
働き方が多様化している現代において、フリーランスを目指す女性の方も多いことでしょう。フリーランスは会社員のような規定がなく、時間に縛られず都合の良い時間や場所で仕事ができます。しかし、フリーランスはすべての仕事を自分1人でこなす必要があるため、不安を感じる方も多いはずです。
本記事では、フリーランスの概要や、女性フリーランスにおすすめの在宅ワークを紹介します。案件獲得の方法やフリーランスになるまでの流れも解説するので、「女性フリーランスにおすすめの在宅の仕事はある?」「フリーランスになる具体的な方法が知りたい」という方はぜひ参考にしてください。
※以下で使用している数値は、「フリーランス協会|フリーランス白書2023」を参考にしています。
目次
フリーランスとはどんな仕事なのか?
フリーランスとは、企業に属さずに仕事をしている人です。クライアント企業と直接契約を締結し、業務委託として仕事を請け負います。フリーランスの報酬形態は、時給制または固定報酬制など契約によってさまざまです。フリーランスの仕事にはデスクワークから配送まで、幅広い分野が存在します。
フリーランスと個人事業主は類似するものですが、税務上の取り扱いが異なる点に注意が必要です。フリーランスという言葉はあくまでも「働き方」を指す言葉であり、現在のところ法的に明確な規定はありません。
一方で個人事業主は個人で事業を開業している者を指し、税務上で区分が設けられているのが特徴です。たとえば専業でフリーランスとして働いている方が、税務署に開業届を提出すると税務上「個人事業主」として扱われます。
※以下で使用している数値は、「フリーランス協会|フリーランス白書2023」を参考にしています。
フリーランスは「独立系」と「副業系」が存在
フリーランスには多様な形態が存在しますが、働き方は大きく「独立系」と「副業系」に分けられます。
独立系は、フリーランスの仕事のみで生計を立てている人です。一方で会社員として勤務しつつ、フリーランスとしても活動している人は副業系に分けられます。割合でみると独立系は89.4%、副業系は9.0%となっており独立系が大半です。
ただ近年では副業を許可する企業も増えていることから、副業系フリーランスも今後増加していく可能性があります。
男女比・年齢・月の稼働時間
フリーランスの現状を男女比でみると女性54.1%、男性43.1%とやや女性が多い傾向です。従来の働き方の場合、男女における待遇差が問題視(※)されるケースもありますが、フリーランスでは性別による差はみられませんでした。
年齢別では35~55歳の割合が多く、なかでも40~45歳が19.8%で最も高い割合です。ある程度社会経験を積んだ世代が多いことから、経験やスキルを活かした働き方をしていることが窺えます。
そのほか、月の稼働時間では140~200時間未満が最も多いという結果でした。多くのフリーランスは1週間あたり35~50時間、1日あたり5~7時間ほど働いていることになります。
(※)参考:厚生労働省特設サイト|インタビュー~女性活躍とハラスメント防止対策を進める理由~
職種の割合
続いては、職種の割合について見てみましょう。
- クリエイティブ・Web・フォト系…26.6%
- エンジニア・技術開発系…14.8%
- 出版・メディア系…9.9%
- コンサルティング系…7.9%
- 通訳翻訳系…7.3%
職種別にみてみると割合が高いものとしては、クリエイティブ・エンジニアなど専門職が多い印象です。多くのフリーランスは、スキルや経験を活かして働いていることがわかります。
平均年収
気になる年収は、200~400万円未満の割合が多いことがわかりました。
フリーランスで年収が高い職種としては、エンジニア・技術開発系・コンサルティング系などの専門職です。資料によるとこれらの業種では、7割以上が年収400万円を超えています。
【在宅ワーク】女性フリーランスにおすすめの仕事10選
ここでは、女性フリーランスの在宅ワークにおすすめの職種10選をご紹介します。
- Webエンジニア
- Webデザイナー
- Webライター
- アフィリエイター(ブロガー)
- Webマーケター
- 動画編集者
- イラストレーター
- フォトグラファー(写真家)
- 秘書
- バックオフィス
Webエンジニア
Webエンジニアは、システム・Webサイト・アプリの開発を担当する仕事です。プログラミングに関する専門的な知識とスキルを要する仕事で、大きくフロントエンドとバックエンドの領域に分けられます。
フロントエンドはアプリ画面のようなユーザーが目にする部分なのに対して、バックエンドはデータベースやサーバーといった裏側にあたる部分です。フリーランスの場合、どちらかを専門的に対応している方もいれば、双方を対応するフルスタックエンジニアと呼ばれる方もいます。
Webエンジニアは専門的な知識とスキルを要する分、報酬は高めの傾向です。経験を活かしたい方、または独立系として稼ぎたい方に向いているでしょう。
