起業に向いている人の特徴・性格とは?起業家のタイプや成功率も紹介!

[投稿日]2024年08月29日 / [最終更新日]2024年09月10日

起業に向いている人の特徴・性格とは?起業家のタイプや成功率も紹介!

 「起業して成功したい」と思いつつも、自分にできるのか不安に思う方も多いでしょう。起業にはリスクが伴うため、「自分に向いているのか・向いていないのか?」と慎重になるはずです。

この記事では、起業に向いている人・向いていない人の特徴や性格を紹介します。また、起業家のタイプや成功率、成功するためのポイントなども解説しているため、起業をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

起業とは

起業とは

起業とは、自分自身で新しい事業を立ち上げることです。一般的に「株式会社の設立」をイメージしがちですが、以下のような事業形態であっても起業と呼びます。

  • 合同会社
  • 個人事業主 

起業家の働き方は、会社員の働き方と大きく異なります。必ずしも成功できるとは限らないなかで忍耐強く経営を続ける必要があり、また、成果が出なければ収入は発生しません。

そのため、起業に求められる適性や性格も会社員とは大きく異なります。「自分が起業で成功できる適性があるか」を理解してから、起業を行うか否かを決定する必要があります。

起業家や実業家、経営者などの違い

自分で新しい事業を起こす人を「起業家」と呼びますが、ほかにも「実業家」や「経営者」など類似した言葉が複数存在します。それぞれの言葉に明確な定義はないものの、一般的には以下のように区分されます。

  • 起業家:自分で新しい事業を立ち上げる者
  • 企業家:自分で企業を立ち上げ経営に取り組む者
  • 実業家:工業や商業、金融など経済的な事業を営む者
  • 経営者:企業の経営をしている者
  • 事業家:事業を成功させた者

とくに区別しづらいのが、起業家と企業家です。まず、起業家とは「事業を立ち上げた人」を指すため、経営を別の人へ委託する場合も含みます。一方、企業家は「経営する人」という意味合いが強いため、創業者が自ら経営する場合に用います。

起業に向いている人の特徴・性格

起業に向いている人

起業に向いている人には、特徴・性格の共通点があります。もちろん、これらによって事業の成否が確定するわけではありませんが、該当するものが多いほうが成功率を高められます。以下、起業に向いている人の特徴・性格です。

  • 目的が明確な人
  • 行動力がある人
  • 忍耐力がある人
  • 決断力がある人
  • 柔軟性がある人
  • 責任感がある人
  • 失敗から学べる人
  • 論理的な思考力がある人
  • コミュニケーション能力がある人
  • 自信を持っている人
  • 時間管理能力が高い人
  • リスク許容度が高い人

ここでは、起業に向いている人の特徴や性格を紹介します。

目的が明確な人

起業の目的が明確な人は、事業運営においても成功しやすいです。起業の目的は、いわば事業運営における指針です。

目指すべき方向や最終的なゴールが明確なら、誤った経営判断をしづらく、結果的に事業の成功率が高まります。一言で起業といっても目的はさまざまで、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 私生活を充実させた働き方をしたい
  • 経済的に大きな成功を遂げたい
  • 社会の問題を解決したい など

これらを明確にしていると「目的に向けてどのような意思決定をすべきか」「何が必要でどのように補えば良いのか」が判断できます。

たとえば「経済的に大きな成長を遂げたい」といった場合は、伸びしろや市場規模などを踏まえて参入する業界を選ぶ必要があり、一定のリスクを負った意思決定をすべきタイミングも現れるでしょう。目的に向けて一貫した意思決定ができれば、事業の雲行きが怪しくなってもすぐに軌道修正できるようになります。

行動力がある人

起業で成功するには、行動力も必須の能力です。まず、一定のリスクや責任を伴う起業を選択・実施すること自体にも行動力が必要です。

日本政策金融公庫が発表した「2023年度起業と起業意識に関する調査」によると、起業関心層のうち「起業したい」と回答したのは、52.0%でした。一方、約半数の人は興味があるものの、行動に移せていません。

2023年度起業と起業意識に関する調査

出典:2023年度起業と起業意識に関する調査|日本政策金融公庫

もちろん、起業ができない理由として「リスクを取れない」「家族を優先したい」といった理由も考えられます。しかし「起業したいと思ったまま行動できない」「起業したいが何をすれば良いか分からない」と考える層も一定割合存在するでしょう。

