が多岐にわたるため属人化が発生した場合、理想的な施策を実施できなくなります。効果的なSEO対策を講じるには十分な人員を確保し、チーム内で担当業務を明確に振り分けましょう。
関連ツールを活用して分析・管理を行う
SEOで成果を出すには、継続的な分析と管理が重要です。どれだけSEO対策を講じてコンテンツを制作しても、必ず検索上位に表示されるとは限りません。特に立ち上げたばかりのWebサイトは高評価を得にくい傾向にあるため、課題を改善しながら検索順位アップを狙う必要があります。
ただし分析は感覚的に行うのではなく、分析・管理ツールを活用して正確に数値化することが大切です。無料ツールであれば、予算が確保しにくい起業時でも利用しやすいでしょう。
よく利用される分析・管理ツールとしては、以下のようなものがあります。
- WordPress(CMS)
- Googleサーチコンソール
- Googleアナリティクス
WordPressは、手軽にコンテンツやWebサイトの制作・管理ができる人気のCMSです。CMSとGoogleアナリティクスなどの分析ツールを組み合わせることで、分析や管理がしやすくなります。
なお、SEO分析ツールとしては「ahrefs」もおすすめです。
世界60万人が導入|人気のSEO分析ツール「ahrefs」
ahrefsのおすすめポイント
- 月額1万9,800円の定額プランありで起業時でも利用しやすい
- 上位の競合ページや日々の順位変動などの情報を手軽に取得できる
- キーワード分析や悪質な被リンクの発見も可能
ahrefsは、世界60万人が導入する人気のSEO分析ツールです。月額1万9,800円から利用でき、「AUTOBACS SEVEN」をはじめとする大手日本企業の導入実績もあります。
ahrefsでは、4種類のプランを利用可能です。ライトプランは月額2万円以下で利用でき、初期費用も無料なので予算が少ない起業時でも活用しやすいでしょう。
またURLを入力するだけで、上位の競合ページや日々の順位変動などがわかるため、分析に慣れていない初心者でも使いやすく便利です。キーワード分析や悪質な被リンクの発見もでき、良質なコンテンツを制作する際に役立ちます。
運営元企業 | 株式会社フルスピード |
主な機能 | ・サイトエクスプローラー:ドメイン・URL単位でサイトを分析) ・コンテンツエクスプローラー:対象キーワードに関して題性の高いコンテンツを分析 ・キーワードエクスプローラー:検索キーワードの上位サイトの被リンクを調査 ・アラート機能:対象サイトのアラート設定 ・ランキング調査:対象サイトの順位チェック ・AhrefsAPI |
価格の目安 | ・ライト:19,900円 ・スタンダード:38,400円 ・アドバンスド:68,900円 ・エンタープライズ:年額契約のみ |
導入企業例 | AUTOBACS SEVEN株式会社エレメント など |
詳細 | 公式サイト |
自社での対応が難しいときは制作会社への依頼も検討する
SEO対策で成果を出すには、マーケティング・Web・CMSに関する専門的な知識とスキルが必要です。自社のみで行う場合には、知識を有した人材を確保しなければなりません。新たに登用するとなれば、採用コストや人件費を見込んでおく必要があります。
自社のみでの対応が難しい場合は、SEO対策サービスを提供する制作会社へ依頼するのも選択肢です。プロからアドバイスを受けながらSEOに取り組むことで、成果を出しやすくなる可能性があります。
また制作会社によっては、制作から運用代行などをワンストップで依頼可能です。戦略立案も対応する会社もあるので、自社の状況にマッチする制作会社を探してみましょう。
起業時にSEOに取り組む際の注意点
起業時にSEO対策に取り組むときは、以下の点に注意しましょう。注意点を押さえないまま取り組むとペナルティを受けたり、事業に損害が生じたりする可能性があります。
- SEOに取り組む前にセキュリティ対策を充実させる
- ガイドラインに違反するとペナルティを受ける可能性あり
- SEO対策を依頼するときは自社に合った会社を選ぶことが大切
SEOに取り組む前にセキュリティ対策を充実させる
SEOに取り組むときは、あわせてSSL化などのセキュリティ対策を充実させましょう。SSL(Secure Socket Layer)とは、通信の暗号化設定のことです。サーバーと閲覧者のブラウザ間の通信を暗号化することで、悪意のある第三者が情報を盗んだり、サイトを改ざんしたりすることを防げます。
