法人口座の開設審査が厳しいと言われる理由|審査落ちへの対策ポイントもご紹介

[投稿日]2024年11月13日 / [最終更新日]2024年11月29日

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法人口座の開設審査が厳しいと言われる理由|審査落ちへの対策ポイントもご紹介

法人口座の開設について調べていると、「法人口座の審査は厳しい」という投稿をたびたび目にします。こうした情報を見て、なぜ厳しいのか疑問に思う方も多いでしょう。

本記事では、法人口座の開設審査が厳しいと言われる2つの理由を解説します。また後半では、審査に対して不安を持つ方に向け、審査落ちになりやすい理由とそれぞれの対策を紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、法人口座の開設に向けた準備を進めてみてください。

法人口座の審査が厳しいと言われる理由

法人口座の審査が厳しいと言われる理由

銀行が法人口座の審査を厳格に行うのは、主に以下2つの要因があるためです。

  • 口座の不正利用を防止するため
  • 長期的な関係構築を見据えているため

審査落ちへの適切な対策を講じるためにも、銀行が審査を厳格化せざるを得ない理由を把握しておきましょう。

口座の不正利用を防止するため

法人口座の審査が厳しいとされる大きな要因は、口座の不正利用を防止するためです。近年、特殊詐欺やマネーロンダリングなどの金融犯罪が多数発生しています。

これらの金融犯罪には銀行が開設した法人口座が頻繁に用いられるため、その対策として多くの国々が法律での取り締まりを強化しています。日本では、犯罪収益移転防止法を施行することで、金融犯罪の防止を目指しています。また、銀行をはじめとする金融機関には、同法に基づき以下をはじめとした義務を課しています。

  • 取引時確認の実施
  • 確認・取引記録の作成・保存
  • 疑わしい取引の届出
  • 事業者の体制整備(教育訓練・規定作成など)
  • 法人の実質的支配者の確認
  • 取引担当者の代理権の確認 など

参考:犯罪収益移転防止法の概要について|国土交通省

金融機関は上記のような義務を果たすために、法人口座の審査を厳格かつ慎重に実施しています。

長期的な関係構築を見据えているため

2つ目に、銀行が顧客との長期的な関係構築を見据えている点があげられます。銀行は、金融サービスの手数料や、預金・融資の利ざやなどを主な収入源としています。

安定した収入を得るためにも、多くの資金を預金してくれたり、融資を希望してくれたりする会社と長く付き合いたいのが本音です。しかし、設立後に廃業する会社が一定数いるため、法人口座の審査にて事業の将来性や経営状態を精査しています。

なお、会社が廃業すると法人口座が売買され、犯罪に利用される恐れがあります。こうしたリスクを回避するためにも、事業の将来性や会社の健全性が審査されます。

法人口座の審査は実際に厳しいの?

法人口座の審査は実際に厳しい?

Xなどの口コミを調査したところ、多くの方が「法人口座の審査に落ちた」「法人口座の審査は厳しい」などの投稿をしていました。以下に、法人口座の審査に関する口コミを掲載しています。

法人口座を開設できた方でも、審査の厳しさや必要書類の多さを実感している方が多い印象です。また、一般的に「法人口座の審査は厳しい」と言われているため、1度の申請で開設できたことに驚く方も多く見られました。

まとめると、法人口座の開設自体は可能ですが、比較的厳しい審査が行われていると言えます。

法人口座で審査落ちする理由と対策

法人口座で審査落ちする理由と対策

ここでは、法人口座で審査落ちになりやすい4つの理由とそれぞれの対策を紹介します。よくある法人口座の審査落ちの理由は、以下の4つです。

  • 最初からメガバンクに申し込んでいる
  • 書類に不備がある
  • 代表者の信用情報に傷がある
  • 事業内容・実態が客観的に把握できない

理由1:最初からメガバンクに申し込んでいる

最初からメガバンクや都市銀行に申し込んだ結果、法人口座の開設を断られるケースがあります。メガバンクや都市銀行は主要都市に本店を構え、全国的に展開する大手の銀行です。

基本的に、信用や資金力がある中小企業〜大企業との取引に重きを置いており、法人口座の審査が厳しいと言われています。また、一部で資本金額の大小が審査に影響する場合もあります。

取引実績が少ない創業期の会社が、最初からメガバンクを申し込むと審査落ちになる可能性が高いです。まずは創業期の会社の法人口座開設に積極的な銀行に申し込むのがおすすめです。

特に、初めて法人口座を開設する法人であれば、ネット銀行が適しています。ネット銀行の審査では、会社の規模や資本金額ではなく、事業実態や将来性を重視する傾向にあるためです。