しかしセミナーやスクールへの参加、ネットでの情報収集、人脈形成など、すぐにでも行動できることは数多くあります。起業は誰かに指示を受けて行うものではないため、自分で考え動き出せる人は起業に向いているといえるでしょう。

忍耐力がある人

起業後に思うような成果が得られず、利益が出ないケースも珍しくありません。現在事業が成功している起業家も、利益が出るまでにさまざまな苦労や赤字期間を耐え抜いたはずです。

起業家には、こうした苦悩の期間を耐え抜くための、精神的な忍耐力が求められます。もちろん、単に苦悩を耐え抜くだけでなく、成功に向けチャレンジを続けられることが大切です。

自身の過去を振り返り、「逆境に対して前向きに取り組めたか?」「挫折しても再起してチャレンジできたか?」を思い出してみると良いでしょう。

決断力がある人

決断力も起業家にとって必須の資質のひとつです。起業家は、すべての事柄を自分の考えのもと判断します。

もちろん周りから助言を受けることはあっても、最終的に決断するのは起業家である自分自身です。チャンスを逃さずに明確な決断ができるかが業績を大きく左右するといっても過言ではありません。

仮に、優柔不断だったり、曖昧な判断しかできなかったりすると、チャンスを逃す恐れがあります。また、従業員を雇うのであれば、自分の意思にしたがってもらえないでしょう。

決断力があればチャンスを逃さずにビジネスを展開でき、人望も集まるので、起業に向いているといえます。

柔軟性がある人

昨今は急激な技術の発展もあり、市場や社会情勢が目まぐるしく変化します。こうした変化の激しい状況だからこそ、状況を正しく把握し、それに順応していく柔軟性が求められます。

事業を運営していると、トラブルに見舞われるケースも多々あり、その度に臨機応変な対応ができれば被害を最小限に抑えられます。そのため、過去の成功や常識に囚われず、柔軟性を持って事業運営ができる人が成功しやすいといえます。

なお、事業内容を考える際も、既存の枠組みに囚われず斬新なアイデアを出せれば、他社との大きな差別化となり事業の成功率を高められます。

責任感がある人

起業家は、すべての意思決定に責任を持たなくてはなりません。会社員とは異なり、上司や企業が自身を守ってくれることはないため、意思決定の責任を自分で背負う覚悟が必要です。

また、責任感が強い人は、自分の決断に対して生じた成功や失敗にもしっかりと向き合えます。成功や失敗の内容を分析して今後の事業運営に活かせれば、事業の生存率や業績が伸びる要因となるでしょう。

失敗から学べる人

どれだけ成功している起業家でも、過去には必ず失敗を経験しています。むしろ、多くの失敗を経験し、そこから学んだことを実践した人こそが成功できています。

ビジネスの失敗には、何かしらの因果関係があることがほとんどです。失敗したからといって自暴自棄にならず、冷静に原因や対応策などを分析できれば、同じ失敗を防止できます。

また、失敗の内容から成功できる要因やきっかけを得られるケースも少なくありません。もちろん失敗への反省は必要ですが、「これはチャンス」と前向きにとらえて事業運営に活かせる人であれば、より良いビジネスを確立しやすくなるでしょう。

論理的な思考力がある人

ビジネスの過程と結果には、必ず因果関係があります。そのため、因果関係を分析・整理して、論理的に思考できれば、事業の成功率を高められます。

また、事業運営では、商品やビジネスプランの良さを顧客や取引先、金融機関などにプレゼンする機会が多々あります。その際、論理的かつ端的に説明できれば、周囲からの理解を得やすく、契約や融資などの目的を達成しやすくなります。

もちろん、一時の閃きで事業に成功する例もありますが、多くの人を巻き込んで長期的にビジネスを進めるのであれば、論理的な思考力は必須といえるでしょう。

コミュニケーション能力がある人

起業するには、コミュニケーション能力も必須のスキルです。たとえ一人で起業しても、事業には必ず取引先や顧客などの関係者が必要です。

こうした関係者とスムーズなコミュニケーションが取れれば、こちらが望む成果を上げやすくなります。一方、良好な人間関係を作れなかったり、自分の意見や事業内容を正確に説明できなかったりすると、機会損失の原因となります。