参考サイト:Pikawaka – ピカ1わかりやすいプログラミング用語サイト
Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトのデザインを担当する仕事です。Webサイトのレイアウトやバナー・ボタンのデザインを担当するため、個性やセンスを活かしたい人に向いています。
しかし、個性やセンスを発揮するだけではWebデザイナーとしての活躍は見込めません。Webデザインを行うときは、ユーザビリティを考慮したデザインが求められます。
たとえば、どれだけインパクトのあるデザインを施したとしても、購入ページがどこにあるかがわからなければ、成果にはつながりません。Webサイトのデザインにはユーザーの興味を引くことから、購入までをスムーズに行うための導線設計まで求められます。
女性ならではの感性や視点が求められるシーンも豊富なので、知識とスキルをしっかりと習得していくことで未経験でも活躍が期待できるでしょう。
参考:【入門編】バナー広告のデザインを0から考える5ステップ | 株式会社SORAMICHI
WEBライター
Webライターは、Web上で公開されるコンテンツの文章を作成する仕事です。テーマに沿った文章を執筆することが業務で、文書力に自信がある人に向いています。ただし、文書を執筆するだけがWebライターの仕事ではありません。クライアントの要望に応じて、業務内容は多岐にわたります。
【Webライターの業務内容】
- ライティング
- SEO(検索エンジン最適化)
- CMS入稿・基本的なコーディング
- 簡単な図解作成
対応できる業務範囲が広いほど、単価も高くなる傾向にあります。またWebライターは、知識を広げられる点がメリットです。さまざまなジャンルの記事を執筆することで、幅広い知識を身に付けられます。美容やアパレルなどの案件も豊富なので、女性でも始めやすいといえるでしょう。
参考:Catch the Web Media|AIライティングなど最新ツールも紹介
アフィリエイター(ブロガー)
アフィリエイターとは、「アフィリエイト広告」の運用を行う仕事です。自分のSNSやブログにアフェリエイト企業が提供する広告を掲載し、規定に定められたアクションをユーザーが起こした際に報酬を受け取ります。
アフィリエイターは、自分のペースで働けることが魅力です。企業から業務を請け負うわけではないため、納期に縛られず、自分の好きな時間や場所で働けます。拘束時間がほとんどないので、子育てや家事が忙しい女性でも無理のない働き方ができるでしょう。
一方で、収益化が難しいことがアフィリエイターのデメリットです。ユーザーから自分のメディアを認知してもらう必要があり、集客ができないとほとんど収入は得られません。競合が無数に存在する昨今においては、ファンを獲得するための戦略やSEOなどの対策を講じる必要があります。
また、アフィリエイターとして活動するときは、アフェリエイト広告に関する法規制に注意が必要です。ユーザーの興味を引くために不当表示や虚偽の内容を掲載してしまうと、罰金や懲役刑などの対象となる恐れがあります。
参考:ワードプレスプラクティス|ワードプレスを活用したWEBマーケティング・ホームページやブログ運営・アフィリエイトなど解説サイト
Webマーケター
Webマーケターは、Web上のマーケティングを専門とする仕事です。Web市場での分析や戦略立案などを担当し、企業のWebによる事業展開をサポートする役割を担います。
Webマーケターとして活躍するには、Webマーケティングに関する幅広い知識が必要です。Webマーケティングは領域が広く、業種によっても適した展開方法が異なります。たとえばSNSを中心に展開するのであれば、SNSマーケティングに関する知識とスキルが求められます。
Webマーケターは専門的な知識とスキルが必要となるため、報酬は高めに設定されている傾向です。マーケターとしての経験が必要なシーンも多いことから、スキルや経験を活かしたい方に向いています。
動画編集者
動画編集者は、動画の編集業務に特化した仕事です。撮影された映像やアニメーションに効果音やBGMを挿入したり、動画のトリミングをしたりするのが主な業務となります。
動画は、情報をわかりやすく伝えられるのが特徴です。テロップ・動き・音(ナレーション)など多面的に情報を伝えられるのでユーザーはイメージがしやすく、さまざまなジャンルで活用されています。
また、近年では研修動画や商品説明など、ビジネス向け動画を制作する企業も少なくありません。動画はエンタメからビジネスまで分野が多岐に渡るため、自分の得意とするジャンルに特化していくのもおすすめです。
参考:動画編集の時間はどのくらい?効率化させる方法も紹介!|nifu creation
イラストレーター
