個人事業主が一定の条件に該当すると、所得税の「予定納税」の対象となります。予定納税は長期的に見ると決して損をする制度ではありません。しかし、制度を把握せずに急に納付を要するとなると、事業の資金繰りの悪化につながる恐れが生じます。
そこで今回は、予定納税の概要や対象者、計算方法などを、BANZAI税理士事務所代表の伴洋太郎税理士 監修のもと解説します。資金繰りが苦しい人向けに、活用できる制度も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
個人事業主が支払う「予定納税」とは
個人事業主が支払う必要がある「予定納税」とは、簡単にいうと「所得税を前払いする制度」です。前年の所得税の納税額を基準として、その年の所得税額を推定し、年3回(確定申告を含む)に分けて所得税の納付手続きを行います。
1年の税金を年3回に分けて納付を行うと、確定申告時にまとめて納付するのと比較して負担感を和らげることができます。また、税務署の立場からしても、早期にその年の税金を確保でき、未納になる可能性を下げられる制度といえるでしょう。
なお、予定納税で納付した税額は、確定申告で確定した税金から差し引くため、税額で損をすることはありません。
予定納税の時期|いつ納税すればいい?
予定納税の時期は7月と11月の年2回で、それぞれ第1期分と第2期分と呼びます。それぞれの納付時期は以下のとおりです。
- 予定納税第1期分:7月1日~7月31日※令和6年に限り9月30日まで
- 予定納税第2期分:11月1日~11月30日
ただし、納付期間の最終日が土日祝日である場合は、その翌日が納付期限です。これに翌年2月~3月に行う確定申告分を加えて計3回の納付手続きを行います。
参考:所得税及び復興特別所得税の予定納税(第1期分)の納税をお忘れなく|国税庁
予定納税の対象者|年収いくらから対象?
予定納税の対象者は、前年分の所得税額(予定納税基準額)が15万円以上の方です。所得換算をすると、課税所得250万円弱程度の方となります。
ただし、前年の所得に譲渡所得や一時所得、雑所得がある場合は、これらを含まないで予定納税基準額の計算が行われます。また、外国税額控除や災害減免法の規定の適用を受けている場合も計算方法が異なる点に留意しましょう。
なお、予定納税の対象になるか否かに、本年の所得金額は関係ありません。仮に本年の所得が大幅に減少したとしても、前年の所得額が15万円以上であれば、原則として予定納税を納める必要があるということです。
個人事業主が支払う予定納税の計算方法
予定納税の計算方法は「予定納税基準額(前年の所得税額)×1/3」です。
予定納税第1期と第2期でそれぞれ納付を行い、合計で前年の所得税額の2/3を納付する形になります。
そして確定申告では、確定した税額から予定納税額を差引いた金額を納付する仕組みです。
予定納税額のシミュレーション
たとえば2023年の所得税額が60万円、2024年の所得税額を50万円と仮定します。
この場合に、2024年7月と11月に支払う予定納税額は、2023年の所得税額60万円×1/3の20万円ずつです。そして、確定申告のタイミングでは、2024年の所得税額50万円から予定納税額の40万円を差し引いた10万円の納付を行います。
仮に2024年の売上が大きく減少して30万円となった場合は、予定納税で10万円多く支払っている状況です。その場合、10万円の還付と、その還付額に対する利息相当額(還付加算金といいます)を受けることができます。
予定納税の手続き・納付方法
予定納税の対象となっている方には、6月中旬頃に税務署から「予定納税額の通知書」が送付されてきます。この通知書には、第1期分と第2期分の税額がそれぞれ記載されています。
また、予定納税の納付方法は大きく以下の6つです。
- 窓口納付
- コンビニ納付
- 振替納付④e-Taxでの電子納税(ダイレクト納付)
- スマホアプリ納付
- クレジットカード納付
ただし振替納付やe-Taxでの納付を利用するには事前の手続きを要する点に留意しましょう。
参考:振替納税手続による納付|国税庁
参考:電子納税 | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
窓口納付
事前手続き | 納付書に必要事項を記入 |
納付方法 | 税務署・金融機関の窓口で現金払い |
利用可能時間 | 税務署:8:30〜17:00(土日祝除く) 金融機関:営業時間内 |
窓口納付とは、管轄の税務署や金融機関の窓口に納付書を持参し、現金で納税する方法です。税務署から送付される納付書の必要事項を記載し、窓口へ持ち込みます。
細かな記載方法は、国税庁の「申告所得税の納付書(領収済通知書)の記載例」にまとめられているため、こちらをご参考ください。