また、事業運営においては人脈が大きな財産となるため、高いコミュニケーション能力で幅広い人間関係を構築できれば、より有利にビジネスを展開できるでしょう。

自信を持っている人

自信を持っている人は、起業家に向いています。ここで言う自信とは、過去の成功体験に基づくいわゆる「根拠のある自信」だけではありません。明確な理由はないものの、「事業は成功する」「自分ならできる」など、どこか楽観的な根拠のない自信も含まれます。

根拠の有無に関わらず、自信がある人は以下の行動を取りやすく、結果的に事業の成功を引き寄せます。

  • 思い切った決断を下す
  • 困難なことにも積極的に立ち向う
  • 一度の失敗でめげずに挑戦を繰り返す
  • 熱を込めて事業や商品・サービスをPRする
  • 従業員やチームメンバーを引っ張っていく

時間管理能力が高い人

起業後にいち早く成功を収める人は、時間管理能力が長けています。起業後は想像以上にやることが多く、「目の前のタスクをいかに効率良くこなすか?」が重要です。

少し極端な例ですが、100個のタスクを1日でこなす人と7日でこなす人では、前者のほうが取引先からの信用を獲得できます。また、空いた時間で別の作業をこなしたり、時にはチャンスを掴めたりします。

時間管理能力が高い人は、人よりも実績やチャンスを積みやすく、成功する可能性が高いでしょう。

リスク許容度が高い人

前述した忍耐力とも似ていますが、リスク許容度の高さも起業家に求められる特徴です。リスク許容度とは文字どおり、損失に対してどれほど耐えられるのかを示す度合いです。

これには、精神力のみならず、起業家自身の資金力も関わってきます。たとえば、事業が思うように進まず、軌道に乗るまでに多くの時間がかかった場合、精神的にも資金的にも追い込まれます。

この時、自分の精神力や資金力で苦境を乗り越えられるかが肝心です。ここでめげることなく新たな挑戦ができたり、それを支える資金力があったりすると、事業の成功率は高まります。

起業に向いていない人の特徴・性格

起業に向いていない人の特徴や性格

一方で、起業に向いていない人の特徴や性格もあります。これらの特徴・性格は今からでも十分に修正できるため、該当する場合は普段から意識して改善しましょう。

ここでは、起業に向いていない人の特徴・性格を7つ解説します。

お金の管理ができない人

お金の管理ができない人は、起業に向いていません。もちろん、会計周りの従業員を雇えば多くの問題に対処できますが、最終的な判断は経営者に委ねられます。

起業家が営業利益やキャッシュフローという概念をしっかりと理解していないと、的確な意思決定ができません。例え利益が出ていたとしても、キャッシュフローが悪化すれば黒字倒産といった危険性もあります。

実際に、経営者に管理・運営能力がない「放漫経営」によって倒産している企業も数多く存在するのです。またお金の管理ができないと、業績が悪化した際も迅速な経営判断を下せず、結果として大きな損失を生むリスクも生じます。

そのため、お金の管理ができない人は、管理が得意な人をパートナーにするといった対策が必要です。

人に任せられない人

基本的に、人に業務を任せられない人は起業に向いていません。もちろんフリーランスのような1人起業で事業を育てることも可能ですが、一定の規模以上を目指すのであれば他者の力は必要です。

自分1人では物理的に事業規模の拡大は難しく、経理や法務など専門性の高い知識を自分1人で習得することも現実的ではありません。そのため、物事を人に任せられない人は事業運営に向いていない可能性が高いです。

業種や状況によっても異なりますが、起業家に求められる能力はオールマイティに何でもこなせるスキルではなく、経営力とマネジメント力です。これらに集中するためにも、他の業務は各分野の専門家や従業員に任せることが重要となります。

行動が遅い人

行動が遅い人も起業に向いていない可能性があります。上記でも触れたとおり、起業で成功するうえで「タイミング」は非常に重要です。

ビジネスチャンスが舞い降りているにも関わらず、すぐに行動に移せないと、チャンスが流れるもしくは競合他社に先を越される恐れがあります。ビジネスチャンスは頻繁に訪れるものではなく、いつ現れるかも分からないため、目の前のチャンスをいかに勝ち取れるかが起業の成功において重要といえるでしょう。