イラストレーターは、メディアに掲載するためのイラストを制作する仕事です。専門的な知識は必要なく、業務には想像力やセンスが求められます。イラストを得意とする方は取り組みやすいでしょう。
ただし、求められるスキルはクライアントや媒体によって大きく異なります。以下は、イラストレーターの主な業務内容です。
- Webサイトのイラスト制作
- 本や雑誌など紙媒体メディアのイラスト制作
- LINEスタンプの制作(自己販売を含む)
- フォトサイトでのイラスト販売(自己販売)
イラストレーターの仕事には「企業から依頼を受けて制作する」と「制作したイラストを自分で販売する」の2パターンがあります。企業から依頼を受ける場合は、クライアントの要望を加味した制作が求められるので、それなりのスキルと経験が必要となるでしょう。
一方で自己販売は収益化を図るのが難しいものの、自分のペースで取り組めるためプライベートとの両立がしやすい点がメリットです。仕事と子育てを両立したい女性にも向いているでしょう。
フォトグラファー(写真家)
フォトグラファーは、写真の撮影・販売を行う仕事です。企業からの依頼やWebサイトでの自己販売といった働き方があり、自然風景・人物・商品・イベントなど幅広いジャンルがあります。
フォトグラファーは、自分の感性を活かせるのが特徴です。撮影に関する基礎的な知識と自分の感性を組み合わせることで、世界にひとつしかない作品を作ることもできます。自分の世界観がクライアントやユーザーから評価されれば、高単価な報酬にも期待できるでしょう。
また、働き方の自由度が高いこともメリットのひとつです。撮影時は外出するケースが多いため、在宅と外出でバランス良く働きたい方にも向いています。マタニティフォトや幼稚園のイベント撮影などの機会も豊富で、女性が活躍しやすい環境といえるでしょう。
秘書
秘書は、依頼主のスケジュール管理やメール対応などを代わりに行う仕事です。近年ではオンラインで業務を行うケースもあり、在宅ワークとして働くこともできます。
秘書は依頼主や先方とやり取りする機会が多いため、コミュニケーション能力が必要です。適切なスケジューリングを行うには、依頼主と先方の要望を考慮しつつ、調整を図らなければなりません。
また文書やメールを作成することもあり、それなりの文章力も必要となるでしょう。人のサポートが中心となるため、「コミュニケーションが得意」「やりがいを求める」という方に向いています。
バックオフィス
バックオフィスは、企業内部の業務に関する仕事です。仕事内容はクライアントによって異なりますが、主に以下のような業務が挙げられます。
- 人事(採用・人材管理・面談など)
- 経理・総務
バックオフィスの仕事は、自分の経験を活かしやすいのが特徴です。これまでに人事の経験があれば、採用や人事管理などの業務で活躍が見込めます。
また経理や総務についても、会計処理や給与計算などの経験があると有利です。税金や保険制度に関する知識や経験があると、案件獲得もスムーズに進められる可能性があります。
【未経験でもチャレンジしやすい】女性フリーランスにおすすめの仕事7選
続いては「活かせそうなスキルが少ない」という方のために、未経験でも始めやすいフリーランスの仕事を紹介します。
- 事務・データ入力
- カスタマーサービス
- 翻訳
- ハンドメイド販売
- 営業代行・テレアポ
- 家事代行
事務・データ入力
事務やデータ入力は、専門的な知識が必要なく、初心者でも始めやすい仕事です。主に定められたシステムへのデータ入力やDM作成などが業務となり、決められた納期までに仕事を完遂させます。
事務・データ入力の仕事は、正確さとスピードが求められるのが特徴です。ただしDM作成の場合は、多少の文章力が必要となるでしょう。一般的には好きな時間に稼働ができることが多いため、仕事とプライベートを両立させたい方にぴったりです。
カスタマーサービス
カスタマーサービスは、顧客のサポートを対応する仕事です。顧客から問い合わせがあった際、クライアントが用意しているマニュアルに沿って電話またはメールで回答をします。
カスタマーサービスにはマニュアルが用意されていることが多く、未経験でも始めやすい点がメリットです。ただし、顧客へわかりやすく説明する必要があるため、コミュニケーション能力が求められます。
また、高圧的な態度の顧客もいることがあり、忍耐力が必要な場面もあります。考え込む方には負担が大きい可能性もあるので、「仕事だからと割り切れる」「切り替えが早い」といったマインドを持てる方に向いているでしょう。
翻訳
翻訳は、文章をターゲットが使用する言語に変換する仕事です。特定の言語に関する知識を有していれば、未経験でも始めやすいといえます。
ただし翻訳の仕事は業務が幅広いため、自分で対応できる案件を見極めることがポイントです。たとえば英語の翻訳であっても、Webサイトのコンテンツと論文では求められるスキルレベルが異なります。専門的な内容の場合には、ネイティブレベルの言語力が必要となるでしょう。