なお、国税庁の効率化・ペーパーレス推進に伴い、令和6年5月以降は納付書の送付対象者が限定されます。以下に該当する方は、納付書が届かなくなります。
《事前送付を行わないこととなる方》
- e-Taxにより申告書を提出されている法人の方
- e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人の方
- e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望された個人の方
- 「納付書」を使用しない次の手段により納付されている法人・個人の方
・ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
・振替納税
・インターネットバンキング等による納付
・クレジットカード納付
・スマホアプリ納付
・コンビニ納付(QRコード)
コンビニ納付
事前手続き | ・バーコードつき納付書の入手 ・税務署へ問い合わせて入手 ・QRコードを活用して入手 |
納付方法 | コンビニのレジで現金払い |
利用可能時間 | 24時間 |
コンビニ納付は、前述の窓口納付によく似た方法です。専用の納付書を持参し、コンビニのレジで現金にて納付します。
管轄の税務署に問い合わせれば、バーコードのついたコンビニ納付書が送付されます。一方、QRコードを活用して納付書を発行する方法もあります。
国税庁の特設ページに必要情報を入力すれば、QRコードの発行が可能です。その後コンビニの専用端末でQRコードを読み取れば、その場でバーコード付きの納付書を出力できます。
いずれも、自宅・コンビニのみで納付が完結する点が魅力です。ただし、納付額が30万円を超える場合は利用できない点に注意が必要です。
振替納付
事前手続き | 口座振替依頼書の提出 |
納付方法 | 自動引き落とし |
利用可能時間 | 金融機関のシステムが稼働している時間帯 |
振替納付は、指定した金融機関の口座から振替で納付する方法です。あらかじめ口座振替依頼書を提出しておけば、以降は自動で納付できるため手間がかかりません。
都市銀行をはじめ、信用金庫・組合や労働金庫などの金融機関が対応しています。ただし、住信SBIネット銀行やPayPay銀行など多くのネット銀行は、振替納付に対応していないため注意が必要です。
予定納税の振替納付をお考えの方は、国税庁の「オンライン提出利用可能金融機関一覧(振替納税)」を参照し、対応可否を確認しましょう。
e-Taxでの電子納税(ダイレクト納付)
事前手続き | 1.e-Taxの利用開始手続 2.納税用確認番号等の登録 3.ダイレクト納付利用届出書を提出 |
納付方法 | e-Taxにて預貯金口座から納付 |
利用可能時間 | e-Taxの受付時間かつ金融機関のシステムが稼働している時間帯 |
e-Taxとは、国税庁が運営する国税電子申告・納税システムです。納付情報を登録することで、指定の銀行口座から振替納付が可能です。
ただ、一般的な振替納付とは異なり、e-Taxを使用するための手続きが必要なため注意が必要です。納税用確認番号等の登録やダイレクト利用届出書の提出が必要で、利用可能になるまでに1ヶ月ほどかかることもあります。
e-Taxでの電子納税をお考えの方は、スケジュールに余裕を持って各種手続きを進めましょう。
スマホアプリ納付
事前手続き | 決済方法(Pay払い)の準備 |
納付方法 | スマートフォン決済専用サイトにて必要事項をを入力 |
利用可能時間 | 24時間 |
スマホアプリ納付とは、国税庁が指定した受託会社の、スマートフォン決済専用サイトから納付する方法です。受託会社は上場企業のGMOペイメントゲートウェイ株式会社です。
同社が運営する「スマートフォン決済専用サイト」にて納付情報を入力し、対象の決済方法にて予定納税を納付する仕組みです。スマホアプリ納付に対応した決済方法には、以下の7つがあります。
- PayPay
- d払い
- au PAY
- LINE Pay
- メルペイ
- Amazon Pay
- 楽天ペイ
クレジットカード払いや銀行振込には対応していないため、利用前には上記Pay払いへのアカウント登録が必要です。また、納付額が30万円を超える場合は利用できないため注意しましょう。
クレジットカード納付
事前手続き | なし |
納付方法 | 国税クレジットカードお支払いサイトにて必要事項を記入 |
利用可能時間 | 24時間 |
クレジットカード納付は、国税庁が指定した受託会社の「国税クレジットカードお支払いサイト」から納付する方法です。事前の申請・手続きが不要で、専用サイトに必要情報を記入すれば利用できます。
利用できるカードの国際ブランドは以下のとおりです。