物事をネガティブに捉える人

ネガティブ思考も起業する場合は改善が必要な性格です。事業運営を行うにあたって、失敗は必ずといって良いほど発生します。

失敗のたびに落ち込んでいては、事業が改善していきません。また、気分が落ち込むと、能動的に行動することが難しくなり、チャンスを逃してしまう原因にもなります。

自分が物事を捉える際、良い方向で考えられるかを分析してみてください。

現状維持を求めている人

現状維持を求めている人は、起業に向いていない可能性があります。起業を行うと、目まぐるしい社会の変化に対応して、自社のビジネスを改良していく必要があります。

一方で、現状維持を好み、古い手法を採用していると、いつしか市場競争に敗北します。他社は競争を勝ち抜くために、日々の業務や新たなことへの挑戦を続けているため、時間の経過によって大きな差が開くのです。

そのため、起業で長期的に成功するには、常に事業を改良して変化に対応していくことを意識しましょう。

客観性がない人

客観性がない人も、事業運営では中々成功できません。事業の利益や損失には何かしらの因果関係があるため、客観的な視点で原因や現状を分析できない人は、適切な意思決定ができない可能性があります。

また、自分の経験や希望的観測に基づいて行動している場合、従業員や取引先、顧客からの理解を得られない可能性もあります。もちろん、自身の成功体験やイメージを基にアイデアを出していくことは重要ですが、必ず裏付けを取ってから発信しましょう。

他責思考が強い人

事業で失敗した際に、自分以外の責任にする方も起業には向いていません。繰り返しになりますが、起業では自身で意思決定した結果を自身で受け入れる必要があります。

事業の結果を自身で受け入れられないと、原因の解明や改善策の策定につながりません。また、他責思考が強いと周りからの信頼を失う原因ともなります。

結果として顧客や取引先、従業員に恵まれず、業績悪化の原因となるため注意が必要です。

起業家の適性が診断できる!おすすめのサイト2選

ここまで、起業に向いている人・向いていない人を紹介しましたが、「自分は一体どっちなのか?」「両方ともあてはまる」という方も良いでしょう。そのような方におすすめなのが、性格診断テストです。

数十のアンケートに回答し、自分の性格や起業家適性を診断するというものです。ここでは、性格や起業家適性を診断できる2つのサイトを紹介します。

The Founder Institute作成の起業家適性テスト

The Founder Instituteのホームページ

The Founder Instituteは、世界各国に支部を持つ、起業家支援を目的とした企業です。これまでに培ったノウハウをもとに、起業家の適性を判断する「起業家DNA評価」を立ち上げました。

公式サイトから診断を受けるには、情報登録や支払いが必要だったりします。以下のサイトでは、The Founder Instituteの簡易テストが掲載されていますので、興味がある方は、ぜひ一度ご確認ください。

参考:Freshtrax「あなたは起業家向き?科学的に証明された起業家タイプの診断テスト」

16 Personalities

16 Personalitiesのホームページ

16Personalitiesとは、アンケートの結果をもとに、診断者の性格を16のタイプに分類するテストです。多くの企業で導入される「MBTI(マイヤーズ=ブリッグスタイプ指標)」から一般向けに派生したもので、オンライン上で無料で受けられるのが特徴です。。

16Personalitiesでは、以下のような93の質問に対して、該当するレベル(1~7)を回答していく仕組みです。

  • 定期的に新しい友達を作る。
  • 自分が興味のある人のところに行って話しかけるのは簡単。

何らか能力を測定するのではなく、物事の捉え方や他者との交流方法に着目している点が特徴です。直接的に起業適性を診断できるわけではありませんが、診断結果から自分の特性や性格を知ることができます。

参考:16Personalities

起業家に向いていない人が起業で成功するには?