昨今では企業規模を問わず、サイバー攻撃による情報漏洩が頻繁に発生している現状です。こういった事態が起きると企業の信頼性が低下してしまい、事業に大きな打撃を与えることになりかねません。またSSL対応がされていないサイトは、危険性があるホームページとみなされ、SEO的にマイナスとなる可能性があります。
情報漏洩は賠償責任が生じる恐れもあるので、サイトを設立するときはセキュリティの強化を図りましょう。個人情報や機密情報を大量に扱う場合は、サイバー攻撃保険や個人情報漏洩保険などに加入するのもおすすめです。
ガイドラインに違反するとペナルティを受ける可能性あり
Googleではユーザーが快適に検索機能を利用できるように、ガイドラインや利用規約を定めています。ガイドライン・利用規約で定められている内容は、最低限必要な技術要件や禁止事項などです。
具体的にはダミーサイトに被リンクを大量に設置したり、誤った情報を掲載したりする行為が該当します。違反が確認されたときは検索エンジンの評価が下がるだけでなく、アカウント停止の措置がとられることもあります。コンテンツ制作やSEO対策は、Googleのルールをしっかりと把握したうえで取り組みましょう。
SEO対策を依頼するときは自社に合った会社を選ぶことが大切
制作会社はそれぞれで作業範囲や対応プロセスが異なるため、自社に合ったところを選ぶのが大切です。制作や運営をスムーズに進めることができれば、成果にもつながりやすくなります。制作会社を選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。
SEOの実績は豊富か
SEOを依頼する場合は、SEO対策の実績が豊富な制作会社を選びましょう。ただし「得意です!」といった謳い文句だけでは、どの程度のレベルなのかわかりません。実績を確認するときは、取引企業や対応事例など具体的な実績をチェックすることが大事です。
制作会社にはそれぞれに得意分野があるので、同業種での実績が豊富かも確認しておきましょう。
料金形態は明確か
余分なコストを抑えるには、料金形態を確認しておくことが重要です。Web制作やSEO対策のコンサルティングは業務が多岐にわたるため、料金が曖昧だと追加料金が発生する可能性があります。
公式サイトや見積もりで料金を確認する際は基本料金だけでなく、追加料金の有無もあわせて確認しましょう。また不明瞭な点がある場合はそのままにせず、しっかりと確認して納得したうえで依頼することが大切です。
なお、見積もりは複数社から取ることがポイントです。比較検討することで適切な料金がわかり、自社に合った会社を見つけやすくなるでしょう。
サポート体制は充実しているか
サポート体制が充実している制作会社であれば、万が一のことが発生しても迅速な解決が図りやすく、安定したサイト運営が行えます。
またWebマーケティングを包括的にコンサルティングしている会社の場合、総合的なバックアップが受けられ、ノウハウがないときに便利です。企画の提案からシステム開発をはじめ、Webサイト制作・運用、MAツールとの連携をワンストップで対応している会社もあります。
SEO対策は長期的な取り組みとなるため、担当者や会社の対応が丁寧かも確認しておきたいところです。一方的な売り込みではなく、自社の意図を汲み取った提案をしてくれる会社を選びましょう。
【実績豊富】企業がSEO対策を依頼するときにおすすめの会社6選
ここからは起業時にSEOの外注を検討している企業に向けて、SEO対策の実績が豊富な制作会社6選を紹介します。制作会社選びのときにぜひ参考にしてください。
- オルグロー株式会社
- ナイル株式会社
- 株式会社 PLAN-B
- 株式会社エストリンクス
- 株式会社ウィルゲート
- 株式会社フルスピード
オルグロー株式会社
オルグロー株式会社のおすすめポイント
- SEO対策の取引実績が3,000社と豊富
- サイト別・施策別にあわせた柔軟なSEO対策を実施
- 内部対策指示書適用代行やワイヤーフレーム企画も依頼できる
オルグロー株式会社は、企業の人材からWebまで幅広いソリューションサービスを展開する会社です。提供されているSEOサービス「ホワイトリンク」は、10年間で3,000社以上のWebサイトに対応した実績があります。
また同サービスは、サイト別・施策別にあわせた柔軟なSEO対策を実施するのが特徴です。一般的なWebサイトをはじめ、ECサイト・データベース型サイト・地域エリア別など幅広いサイトに対応しています。
SEO対策では、内部対策指示書適用代行やワイヤーフレーム企画も依頼できます。SEO記事の制作代行にも対応しているため、起業時で社内リソースが確保できないときにもぴったりです。
提供サービス | ・SEOコンサルティング ・データベース型SEO対策 ・地域エリアSEO代行 ・ECサイトSEO代行 ・MEO対策代行 など |