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- TS CUBIC CARD
なお、クレジットカード納付では、納付税額に応じて決済手数料が発生する点に注意が必要です。
個人事業主が予定納税を計画的に行うポイント
ここでは、個人事業主の予定納税を計画的に行うためのポイントを2つ紹介します。
納税準備預金を活用する
予定納税のタイミングでの支出に困らないためにも、納税準備預金の利用がおすすめです。
納税準備預金とは、税金の納付にあてることを目的とした預金です。原則として納税のタイミングでしか引き出せないため、事前に入金していれば急な税金の支払いにも対応できます。
納税準備金の利子は非課税であり、資金繰りの調整もしやすくなるため、ぜひ検討してください。
納税予定表を利用する
税金の支払いで個人事業主が最も困ると感じるのは、それぞれの税金を納付するタイミングがバラバラである点です。
諸税金の納付のタイミングは、慣れていないといつ納税通知書が届くか分かりません。思いがけないタイミングで大きなお金が出ていくため「資金繰りが厳しい」と感じてしまうのです。
そこで役立つのが「納税予定表」です。納税予定表があればお金が出るタイミングが分かり、スケジュール感を持って資金繰りを管理することができます。
納税予定表は税理士からもらえるケースも多いです。税理士に依頼していない場合は個人で作ることも可能です。
また、インターネットで検索すれば無料で納税予定表を公開しているサイトもあるため、確認してみましょう。
個人事業主が予定納税を無視・拒否した場合はどうなる?
予定納税は、税金を前払いする仕組みですが、納付期限をすぎると延滞税の対象になります。延滞税の計算方法は以下のとおりです。
- 2ヶ月目までの期間分:①納付税額×延滞税率(「年率7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」の いずれか低い割合)×延滞期間
- 2ヶ月目以降の期間分:①+納付税額×延滞税率(「年率14.6%」と「延滞税特例基準割合+1%」の いずれか低い割合)×2ヶ月目以降の延滞期間
延滞税は1日ずつ増えていく税金であるため、税負担を最小限に抑えるには少しでも早い納付手続きが大切です。また、税務署からの催促を無視し続けたら財産の差押えを受ける可能性もあるため、納付手続きや猶予手続きなどを確実に行いましょう。
参考:延滞税の計算方法|国税庁
参考:延滞税の割合|国税庁
予定納税が難しいときに活用できる3つの制度
予定納税は納税者が拒否できる制度ではありません。原則として対象者は必ず納付手続きを行う必要があります。
ただし、資金繰りの悪化や売上の減少といった理由があれば、減額や猶予を受けることができます。ここでは減額申請や猶予申請の手続きを紹介するため、該当の方は活用を検討しましょう。
1.予定納税額の減額申請手続き
予定納税額の減額申請とは、申告納税見込み額が前年の所得税額を下回る場合に、予定納税額の減額を求める申請手続きです。具体的には以下の2つの場合において利用できる制度です。
①6月30日時点の申告納税見積額が前年の所得税額に満たないと見込まれる
②10月31日時点の申告納税見積額が既に受けている減額の承認に係る申告納税見積額に満たないと見込まれる
予定納税額の減額申請手続きを行うためには管轄の税務署に「予定納税額の減額申請書」を提出する必要があります。提出期限は第1期と第2期でそれぞれ以下のとおりです。
- 予定納税第1期:7月1日~7月15日
- 予定納税第2期:11月1日~11月15日
なお、提出期限が土日祝日に該当する場合は翌日が期限になります。
予定納税の支払いが難しい場合、最初に検討すべき手続きといえるでしょう。
参考:[手続名]所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続|国税庁
2.納税の猶予申請
納税の猶予とは、納期限が到来していない税目の納税が猶予される制度です。一定の猶予該当事実に当てはまっている必要があります。
また、納税の猶予は延滞税が軽減される点もメリットです。
手続きを行うことで資金繰りが良い時に納付手続きができ、延滞税も最小限に抑えられます。
参考:納付の猶予制度関係
3.納付相談
予定納税の減額申請の提出期限や猶予申請の審査の関係で、両方の手続きができなかった場合でも、納付を無視してはいけません。
その場合、税務署に分割納付の相談をすれば今すぐ全額の納税を避けられる可能性があります。ただし、必ずしも分割が承認されるわけではない点に留意しましょう。
また、分割納付は延滞税の軽減がない点にも注意が必要です。
個人事業主の予定納税でよくある質問
ここでは、個人事業主の予定納税でよくある質問と、その回答を紹介します。
予定納税額は経費計上できる?