前述した起業家に向いていない人の特徴・性格にあてはまるものの、「それでも起業したい」という方もいるでしょう。そのような方が成功するには、以下2つの方法が効果的です。

  • 起業家に必要な資質を持ったパートナーを作る
  • 小さい規模で起業し、必要な資質を身に付けていく

あなたが起業に向いていない性格であっても、必要な資質を持ったパートナーと共同で起業すれば弱点を補えます。また、あなたが斬新なアイデアを発想できたり、強い熱意があったりすれば、パートナーに対してもメリットを与えられます。お互いに不足している部分を補えるため、うまく歯車が回れば起業の成功率を高められます。

また、副業やスモールビジネスなど、小さな規模で起業するのもおすすめです。小規模な事業であれば、たとえ失敗しても被る損失が少ないためです。

実際に起業し、リスクを抑えつつ必要な資質を習得していけます。加えて、副業で始めれば、会社から給料をもらいながら、「自分は起業に向いているか」を判断できます。

起業に向いていないからと諦めるのではなく、自分に合った方法で必要な資質を補完していきましょう。

起業家の5つのタイプ

起業家5つのタイプ

一言で起業家といってもさまざまなタイプがあります。タイプごとに得意とする領域や参考にすべき事例が異なるため、自分がどれに該当するか確認してみてください。

  • イノベーター:新たな製品や革新的な技術を用いて市場を開拓する
  • オポチュニスト:ビジネスチャンスを見つけて要領よく活かす
  • ソーシャル・アントレプレナー(社会起業家):社会問題を解決する手段としてビジネスを行う
  • シリアルアントレプレナー(連続起業家):新規事業を繰り返し立ち上げる
  • ジャックオブオールトレーズ:多様な分野に参入して事業を成長させる

起業で成功できる確率

株式会社東京商工リサーチが発表した「2023年 倒産企業の「平均寿命」調査」によると、2023年次の企業の平均寿命は23. 1年でした。また、倒産企業の構成費を見ると、業歴10年未満の新興企業は29.6%を占めています。

倒産企業の平均寿命と業歴別件数の構成比推移

出典:東京商工リサーチ「倒産企業の平均寿命は23.1年、2年連続で縮む 倒産企業の構成比 「新興」企業が初めて30%台に」

つまり、約3割の企業が10年以上事業を継続できていない計算です。なお、起業直後に廃業へ追い込まれる主な要因は、以下のとおりです。

  • 資金繰りの悪化
  • 計画通りの売上が得られない
  • 体制変化・事業拡大の失敗

なかでも、事業資金が枯渇して廃業するケースは多く見られます。事業を継続するには、仕入れ料・物件の賃料などの経費や税金が継続的にかかります。

また、開業後に想定していた収益が得られない可能性もあるため、出費がかさんで資金ショートを引き起こします。起業で成功するには、失敗を想定した余裕のある事業資金を集めておくことが大切です。

早期廃業に追い込まれないためにも、入念に準備しましょう。

起業するまでのステップ

起業するまでのステップ

基本的に、起業するまでには以下の手順を踏みます。

  1. 事業内容の検討・発掘
  2. 事業開始の手続き・申請
  3. 資金調達
  4. 仕事場・オフィスの確保

ここでは、各工程で抑えておくべき要点を順に紹介します。

STEP1. 事業内容の検討・発掘

まずは、多くの情報に触れ、そこから「どのような事業を行うのか」を検討・発掘します。起業アイデアを見つける際は、以下のポイントに着目するのがおすすめです。

  • 身の回りの不便・不満
  • 自分の好きなこと・専門性
  • 既存のビジネスモデルを掛け合わせる
  • トレンドや社会課題
  • 海外の成功例

上記の観点から発掘したアイデアを市場ニーズ・実現性・競争力の観点から選別し、より優れたものを選びます。また、アイデアを事業内容に落とし込む際は、周りの人の意見に耳を傾けることも大切です。

自分1人では、どうしても固定概念に囚われ考えが凝り固まるためです。第三者の客観的な意見を聞くことで、新たな方向性や事業内容の改善点に気付けます。

STEP2. 事業開始の手続き・申請

事業内容が決まれば、いよいよ事業を開始するための手続き・申請を行います。必要な手続きは、選択する事業形態によって異なる点に注意が必要です。

たとえば、個人事業主の場合は、管轄の税務署へ開業届を提出すれば起業できます。また、確定申告を青色申告する場合は、「所得税の青色申告承認申請書」も開業届と一緒に提出します。

