法人口座用の銀行を選ぶ際に、振込手数料を重視する方が多いでしょう。1件あたりの手数料は少額ですが、積み重なれば大きな差になります。
この記事では、法人口座を開設できる銀行の振込手数料を比較します。後半では、手数料を少しでも安く抑えるコツも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
法人口座が開設できる銀行11選の振込手数料を比較!
ここでは、法人口座が開設できる銀行の振込手数料を比較します。ネット銀行と店舗型銀行に分けて一覧表にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ネット銀行:他行宛145円~
まずはネット銀行の振込手数料を比較します。以下では、5つのネット銀行の振込手数料を、同行同一支店宛・同行本支店宛・他行宛別にまとめています。
銀行名 | 同行同一支店宛 | 同行本支店宛 | 他行宛 |
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 無料 | 145円 ※129円 ※振込料金とくとく会員 |
住信SBIネット銀行 | 無料 | 無料 | 145円 ※130〜145円 ※振込優遇プログラム |
楽天銀行 | 52円 | 52円 | 3万円未満:150円 3万円以上:229円 |
PayPay銀行 | 通常:55円 ※預金平均残高3,000万円以上:月5回まで無料 | 通常:55円 ※預金平均残高3,000万円以上:月5回まで無料 | 通常:160円 ※預金平均残高3,000万円以上:月5回まで無料 |
イオン銀行 | 無料 | 無料 | 5万円未満:220円 5万円以上:440円 |
振込手数料がもっとも安いのは、「GMOあおぞらネット銀行」と「住信SBIネット銀行」です。いずれも、同行宛の振込手数料が無料で、他行宛は一律145円とお手頃です。
また、両ネット銀行には、以下の手数料優遇キャンペーンがあります。
銀行名 | 手数料優遇キャンペーン名 | 概要 |
GMOあおぞらネット銀行 | 振込料金とくとく会員 | 月額500円で以下の特典が適用 ・他行宛振込手数料:一律129円 ・提携ATMの出金手数料:月5回無料 ・ビジネスデビットカード追加発行手数料:無料 |
住信SBIネット銀行 | 振込優遇プログラム | 前々月の振込件数に応じて他行宛振込手数料が優遇 ・5回未満:145円 ・5回以上:140円 ・20回以上:135円 ・50回以上:130円 |
手数料優遇キャンペーンも含めると、最安は「GMOあおぞらネット銀行」です。同行の「振込料金とくとく会員」は、振込件数の影響を受けない点が特徴です。たとえ振込件数が10件でも一律129円に割引されるため、月によって取引数が変動する場合でも手数料を安く抑えらえます。
店舗型銀行:他行宛165円~
次に、法人口座を開設できる店舗型銀行の振込手数料を比較します。ひとえに店舗型銀行といっても多岐に渡るため、今回はメガバンクと大手都市銀行、ゆうちょ銀行に絞って紹介します。
銀行名 | 同行同一支店宛 | 同行本支店宛 | 他行宛 |
三菱UFJ銀行 | 3万円未満:110円 3万円以上:330円 | 3万円未満:110円 3万円以上:330円 | 3万円未満:484円 3万円以上:660円 |
みずほ銀行 | 無料 | 3万円未満:220円 3万円以上:440円 | 3万円未満:490円 3万円以上:660円 |
三井住友銀行 | 3万円未満:110円 3万円以上:220円 | 3万円未満:220円 3万円以上:440円 | 3万円未満:495円 3万円以上:660円 |
ゆうちょ銀行 | 100円 | 100円 | 165円 |
りそな銀行 | 無料 | 330円 | 605円 |
SBI新生銀行 | 無料 | 無料 | 3万円未満:220円 3万円以上:330円 |
振込手数料が安いのは、「ゆうちょ銀行」と「SBI新生銀行」です。
ゆうちょ銀行の法人口座は、同行宛の振込にも手数料がかかる反面、他行宛が165円とネット銀行並みに安く設定されています。また、ほかの店舗型銀行とは異なり、振込金額によって手数料が変動しない点も魅力です。
一方、SBI新生銀行の法人口座は、同行宛の振込手数料が無料です。他行宛は、3万円以上でも1件あたり330円と、ほかの店舗型銀行よりも安く設定されています。
振込手数料を重視するならネット銀行を選ぼう
法人口座の振込手数料を重視するなら、ネット銀行がおすすめです。ここでは、店舗型銀行との違いを交えつつ、ネット銀行がおすすめな理由と注意点を紹介します。以下、ネット銀行と店舗型銀行の特徴をまとめています。
ネット銀行 | 店舗型銀行 | |
手数料 | ◎ | △ |
信用力 | △ | ◯ |
サポート面 | △ | ◎ |
インターネットバンキングの利便性 | ◎ | ◯ |
固定費がかかっていないので安い
ネット銀行では、三井住友銀行や三菱UFJ銀行などの店舗型銀行に比べ、運営時の固定費がかかっていません。一般的に、店舗を設置するとなると、賃料や人件費、ATM等の設備運用費が発生します。
また、多くの店舗型銀行は駅近や交通量の多い立地に店舗を構えるため、賃料が高額になる傾向があります。一方、店舗を持たないネット銀行では、これらの固定費がかからず、その分手数料を安く設定したり、インターネットバンキングの利便性を高めたりできます。
実際、多くのネット銀行は、他行宛の振込手数料を店舗型銀行の半額以下に設定しています。なお、同行宛にいたっては無料としている銀行も見られます。したがって、法人口座の振込手数料を安く抑えたい方には、ネット銀行が適しています。
信用力やサポートの面では劣る点に注意
ネット銀行は、店舗型銀行よりも信用力やサポート面の充実度が劣る点がデメリットです。ネット銀行が登場したのは比較的最近であり、三井住友銀行や三菱UFJ銀行などの歴史ある店舗型銀行よりも信用力が低いと捉えられる傾向があります。
たとえば、ホームページの取引先企業にネット銀行を記載するよりも、メガバンクを記載したほうが顧客から信用されやすいでしょう。銀行の信用力は、自社の事業にも影響が及ぶため、ネット銀行を選択する際は注意が必要です。
なお、ネット銀行のサポートは、店舗型銀行よりも劣ります。店舗を持たない以上、仮に取引上の不明点やトラブルがあった場合でも、電話やチャットでしか対応してもらえません。また、地元企業への融資案内やマッチングサポートなど、地元ネットワークを活かした支援が受けられない点もネット銀行のデメリットと言えます。
初期契約料・口座維持手数料で法人口座を比較!