なお、近年ではインバウンド需要の増加から翻訳の分野も多言語化しており、英語以外の案件も豊富です。仕事を通じてその地域の文化への理解も深められるため、やりがいを求める方にも向いています。
ハンドメイド販売
ハンドメイド販売は、自分で制作した作品を店舗やネットで販売する仕事です。在宅かつ自分のペースで働けるため、副業として収入化に取り組む方もいます。
ハンドメイドの販売方法は多様ですが、初心者のうちは販売サイトやオークションサイトを利用するケースが大半です。ハンドメイドサイトには女性向けアイテムも豊富に出品されており、手先の器用さに自信がある女性は活躍できる可能性があります。
ただし商品が売れないと収入が見込めません。まずは副業として始めるのも選択肢のひとつです。
営業代行・テレアポ
営業代行・テレアポも、未経験で始めやすい仕事です。ソフトな話し方は相手に安心感を与え、アポイントの獲得が期待できるので、女性ならではの魅力を活かしやすいでしょう。
また、テレアポの場合はトークスクリプトを用意しているクライアントも多く、未経験でも取り組みやすいといえます。対応件数と期日が指定されるケースもありますが、自分のペースで働きやすい仕事です。
なお、アポイントは簡単に取得できるわけではありません。そっけない態度を取られたり、心ない言葉を浴びせられたりすることもあるため、忍耐力が求められます。
家事代行
家事代行は、依頼主の代わりに洗濯や料理などの家事を行う仕事です。日常生活の経験を活かせて、未経験でも始めやすいことから女性フリーランスの仕事として人気があります。
家事代行は、指定された時間内に作業を終わらせなければならず、効率的な作業と柔軟な対応力が求められます。また自宅に上がることになるので、清潔感のある身だしなみや家具や備品への配慮が必要となるでしょう。困っている人のサポートをする家事代行は、やりがいを求める方におすすめの仕事です。
女性フリーランスとして在宅で仕事をするメリット
女性がフリーランスとして在宅ワークに取り組むことには、以下のようなメリットが挙げられます。
- ライフスタイルに合った働き方ができる
- キャリアを継続させやすい
- 経験やスキルを活かした仕事を選べる
- 人間関係に関する悩みを減らせる
- 女性が活躍しやすい環境で働ける
ライフスタイルに合った働き方ができる
働き方の自由度が高いのがフリーランスのメリットです。会社員のような拘束時間があまりなく、ライフスタイルに合った働き方を実現できます。実際にリサーチでもフリーランスとして働くことに関して、以下の点で満足しているという回答が多い結果となりました。
- 就業環境(働く時間/場所など)…78.7%
- プライベートとの両立…68.2%
拘束時間が少ないフリーランスは、プライベートを充実させたい方におすすめです。
キャリアを継続させやすい
仕事を続けやすい環境が整っているため、キャリアが途切れにくいのもフリーランスの魅力です。会社員のみで働く場合、出産・育児などのライフイベントにより、休業や退職を選択することもあるでしょう。
一方でフリーランスは柔軟な働き方ができることから、プライベートと仕事を両立させられます。特に在宅ワークは拘束時間が少ないので、仕事をしつつ、育児や家事の時間も確保しやすいでしょう。
経験やスキルを活かした仕事を選べる
フリーランスは、経験やスキルを活かした仕事を自分で選べるのが特徴です。会社員の場合は組織編制により、自分が意図しない仕事に異動しなければならない場面もあります。
対してフリーランスは自分で案件を獲得できるため、意図しない仕事をするケースはほとんどありません。ときには付随する業務に対応しなければならないこともありますが、基本的には自分の好きな仕事に集中できる点がメリットです。
人間関係に関する悩みを減らせる
在宅フリーランスは1人で仕事に取り組むため、人間関係の悩みを減らせる可能性があります。企業に属している場合、どのような業種でも少なからず人間関係に関する気遣いが必要となり、負担を感じる方も多いでしょう。実際に人間関係は、退職を検討する際によく見受けられる理由です。
人間関係によるストレスが大きく精神疾患を発症してしまうと、働き続けることさえ困難になる可能性もあります。在宅フリーランスは自宅で仕事することで人との関わりを減らせるので、人間関係の悩みは少ないといえるでしょう。
女性が活躍しやすい環境で働ける
フリーランスにおける男女比では女性が50%を超えており、女性が活躍しやすい環境といえます。
日本では女性活躍が推進されているものの、思うように女性が活躍できる環境が整っていない現状です(※1)。このような事態を招く主な要因としては、社内でのいじめやハラスメント対策が課題と考えられています。
一方でフリーランスの場合、年収が高い職種の1・2位は男性の比率が多いものの、3~5位までは女性の割合が多い状況です(※2)。加えて在宅フリーランスは会社員よりも人間関係の影響がない分、ハラスメントの被害に合うリスクも少ないと考えられます。