予定納税は、所得税や住民税と同様で経費計上ができません。なお、事業用の現金や口座から支払った場合は、勘定科目「事業主貸」で仕分けをします。
たとえば、事業用の普通預金口座から予定納税10万円を支払った場合、以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | ||
事業主貸 | 100,000 | 普通預金 | 100,000 |
一方、予定納税をプライベートの口座や現金で支払った場合は、上記の仕訳が不要です。
予定納税額に定額減税は適用される?
定額減税は、令和6年6月から始まる、所得税や住民税の特別控除(所得税:3万円・住民税:1万円)が受けられる制度のことです。対象となるのは、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下の方とその同一生計配偶者・扶養家族です。
もちろん、予定納税額にも定額減税が適用されます。税務署から届く通知の金額は、定額減税額(本人分3万円)が差し引かれたものです。そのため、同一生計配偶者・扶養家族がいない場合は、予定納税の通知にある金額を納税するだけで問題ありません。
一方、同一生計配偶者・扶養家族がいる場合は、予定納税額の減額申請の手続きによって控除でき、第1期分で控除できない分は第2期分から減税されます。
途中で廃業した場合はどうなる?
年度の途中で廃業して納税見積額が大幅に減少する場合、予定納税額の減額申請手続きを行えば、納税額が減額されます。管轄の税務署に提出する「予定納税額の減額申請書」には提出期限があり、それぞれ以下のとおりです。
- 第1期:7月1日〜7月15日(6月30日までの申告納税見積額)
- 第2期:11月1日〜11月15日(10月31日までの申告納税見積額)
万が一上記の期限を過ぎると、予定納税の減額が受けられないため、必ず期限内に申請しましょう。
消費税の予定納税(中間申告)制度とは?
予定納税と似た制度として「消費税の中間申告」があります。予定納税と似ており混同しがちですが、制度の内容が異なります。「消費税の中間申告」を正しく理解しましょう。
消費税の中間申告の対象者
消費税の中間申告の対象者は、前年の消費税の年税額が48万円超の方です。対象となる消費税は国税のみであり、地方消費税は含まない点に留意しましょう。
また、年間の消費税額が48万円以下であっても、任意の中間申告制度を利用する方は消費税の中間申告が可能です。任意の中間申告制度とは、管轄の税務署に届出書を提出することで、消費税の中間申告書を認めてもらうための制度です。消費税の納税負担を軽減する場合に活用します。
消費税の中間申告の時期
消費税の中間申告の時期は、前年の消費税の額によって変動します。消費税の額が増えれば中間申告の回数は増加するため、自身の消費税額と中間申告の回数を適切に理解しましょう。
前年の消費税額 | 中間申告の回数/年 | 納付期限 |
48万円以下 | – | – |
48万円超400万円以下 | 1回 | 課税期間の末日の翌日から2ヶ月以内 |
400万円超4,800万円以下 | 3回 | 課税期間の末日の翌日から2ヶ月以内 |
4,800万円超 | 11月 | 1月~3月分:5月末日 4月~11月分:中間申告対象期間末日の翌日から2ヶ月以内 |
消費税の中間申告の手続き
消費税の中間申告の際は、税務署から「消費税及び地方消費税の中間申告書」と「納付書」が送付されます。中間申告書に必要事項を記載したうえで税務署に提出し、消費税の納付を行う流れです。
また、当期の業績が悪化している場合には、仮決算にもとづいて消費税額を計算することも可能です。仮決算とは、中間申告の対象となる期間を1事業年度として消費税額を算出し、中間納付を行う手続きです。
仮に年1回の中間納付が必要な場合、6ヶ月を1事業年度として納付する消費税額を算出します。
法人税の予定納税(中間申告)制度とは?