価格の目安 | 月額50万円~ |
事例・実績 | ・月間検索数「約50,000件」のキーワードをランクインさせた ・100以下だったキーワードを約2ヶ月で4位にランクイン ・SEO対策に強い新規Webサイトを制作 |
ナイル株式会社
ナイル株式会社のおすすめポイント
- SEOコンサルティングでの支援実績は2,000社超えと豊富
- SEO・CRO・コンテンツ・サイト改善をワンストップで対応
- クライアントの関係会社と連携した制作も可能
ナイル株式会社は、一気通貫によるマーケティング支援を提供する制作会社です。月間750万人が利用する自社メディア運営で培ったノウハウを活かし、これまでに2,000社を超える企業のSEOコンサルティング支援を行っています。
同社は、SEO・CRO(コンバージョンレート最適化)・コンテンツ制作・サイト改善をワンストップで対応するのが特徴です。課題の洗い出しから改善施策の提案までをまとめて依頼できます。
またSEOの内製化支援も対応しており、社内でSEOのノウハウを習得することが可能です。自社と関係性のある企業と連携したコンサルティングを実施してくれるので、スムーズにプロジェクトを進められるでしょう。
提供サービス | ・SEOコンサルティング ・SEO内製化支援 ・SEO研修 |
価格の目安 | 要問い合わせ |
事例・実績 | ・株式会社リザーブリンク|SEOからマーケティング部門の内製化までトータル支援で、半年で内製化を実現 ・三菱UFJニコス株式会社|オウンドメディアのコンテンツ支援(対策キーワード選定/記事作成・リライト記事作成・戦略の提案など) ・株式会社ライフワークス|3ヶ月で、目標CV数を達成し、CV数は半年で約3.4倍(対策キーワード選定・コラム記事作成・サービスページ作成・内部技術要件の調査、改善施策の提案など) |
株式会社 PLAN-B
株式会社 PLAN-Bのおすすめポイント
- 累計取引社数5,000社超、SEO歴16年とコンサルティング実績が豊富
- 月間800〜1,000件リード獲得のノウハウを活かした施策を提案
- SEOの戦略設計・施策の提案・レポーティングを包括的に対応
株式会社 PLAN-Bは、デジタルマーケティング・人材事業・メディア事業を展開する会社です。デジタルマーケティングでは、SEOコンサルティングからWeb制作まで幅広い業務に対応。16年間で累計取引社数5,000社超えの実績があります。
同社は、月間800〜1,000件のリード(見込み客)を獲得する自社メディアを運営しています。SEOコンサルティングにおいては、ノウハウを活かした提案を受けることが可能です。セッションの獲得だけでなく、リード獲得を見据えた施策を展開できます。
また、SEOの戦略設計・施策の提案・レポーティングを包括的に対応してもらえるのもポイントです。業界・業種に特化したチームでコンサルティングしてもらうことで、業界や業種にマッチしたサイト運営が図れるでしょう。
提供サービス | SEOコンサルティング コンテンツライティング |
価格の目安 | SEOコンサルティング ・スタンダードプラン:40万円~/月 ・プレミアムプラン:60万円~/月 コンテンツライティング ・5万円/1記事 |
事例・実績 | ・DMMぱちタウン|SEO対策前と比べて300%以上の実績を実現 ・野村不動産ソリューションズ株式会社|SEO対策前と比べてセッション数150%以上の実績を実現 ・株式会社プラスワンインターナショナル|良質なコンテンツ制作・キャンペーン実施などにより、さまざまなキーワードでの検索結果上位表示を達成 |
株式会社エストリンクス
株式会社エストリンクスのおすすめポイント
- SEO事業10年以上、月間1,000記事以上のコンサルティング実績
- サイト内の課題抽出からKPI達成率レポーティングまでを総合的に対応
- Webマーケティングの概論やSEOの基礎知識を学べる研修を開催
株式会社エストリンクスは、静岡県にあるWebマーケティング会社です。10年以上にわたってSEO事業を展開しており、月間1,000記事以上、1ページ目ランクイン率約70%のコンサルティング実績があります。
SEOコンサルティングでは、サイト内の課題抽出からKPI達成率レポーティングまでを総合的に依頼可能です。記事制作や監修などピンポイントでの依頼にも対応しており、予算を考慮したサイト制作や運営ができます。
そのほか同社は、法人向け研修も提供しているのも特徴です。Webマーケティングの概論やSEOの基礎知識を学べるため、自社にノウハウを蓄積できます。
提供サービス | ・SEOコンサルティング ・記事制作画像イラスト作成 ・SEOに関する法人向け研修 など |