一方、法人(株式会社)の場合は、以下の手続きが必要です。

  • 商号(会社名)や資本金など基本事項の決定
  • 定款の作成・認証を受ける
  • 資本金の振込
  • 登記申請書類を作成して申請する

法人は個人事業主に比べて必要な書類や手続きが多いため、準備から完了までに時間と手間がかかります。なお、法人の種類によっても手続き等が異なるため、不安な場合は専門家へ相談し、助言してもらうと安心です。

STEP3. 資金調達

次に、必要に応じて資金を調達します。一般的に、創業時に選択できる資金調達の方法は、以下のとおりです。

  • 融資
  • 出資
  • 補助金・助成金
  • クラウドファンディング
  • 社債の発行(法人の場合)
  • 株式の発行(株式会社の場合)

事業の実績がないうちは、融資や出資を断られるケースが多い点に注意が必要です。とくに大手の銀行や投資会社は、中堅企業〜大企業との取引に重きを置いているため、創業直後は断られる傾向があります。

そこでおすすめなのが、「日本政策金融公庫」の創業融資です。日本政策金融公庫とは、財務省所管の金融機関のことです。

民間の金融機関が行う業務の補完を目的としているため、新規創業者への支援にも積極的に取り組んでいます。代表的な融資制度には「新規開業資金」があり、限度額が高額なのが特徴です。

融資制度融資限度額
新規開業資金7,200万円(うち運転資金4,800万円)

ただし、融資を受けるには、審査を通過する必要があるためご注意ください。

STEP4. 仕事場・オフィスの確保

最後に、事業を行うための仕事場・オフィスを確保します。主な選択肢として、以下が挙げられます。

仕事場・オフィスの選択肢費用の目安
自宅0円
シェアオフィス1〜3万円
レンタルオフィス4〜10万円
オフィス用物件10〜30万円

月々の費用を抑えるには、自宅での起業がおすすめです。追加で費用がかからないうえに、賃貸物件なら賃料の一部を経費として計上できます。

ただし、自宅を仕事場・オフィスとする場合は、以下のリスクにご注意ください。

  • 賃貸契約で事業用途での利用が認められていない
  • ホームページや名刺で自宅住所がバレる
  • 取引先・顧客とトラブルになった際、自宅を訪問される

自宅を仕事場としつつ安全に起業するには、事業用の住所を借りられるバーチャルオフィスを検討すると良いでしょう。料金も月額数千円程度と比較的安価です。

バーチャルオフィスのメリットデメリットはこちら

なお、弊社バーチャルオフィス1では、東京渋谷区の住所を月額880円~で提供しています。月4回の郵便物転送料込でコスパの良いサービスです。自宅起業をお考えの方は、ぜひホームページをご確認ください。

起業を目指す人がやっておきたいこと

起業を目指す人がやっておきたいこと

近い将来起業する方はもちろん、将来的に起業をお考えの方も今から準備を始めておくことが大切です。具体的には、以下3つの取り組みをしておきましょう。

  • 書籍やSNSなどから情報収集をする
  • セミナーやビジネススクールに参加する
  • 自分の頭でビジネスアイデアを考える

それぞれ順に紹介します。

書籍やSNSなどから情報収集をする

比較的手軽に始められるものとして、書籍やSNSなどを活用した情報収集があります。起業に関する情報はもちろん、税金や市場のニーズ、近年のトレンドなど幅広い情報を集めましょう。

多くの情報を集めれば、起業アイデアに結びついたり、実際に起業した際の困り事を減らせたりできます。とくに、税金や起業準備の知識があれば、「いざ事業を始めよう」と決意した際、スムーズに起業できます。

初動の速さが事業の成否を分けるケースもあるため、できる限り情報を集め、自分の糧としておきましょう。起業前に勉強すべき知識については、以下の記事で詳細に解説しているため、こちらもぜひ参考にしてください。

セミナーやビジネススクールに参加する

起業のスキルや知識、ノウハウ、マインドなどの習得には、セミナーやビジネススクールの活用もおすすめです。とくに経営者のマインドは、起業前に習得すべき要素のひとつです。

上述した「起業に向いていない人」にあてはまる場合や、モチベーションアップをしたい人、経営にまつわる基礎的な知識を得たい人などは、セミナーやビジネススクールを積極的に活用してください。