(※1)厚生労働省採用特設サイト|インタビュー~女性活躍とハラスメント防止対策を進める理由~
(※2)フリーランス協会|フリーランス白書2023
女性フリーランスの主な案件の獲得方法
フリーランスとして収入を得るには、自分で案件を獲得する必要があります。主な案件の獲得方法は、以下の通りです。
- 人脈・過去の取引先
- エージェントサービスの利用
- SNSやWebを活用した自身での宣伝活動
- クラウドソーシングサービスの活用
- 求人広告サービスの利用
人脈・過去の取引先
人脈や過去の取引先は、フリーランスでよく利用される案件獲得手段です。現役フリーランスに対するリサーチでは、仕事につながった方法と最も収入が得られた獲得経路で、双方ともに上位にランクインしています。
人脈 | 過去(現在)の取引先 | |
直近1年間で仕事獲得につながったもの | 70.6%(1位) | 64.7%(2位) |
最も収入が得られた獲得経路 | 33.6%(1位) | 33.5%(2位) |
人脈はすぐに構築できるものではないため、早い段階から積極的にアクションを起こすことが大切です。交流会やセミナーもよく実施されているので、積極的に参加しましょう。また、知人や前職の同僚にフリーランスとしての活動を宣伝することも効果的です。ただし、過度なアプローチはマイナスに働くこともあります。相手の反応を見ながら上手く調整しましょう。
エージェントサービスの利用
エージェントサービスは、エージェントが自分に合った仕事をマッチングしてくれるのがメリットです。自分で一から案件探しをする必要がなく、少ない労力で案件を探せます。
またエージェントサービスには、キャリアプランの相談やフォローを実施しているところもあるため、不安がある方にもおすすめです。上手く活用することで、自分に合ったキャリアプランや案件を見つけられる可能性があります。
【エージェントサービスの例】
- パーソルキャリア株式会社
- HUBキャリア株式会社
- レバテック株式会社
- 株式会社ヒューマン・コネクト
- JOINS株式会社
なお、エージェントサービスを利用したからといって、必ずしも案件獲得につながるわけではありません。フリーランス協会の資料を見ると、発注者(企業)とフリーランス側の双方で課題があり、マッチングが上手くいかないケースもあるようです。
SNSやWebを活用した自身での宣伝活動
フリーランスの案件獲得方法として、SNSやWebによる宣伝活動で受注する方法もあります。SNSやWebサイトで実績やプロフィールを紹介しておくことで、オファーにつながるかもしれません。
また、日ごろからSNSやWebによる宣伝活動をしておけば、認知度アップにも効果的です。他の案件獲得方法と組み合わせて活用することで、クライアントに安心感を与えやすくなるでしょう。ただし理想的な効果を得るには、魅力的なポートフォリオや紹介ページを作成する必要があります。
クラウドソーシングサービスの活用
クラウドソーシングサービスの活用も、よく利用される案件獲得方法です。プラットフォーム上で企業と直接やり取りでき、さまざまな機能が活用できます。
【クラウドソーシングサービスの例】
- クラウドワークス
- ランサーズ
- ココナラ
- ママワークス
クラウドソーシングサービスは、支払いのトラブルを予防しやすい点がメリットです。一般的なクラウドソーシングサービスでは支払いの処理がシステム化されており、クライアント企業は案件を依頼する際、依頼料の一部を前払いしなければなりません。仕事を完遂すれば前払い金は必ず受け取れるため、未回収のリスクを減らせます。
ただしクラウドソーシングサービスでは、手数料が発生する点に注意が必要です。手数料の規定はサービスごとに異なりますが、20%ほどかかるケースもあります。
求人広告サービスの利用
昨今では、求人広告サービスにもフリーランス向けの業務委託の仕事がよく掲載されています。求人広告にはさまざまな媒体がありますが、効率良く仕事を探すときはネット求人が便利です。スマートフォンやタブレットなどがあれば、時間と場所を問わず、いつでも案件探しができます。
【求人広告サービスの例】
- Indeed
- 求人ボックス
- Googleしごと検索
- スタンバイ
求人広告は基本情報を登録しておくことで、条件にマッチした案件を定期的に配信してくれる場合があります。しつこく連絡が来ることもなく、手軽に案件探しをしたい人に向いている方法です。
在宅ワークの女性フリーランスになるまでの流れ
フリーランスになる流れは個人によって異なるものの、大まかには以下のように進めていきます。
- STEP1|スキル・経験を整理する
- STEP2|職種の決定とキャリアプランを計画する
- STEP3|開業届の提出や口座開設などの手続きをする