価格の目安 | ・SEOコンサルティング:月額20万円~ ・記事制作画像:60,000円/1記事 ・イラスト作成:10,000円/1枚 ・SEOに関する法人向け研修:30万円/3回 |
事例・実績 | 株式会社 一条|SEO、SNS運用を支援 |
株式会社ウィルゲート
株式会社ウィルゲートのおすすめポイント
- 取引実績7,700社、SEOを手掛けたサイト数は2,900サイト以上
- 独自開発のSEOツールを用いた戦略設計を実施
- 内製化の支援にも対応
株式会社ウィルゲートは、ベンチャー企業支援に取り組む制作会社です。コンテンツマーケティング・M&A・セミナーなど、創立間もないベンチャー企業に役立つさまざまなサービスを展開しています。
SEOコンサルティングは取引実績7,700社、SEOを手掛けたサイト数2,900サイト以上と実績が豊富です。14年以上にわたって収集した膨大な研修データをもとに、独自開発のSEO分析ツールを活用した戦略支援などを行っています。
またコンサルティングでは、顧客の要望や状況に応じたサービスを受けることが可能です。伴走型SEOサポートを実施しており、SEO研修も対応しているため自社の組織体制作りに役立ちます。
提供サービス | ・SEOコンサルティング ・記事作成代行 ・SEO研修 |
価格の目安 | 要問い合わせ |
事例・実績 | ・株式会社アバント|SEOコンサルティングとSEOツールの提供を行い、セッション数が1ヶ月で2倍・Webからの問い合わせが2.5倍に増加 ・春うららかな書房|SEOツールの提供と内製化支援を実施し、Web経由売上が2倍・7ヶ月後のセッション数は50,000件以上を実現 ・株式会社タカショー|SEOコンサルティングと記事作成支援などで、330万越えの月間ユニークユーザーを獲得 |
株式会社フルスピード
株式会社フルスピードのおすすめポイント
- 約20年、5,500社以上のSEOコンサルティング実績
- Ahrefsのオフィシャルパートナー
- 多彩なWebプロモーションを組み合わせた支援を実施
株式会社フルスピードは、国内外の複数の拠点でデジタルマーケティングを展開する会社です。Webサイトコンサルティング/制作から地域向けDXまで、幅広い業務を提供しています。
同社は約20年、5,500社以上と、SEOコンサルティングの実績が豊富です。Ahrefsのオフィシャルパートナーとして販売サポートも行っており、自社のノウハウとAhrefsの分析力を活かしたコンサルティングを提供しています。
また、多彩なWebプロモーションを組み合わせた支援が受けられるのもポイントです。「SEO×コンテンツ制作×SNS広告」のように、サイト運営に関する総合的な支援が受けられます。
提供サービス | ・Webサイトコンサルティング(SEO含む) ・SEOコンサルティング ・記事制作代行コンテンツSEOサービス ・Webサイトコンサルティング(SEO含む) ・法人向けSEO研修 など |
価格の目安 | 要問い合わせ |
事例・実績 | ・日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社|注力キーワードに加え、掛け合わせキーワードでも上位を獲得 ・RENOGYJAPAN株式会社|SEOコンサルティングサービスにより、注力商品の単体キーワードで上位表示を達成 ・フリービット株式会社|コンテンツSEOにより、月間セッション数557倍を実現 |
まとめ
SEOで成果を出すには、検索エンジンの仕組みやGoogleのルールを理解しておくことが大切です。適切な対策を講じることで、検索エンジンからの評価を得やすくなります。
特にユーザーのニーズを満たせるコンテンツ制作は、SEOを考えるうえで重要なポイントです。ユーザーファーストを掲げるGoogleの理念とも合致しているため、検索エンジンからの評価も高まりやすいと考えられます。
またユーザビリティを意識したコンテンツは、企業やサービスに対する信頼性の獲得にも有効です。集客力や売上のアップにもつながるでしょう。ただし、SEOは成果が出るまで時間を要する傾向にあります。理解を深めつつ、長期的な視点で取り組むことが重要です。
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。
この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
東商 社長ネット 株式会社バーチャルオフィス1 牧野 傑
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