単に情報が得られるだけでなく、同じ志を持った起業仲間や、先輩起業家との人脈を作れる可能性があります。

自分の頭でビジネスアイデアを考えてみる

起業を目指すなら、必ず自分の頭でビジネスアイデアを考えてみましょう。起業後は、事業に関するすべての意思決定を自分の頭で判断していかなければならないためです。

周りの意見ばかりを取り入れていては、自分の判断軸が形成されません。もちろん行き詰まった際に周りの意見を聞くことも重要ですが、まずは自分の頭で考え、決断するクセをつけていきましょう。

起業で成功するためのポイント

起業で成功するためのポイント

起業は全員が成功できるわけではないため、差別化を行うためにも成功のポイントを押さえた事業運営が重要となります。ここでは、起業で成功するためのポイントを3点解説します。

起業の目的を明確にする

起業を目指す際は、必ず目的の明確化を行いましょう。起業の目的が明確なら、事業の方向性を見失いづらく、ゴールへの最短距離を歩みやすいためです。

事業を行うと多くの意思決定が必要であり、その一つひとつが積み重なって方向性が決まります。仮に目的が曖昧では判断基準が異なり、「何をしたい事業なのか?」が不透明になります。

こうした事業は周りからの信用を得にくく、取引や融資を断られるでしょう。そのため、常に一貫した意思決定を下せるよう、起業の目的を考えてみてください。

入念な起業準備を行う

事業を立ち上げると決めたら、公的な手続きの前に入念な準備を行いましょう。起業で重要となる準備には、以下のようなものがあります。

  • 事業計画書の作成
  • 資金調達手段の検討
  • スキルや知識の習得
  • 人脈の構築
  • 自社サイトや名刺の作成
  • オフィスの契約 など

とくに事業計画書の作成は、その後の成功を左右する重要な要因です。資金調達の成否にも大きく影響するため、市場のニーズを考慮したうえで財務計画や販売戦略を明確にして、利益のシミュレーションをしてみましょう。

起業資金を準備する

十分な起業資金を準備することも、成功の大きなポイントです当面の運転資金や生活費を準備しておけば、事業で赤字が続いても長期間存続できるためです。

一般的には、半年〜1年間事業を継続できる資金が必要とされています。ただ、黒字化するまでの期間は事業プランによっても異なるため、一月あたりの必要資金から逆算して十分量を集めておきましょう。

なお、起業資金を集める際は、自己資金の割合を高めることも大切です。自己資金比率が高ければ、月々の返済が少なく済むためです。

さらに、万が一事業が失敗した際に借金を背負うリスクも小さくなるため、可能な限り自己資金で準備しましょう。

資金調達の主な手段は以下のものがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った選択をしてください。

  • 自己資金
  • 融資
  • 投資
  • 補助金/助成金
  • クラウドファンディング など

起業にかかる費用や資金調達方法の詳細は、以下の記事で解説しているためぜひご覧ください。

まとめ

本記事では、起業に向いている人・向いていない人の特徴や性格などを解説しました。まとめると、それぞれ以下のとおりです。

向いている人向いていない人
目的が明確な人
行動力がある人
忍耐力がある人
決断力がある人
柔軟性がある人
責任感がある人
失敗から学べる人
論理的な思考力がある人
コミュニケーション能力がある人
自信を持っている人
時間管理能力が高い人
リスク許容度が高い人
お金の管理ができない人
人に任せられない人
行動が遅い人
物事をネガティブに捉える人
現状維持を求めている人
客観性がない人
他責思考が強い人

起業家に向いている人の特徴・性格がある人は、ぜひ自信を持って挑戦してみてください。なお、向いていない人の特徴・性格がある方も、起業を諦める必要はありません。

上表を見るとわかりますが、いずれも知識や自分の身を置く環境によって改善できるものばかりだからです。どの起業家にも共通しますが、もっとも重要なのは適正ではなく、「行動すること」です。

自分が思い描く目標やビジョンを実現するためにも、まずは行動してみることをおすすめします。

参考

参考サイト:企業法務弁護士ナビ|企業法務に強い弁護士・法律事務所を検索・相談サイト

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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