- STEP4|ポートフォリオを作成して案件の獲得を目指す
STEP1|スキル・経験を整理する
フリーランスは雇用ではないため、スキルや経験を重視される傾向です。案件獲得時はポートフォリオの提出やテストが実施されるケースもあり、まずは自分のスキルや経験を整理して強みを見つける必要があります。
自分の強みを見つけるときは、市場の需要も考慮することがポイントです。市場でニーズの高いスキルであれば、案件獲得や業務で有利に働く可能性があります。
STEP2|職種の決定とキャリアプランを計画する
自分の強みを見つけたら、活かせそうな職種の候補を挙げていきます。ただし職種を決めるときは、キャリアプランもあわせて考えることが重要です。職種とキャリアプランは密接な関係があり、それぞれのバランスを考慮する必要があります。
たとえば将来的に独立系のフリーランスを目指す場合、収入面を考えなければなりません。特に自分の収入が家計に大きな影響を与えるときは、高収入が望める職種を検討したり、キャリアアップを図ったりする必要があります。現状と目的を考慮しつつ、自分に合った職種とキャリアプランを考えましょう。
女性の場合、女性ならではの案件を視野に入れるのもおすすめです。クライアントによっては女性限定や女性向けの案件を募集しており、効率良く案件の獲得を図れる可能性があります。
STEP3|開業届の提出や口座開設などの手続きをする
フリーランスとして新たに事業を開始するのであれば、1ヶ月以内に開業届を提出する必要があります。ただし、1ヶ月以内に提出しなくても罰則等はありません。
とはいえ開業届等の各種手続きは、取引先からの信頼性を得るのに有効です。独立系フリーランスとして手広く事業を展開したいときは、対応するようにしましょう。実際に資料ではクライアント企業がフリーランスに望むものとして、「届け出や納税など事業者としての各種手続きを適切に行う」などの声が見受けられます(※)。税務上でも事業としてきちんと認められていれば、ステークホルダー(関係者)からの信用・信頼も得やすくなるでしょう。
また青色申告承認の手続きは、青色申告で控除を受けるために必要な手続きです。確定申告をする際は、活用することで税金を抑えられます。
STEP4|ポートフォリオを作成して案件の獲得を目指す
フリーランスにおけるポートフォリオは、自分のスキルや経験をまとめたものです。魅力的な内容にまとめることで、案件獲得に役立ちます。
ポートフォリオの作成においては、正確に情報を記載することが重要です。誇張した内容を記載してしまうと案件獲得後にバレてしまい、すぐに契約を解除されることになりかねません。特にクラウドソーシングサービスでは、双方が相手を評価できるシステムがあるため注意が必要です。誇張したことを評価に記載されてしまうと、他の案件獲得時にも影響を及ぼす可能性があります。
ポートフォリオサイトの作り方については、合同会社RAMの「【自作を迷っているデザイナー向け】ポートフォリオサイトの作り方」という記事を参考にしてみてください。
在宅ワークのフリーランスに向いている女性の特徴
在宅ワークのフリーランスに向いている女性の特徴は以下の3つです。
- 自己管理が得意な人
- 最低限のコミュニケーションが苦にならない人
- 目標に向かってコツコツ取り組める人
在宅ワークのフリーランスは、自己管理が得意な人に向いています。ゆとりをもった適切なスケジュールが組めれば、クライアントからの評価も得やすいでしょう。
そして在宅ワークとはいえ、仕事をするうえで最低限のコミュニケーションは必要です。クライアントによってはWebミーティングを実施するケースがあります。コミュニケーションが苦にならない方であれば、スムーズにプロジェクトを進められるはずです。
またフリーランスは給与制ではないので、売上目標は自分で立てなければなりません。目標に向かってコツコツ取り組める人も、フリーランスという働き方に向いているでしょう。
女性フリーランスが在宅ワークで働くときの注意点
女性フリーランスが在宅ワークで働くときは、いくつか注意点があります。主な注意点は以下の5つです。
- 収入が安定しにくい
- 確定申告が必要
- 独立系の場合は社会保険や福利厚生を活用できない
- 営業から事務までを1人で賄わなければならない
- 保育園や幼稚園の審査が厳しくなる可能性がある
収入が安定しにくい
フリーランスは対応した分の報酬しか得られないため、収入が安定しにくいことがデメリットです。案件が獲得できない場合には、無収入となる可能性があります。
またクライアントのなかには悪質な業者も存在しており、仕事をしたからといって必ずしも報酬を支払ってもらえるとは限りません。報酬の未払いは問題視されており、「フリーランス・トラブル110番」などの相談窓口も設置されています。