法人口座の審査に不安を感じている方は、ネット銀行を検討してみてください。

おすすめのネット銀行

以下の表では、法人口座の審査が比較的柔軟な、おすすめのネット銀行を比較しています。

他行宛振込手数料審査期間必要書類
GMOあおぞらネット銀行145円
※129円
※振込料金とくとく会員
最短即日~平均2営業日・本人確認書類
・事業内容確認書類
※法人住所の補完書類
※外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)に係る確認書
※特定取引を行う者の届出書
住信SBIネット銀行145円
※130〜145円
※振込優遇プログラム
オンライン:最短翌営業日
郵送:1週間程度
【オンライン申請】
・本人確認書類
【郵送申請】
・本人確認書類
・口座開設申込書
楽天銀行3万円未満:150円
3万円以上:229円
1週間程度・法人ビジネス口座開設申込書
・法人ビジネス口座開設申込委任状兼実質的支配者に関する届出書
・印鑑証明書
・履歴事項全部証明書
・口座管理者の本人確認書類
・事業内容確認書類
※代表者の本人確認書類
※連絡先確認書類
※法人番号が確認できる書類
PayPay銀行通常:160円
※月5回まで0円
最短3日~10日程度【ホームページ有】
・代表者または取引担当者の本人確認書類
※口座開設申込書
※印鑑証明書
【ホームページ無】
・口座開設申込書
・代表者または取引担当者の本人確認書類
・会社実態の確認書類
・事業内容確認書類
※印鑑証明書
「※」は、条件に応じて提出を求められる書類です。

手数料の安さを重視するなら、GMOあおぞらネット銀行住信SBIネット銀行がおすすめです。いずれも、他行宛の振込手数料が1件あたり145円と安価に設定されています。また、振込手数料の割引プログラムも提供されているため、条件次第で手数料をさらに削減できます。

楽天銀行は、組織規模の拡大をお考えの会社に適したネット銀行です。ほかのネット銀行と比較して、従業員を管理するためのサービスが多数提供されています。

たとえば、ネット銀行としては珍しく給与振込に対応していたり、ネットバンキングアカウントを最大200アカウントを開設できたりします。法人口座のサービス内容を重視する方は、楽天銀行がおすすめです。

PayPay銀行は、インターネットバンキングの操作性に定評がある銀行です。数々のインターネットサービスを提供してきたLINEヤフー株式会社がグループ会社なだけあって、サービスの利便性が非常に高い印象です。また、他行宛の振込手数料が比較的安価なため、コストを抑えたい会社におすすめです。

理由2:書類に不備がある

意外にも、提出書類の不備が原因で法人口座の審査落ちになるケースがあります。よくある理由として、以下があげられます。

  • 提出書類の要件を満たしていない
  • 申請情報と提出書類の情報が不一致
  • 書類の有効期限が過ぎている

もっとも多いのは、提出書類の要件を満たしていないケースです。法人口座の開設申請では、必要な書類のほかに各書類の要件が細かく設定されています。

たとえば、事業内容確認書類として請求書や納品書を求められる場合、「登記上の会社名や所在地が記載されており、なおかつ事業または取扱商品の詳細が確認できるもの」などの要件があります。仮に請求書や納品書を提出しても、上記の要件を満たしていなければ、提出書類の不備と判断される可能性があります。

したがって、法人口座の開設申請では各銀行の公式サイトを確認し、必要書類の種類と要件を細かくチェックすることが大切です。なお、そろえた書類のみでは不安という場合は、別途補完書類を提出して積極的に情報を開示すると良いでしょう。

理由3:代表者の信用情報に傷がある

代表者の信用に傷がある場合も、法人口座の審査落ちになるリスクが高まります。前述のとおり、銀行は法人口座の犯罪利用を防止するために、慎重に審査します。

代表者の経歴や信用面に傷があると、「法人口座を犯罪に利用するのではないか」「事業を継続していけるのか」などが懸念されるため、法人口座の開設を許可しづらいのです。なお、代表者の信用面に傷がある場合は、効果的な対策がありません。

ゆいいつできるのは、信用情報がクリアになるまで期間を空けることです。それまでは法人口座を開設しづらいため、個人口座にて代用する必要があります。

理由4:事業内容・実態が客観的に把握できない

事業内容・実態が客観的に把握できない場合には、審査落ちになる可能性があります。これは、法人口座の犯罪利用を防止するためのものです。

客観的に見ると、事業内容や実態が把握できない会社は、事業を行う意思がなかったり、犯罪や詐欺のためのペーパーカンパニーだったりする可能性があります。よって、銀行としては良好な関係性を構築できないと判断し、審査落ちにするケースがあります。

事業内容・実態を客観的に証明するには、申込時に事業内容を具体的に記載することが大切です。また、提出書類にて申請内容を補完することで、事業内容や実態が銀行に伝わりやすくなります。

まとめ

本記事では、法人口座の審査が厳しい理由を紹介しました。法人口座を金融犯罪に悪用する事件が横行しているため、審査基準の厳格化が進められています。また、審査基準の厳格さとは別に、以下の要因で審査落ちになるリスクがあります。

  • 最初からメガバンクに申し込んでいる
  • 書類に不備がある
  • 代表者の信用情報に傷がある
  • 事業内容・実態が客観的に把握できない

法人口座の開設を成功させたい方は、本記事で紹介した対策を参考にして入念な準備をしてみてください。以下の記事では、ネット銀行・店舗型銀行をさまざまな項目別に比較しています。これから法人口座を開設する銀行を選ぶ方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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