また、法人税も中間申告の対象になります。個人事業主には必要のない制度ですが、法人化をお考えの方は理解しておきましょう。
法人税の中間申告の対象者
中間申告の対象は、前事業年度の法人税の年税額が20万円を超えている法人です。ただし、中間申告の対象となっているのは、株式会社や合同会社の普通法人です。
NPO法人や公益法人などは中間申告が必要ない点に留意しましょう。なお、前年度の実績がない新設法人も原則中間申告は不要です。
中間申告の対象となる法人には、税務署から中間申告書が送付されます。また、前年度の確定申告書をe-Taxで提出した場合は、「法人税中間(予定)申告のお知らせ」が送信されます。
これらを受け取った法人は中間申告の対象となるため、各種必要な手続きを行いましょう。
法人税の中間申告の時期
法人税の中間申告のタイミングは、「事業年度開始の日以後6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内」です。たとえば3月末決算の法人であれば、事業年度開始の日が4月1日です。
そこから6ヶ月後の10月1日〜11月30日が中間申告の納付期間となります。
法人税の中間申告の手続き
法人税の中間申告の方法は「予定申告」と「仮決算」の2種類です。
予定申告とは、前事業年度の法人税額から中間申告の税額を決定する方法です。法人税の中間申告は年1回であるため、前事業年度の法人税額の1/2と計算しがちですが、税法に則ると以下のように算出します。
- 前事業年度の確定法人税額÷前事業年度の月数×6
一方で仮決算とは、事業年度開始日から6ヶ月を1事業年度として、中間申告の税額を決定する方法です。前事業年度から大きく売り上げが変動した場合は、仮決算が有利になることがあります。
法人化をすると決算月の調節で資金繰りが楽になる
個人事業主は12月が決算月と決められていますが、法人は決算月を好きなタイミングで設定できます。そのため、法人化して決算月を変えると、資金繰りが少し楽になる可能性があります。
決算月を繁忙月以外にすると、利益ができるだけ残らないように節税対策ができるだけでなく、手元にお金がある時期を納税のタイミングに調整も可能です。
法人税の納付は決算日の2ヶ月後までです。このタイミングで出ていくお金を調整することで、資金繰りの圧迫感が変わる可能性があります。
3月決算の企業が多いという理由で、決算期を決めているケースは少なくなりません。今一度、自身に最適な決算月は何月かを考えた上で決定をすると良いでしょう。
まとめ
今回は、予定納税の制度や対象者、納付の時期などを解説しました。
予定納税は、昨年の所得税額を基に税金を前払いする制度で、7月と11月に納付を行います。時期や金額が適切に理解できれば、資金繰りに余裕が生まれ、事業の成功に近付くでしょう。
また、見込みの所得が大幅に下がる場合や、資金繰りの関係で納付が難しい場合は各種制度を活用することで無理なく手続きが可能となります。さらに、納税予定表や納税準備預金を利用すれば、スケジュール感を持った資金繰りが可能となるためぜひ活用してください。
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この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
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この記事の監修者
税理士 伴 洋太郎
BANZAI税理士事務所 代表
税理士/1級ファイナンシャルプランニング技能士
大学卒業後、一般企業や税理士事務所での勤務を経て税理士試験に合格し、2018年にBANZAI税理士事務所を開業。個人事業主や中小法人、給与所得者や相続人を対象とした業務の経験が豊富で、スモールビジネスの立ち上げや個人事業の法人化に数多く携わっている。
BANZAI税理士事務所:https://ban-tax.com/