収入の安定やリスクの軽減を図るには、複数のクライアントを獲得するのが有効です。それぞれで信頼関係をきちんと構築し、継続的な受注の流れを作ることで、収入を安定させやすくなります。
確定申告が必要
フリーランスで得た収入が20万円を超えるときは、確定申告が必要です。確定申告には経理に関する知識が必要となり、あらかじめ習得しておく必要があります。確定申告では、1年分の所得・控除・経費の計上をまとめて申告書に記載します。1年分の帳簿を一度にするのは手間と労力がかかるため、毎月帳簿をつけておくのがおすすめです。
なお、確定申告の対象となる「所得」とは、収入から経費を差し引いたものをいいます。所得が20万円を超えていない場合、基本的に確定申告は必要ありません。
また税金でいえば、インボイス制度に関して理解しておきましょう。インボイス制度は、消費税の免除や納税に関する税金の制度です。クライアントによっては、インボイス対応の業者のみとしか取引をしていないことがあります。
独立系の場合は社会保険などの福利厚生を活用できない
独立系フリーランスは個人事業主なので、社会保険などの福利厚生は活用できません。個人事業主の場合は、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。また、福利厚生は雇用主が従業員に対して提供するものです。個人事業主であるフリーランスには基本的に認められておらず、経費としての計上もできません。
一方で副業系フリーランスの場合は勤務先と雇用契約があることで、企業が提供する社会保険などの福利厚生を利用できます。ただしフリーランスの仕事で得た収入が保険料に影響するため、勤務先企業に副業が知られてしまう可能性があります。副業の許可が必要な場合や規定がはっきりとわからないときは、事前に上司に相談したうえで仕事を始めましょう。
営業から事務までを1人で賄わなければならない
フリーランスは営業から事務までを1人で対応することになり、業務が煩雑になりがちです。1人での対応が難しいときは、経理を税理士に依頼することも検討しましょう。
また、外注は営業活動においても有効です。たとえばSNSやWebサイトで集客を図る場合、他社との差別化を図らなければなりません。しかし、知識のない方が一から制作するのは困難です。SNS戦略やWebサイト制作については、プロの制作会社への外注を検討してみましょう。
保育園や幼稚園の審査が厳しくなる可能性がある
フリーランスという働き方は、保育園の入園審査に影響を及ぼす可能性があります。
保育園の入園審査では就労証明書を提出する必要があり、業務内容や労働時間によって判断されるのが一般的です。フリーランスの場合、会社員と比べると就業実態がわかりにくいことで、優先順位が低くなる可能性があります。
特に在宅ワークは就業実態の証明がしづらいので、自治体や保育園に相談しつつ慎重に進めましょう。判断は自治体によって異なりますが、開業届を提出しておくとフリーランスとして働いていることを証明しやすくなります。
女性フリーランスが在宅で仕事をする際に後悔しないためのポイント
女性フリーランスが在宅で仕事をする際に後悔しないためには、以下のポイントをおさえておきましょう。
- スケジュール管理をしっかりと行う
- 依頼・契約内容は正確に把握する
- 体調管理も重要な仕事のひとつ
- 必要に応じてスキルや経験を身に付ける
- クライアントとのコミュニケーションは大切にする
- パートナーや家族の理解を得ておく
スケジュール管理をしっかりと行う
納期の厳守は、クライアントとの信頼関係を構築するうえで重要です。納期を厳守するためにも、スケジュール管理は徹底して行いましょう。クライアントから提示されたスケジュールでの対応が難しいときは、早めに相談することが大切です。
スケジュールを詰め込み過ぎると、クオリティにも影響することが予想されます。受注範囲や件数はしっかりと検討しましょう。また、スケジューリングでは優先順位を明確にすることが大事です。優先すべきものがわかれば、適切なスケジュールを組みやすくなります。
依頼・契約内容は正確に把握する
依頼や契約書の内容は、正確に把握しておくことが大切です。きちんと理解しておかないと、のちほどトラブルになる可能性があります。
たとえばライターといっても対応範囲や求めるスキルは、クライアント・案件ごとにさまざまです。単に文章が書ければ問題ない場合もあれば、CMS入稿やSEOを加味したライティングを求められるケースもあります。CMS入稿やSEOに対応した案件では、当然ながらそれらの知識とスキルが必要です。
また業務委託の報酬は、給与のように必ずしも毎月支払われるわけではありません。支払いサイトや支払方法はクライアントによって異なるため、契約時にしっかりと確認しておく必要があります。
体調管理も重要な仕事のひとつ
1人で仕事を行うフリーランスは、もしもの事態が発生した際に業務をカバーする人がいません。仕事の遅延・中断が発生してしまった場合、契約を解除されたり、収入が減少したりする可能性があるので、体調管理にも気を配りましょう。
とはいえ実際には収入が安定しないことへの不安から、つい無理をしてしまう人もいるでしょう。無理をしないためには、「体調管理も仕事のひとつ」「ベストパフォーマンスを発揮するため」のようなマインド作りも重要です。
必要に応じてスキルや経験を身に付ける
円滑な案件獲得や単価アップを図るには、必要に応じてスキルや経験を身に付けましょう。職種ごとに役立つスキルや経験を身に付けるほど、有利に仕事を進められます。
フリーランス白書2023によると、フリーランスのスキル不足はマッチングの課題のひとつであることがわかりました。可能な限りスキルを身に付けていくことで、マッチング率を高められる可能性があります。
スキルの習得では実践的な内容を身に付けるだけでなく、資格の取得やスクールで基礎的な内容を学習するのも効果的です。
業種 | スクール | ポイント | 費用の目安(税込) |
エンジニア | COACHTECH(コーチテック) | ・実践的なスキルを身につけられる ・開発実績が積める | ・3ヶ月:429,000円~ ・6ヶ月:660,000円~ ・9ヶ月:858,000円~ ・12ヶ月:1,089,000円~ |
Webデザイナー コーダー 動画制作 | DMM WEBCAMP(副業・フリーランスコース) | ・充実したフィードバック ・転職成功率が98%と高水準 | ・24週間:488,400円 ・28週間:543,400円 ・32週間:598,400円 |
Webマーケター | WEBMARKS | ・受講頻度は週1・2時間で仕事と並行できる ・1年間の就職サポート ・資格取得支援あり | ・動画コンサルティング講座:385,000円 ・超実践講座:495,000円 |
スクールによっては、補助金を活用することで費用を抑えられる場合もあります。気になった方は一度確認してみましょう。また、資格はポートフォリオに記載できるため、案件獲得時のアピールポイントになります。
クライアントとのコミュニケーションは大切にする
エージェントサービスに対するリサーチによれば、コミュニケーション能力不足もマッチングの課題です。業務委託はスキルが重要視される傾向にあるものの、一定のコミュニケーションは求められます。必要となるものは職種やクライアントによって異なりますが、以下のようなコミュニケーションツールを使ったやり取りもよく行われます。
【よく利用されるコミュニケーションツール】
- Zoom
- Chatwork
- LINE
- Slack
- Facebook(+メッセンジャー)
- Google Meet
コミュニケーションツールには、メッセージの引用やスタンプなど、ツールごとにさまざまな機能が搭載されています。使いこなせるほどコミュニケーションを円滑に進めやすくなるので、よく利用されるツールについては使い方をある程度把握しておきましょう。
パートナーや家族の理解を得ておく
女性がフリーランスとして働くにあたり、家庭の状況が変化する可能性があります。あらかじめパートナーや家族の理解を得ておくことが大切です。
たとえば家事にあまり時間が取れなくなる場合、パートナーに協力をお願いしなければならないケースが出てくるでしょう。また独立系フリーランスになるときは、収入の大幅な減少も予想されます。リスクについても、事前にきちんと説明しておかなければなりません。
なお、配偶者の扶養控除を受けている場合は、「扶養範囲内で働くのか」または「扶養を外れるか」も検討する必要があります。中途半端な収入で扶養を外れた際、保険料負担が重くなってしまうので、パートナーとしっかりと話し合いましょう。
まとめ
女性フリーランスとして在宅の仕事を目指すときは、メリットやリスクをしっかりと理解して、自分に合ったキャリアプランを計画することが大切です。目的や現状を総合的に考慮し、適切なプランを立てることで理想とする働き方を実現しやすくなります。
フリーランスは、実績やスキルを構築するまでは思うような収入が見込めない可能性があります。できる限り具体的にプランニングを行い、ゆとりをもった資金計画を立てておきましょう。未経験からフリーランスを目指すときは、まずは副業系からスタートして、経験と実績を積んでいくことも選択肢のひとつです。
参考
参考:ハラスメントかわからない事案や、その対策|株式会社ファクト
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
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この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
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