法人口座用の銀行を選ぶうえで、振込手数料と同じくらい重要なのが、初期契約料と口座維持手数料です。特に、口座維持手数料は継続的に発生するため、コストを安く抑えたい方は無料の銀行を選ぶと良いでしょう。
ここでは、ネット銀行と店舗型銀行の初期契約料・口座維持手数料を比較します。
ネット銀行:0円~
以下は、ネット銀行の初期契約料・口座維持手数料を比較した表です。
銀行名 | 初期契約料 | 口座維持手数料 |
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 無料 |
住信SBIネット銀行 | 無料 | 無料 |
楽天銀行 | 無料 | 無料 |
PayPay銀行 | 無料 | 無料 |
イオン銀行 | 無料 | 2,200円 |
イオン銀行を除く、すべてのネット銀行は初期契約料と口座維持手数料が無料です。0円で法人口座を開設・維持できるため、振込手数料の安さで銀行を選定しても良いでしょう。
店舗型銀行:0円~
主要な店舗型銀行の初期契約料と口座維持手数料は、以下のとおりです。
銀行名 | 初期契約料 | 口座維持手数料 |
三菱UFJ銀行 | 無料 | 1,760円 |
みずほ銀行 | ベーシック:27,500円 スタンダード:55,000円 | ベーシック:5,500円 スタンダード:22,000円 |
三井住友銀行 | デビュータイプ:無料 スタンダードタイプ:55,000円 エキスパートタイプ:55,000円 | デビュータイプ:2,200円 スタンダードタイプ:5,500円 エキスパートタイプ:22,000円 |
ゆうちょ銀行 | スタンダードプラン:5500円 エキスパートプラン:11,000円 | スタンダードプラン:550円 エキスパートプラン:1,100円 |
りそな銀行 | 無料 | りそなビジネスダイレクト(Mini):3,300円 りそなビジネスダイレクト:7,700円 |
SBI新生銀行 | 無料 | 無料 |
初期契約料と口座維持手数料が無料なのは、「SBI新生銀行」のみです。同行は、振込手数料も安いため、料金を重視する方におすすめです。
なお、ほかの店舗型銀行は、初期契約料と口座維持手数料のいずれかまたは両方が有料です。そのため、振込手数料のみで法人口座用の銀行を選ぶのではなく、初期契約料と口座維持手数料も考慮して比較・検討してください。
法人口座の振込手数料を安く抑えるコツ
ここでは、法人口座の振込手数料を安く抑えるコツを3つ紹介します。
キャンペーン・お得な制度を活用する
各銀行が開催する手数料優遇キャンペーン・お得な制度を活用すれば、コストを抑えられます。手数料優遇キャンペーンや割引制度を実施している銀行と、その概要は以下のとおりです。
銀行名 | 手数料優遇キャンペーン名 | 新規口座開設特典 |
GMOあおぞらネット銀行 | 【振込料金とくとく会員】 月額500円で以下の特典が適用 ・他行宛振込手数料:一律129円 ・提携ATMの出金手数料:月5回無料 ・ビジネスデビットカード追加発行手数料:無料 | 【振込手数料月20回無料】 口座開設月の翌々月までが対象 他行宛の振込手数料が月20回まで無料 ※設立1年未満の場合:設立月から12ヶ月間月20回まで無料 |
住信SBIネット銀行 | 【振込優遇プログラム】 前々月の振込件数に応じて他行宛振込手数料が優遇 ・5回未満:145円 ・5回以上:140円 ・20回以上:135円 ・50回以上:130円 | 【振込手数料月10回無料】 口座開設月の当月・翌月が対象 他行宛の振込手数料が月10回まで無料 |
振込件数が多い場合は、キャンペーンを利用するほうがお得になるため、ぜひご活用ください。
窓口振込みを避ける
基本的に、銀行の窓口で振込申請をすると、手数料が高くなります。以下は、「三井住友銀行」の手数料を、振込方法別にまとめたものです。
振込先 | 窓口 | ATM | インターネットバンキング |
同行同一支店宛 | 3万円未満:220円 3万円以上:440円 | 【キャッシュカード】 3万円未満:110円 3万円以上:220円 【現金】 3万円未満:220円 3万円以上:440円 | 3万円未満:110円 3万円以上:220円 |
同行本支店宛 | 3万円未満:330円 3万円以上:550円 | 【キャッシュカード】 3万円未満:110円 3万円以上:220円 【現金】3 万円未満:220円 3万円以上:440円 | 3万円未満:220円 3万円以上:440円 |
他行宛 | 3万円未満:605円 3万円以上:770円 | 【キャッシュカード】 3万円未満:275円 3万円以上:440円 【現金】 3万円未満:385円 3万円以上:550円 | 3万円未満:495円 3万円以上:660円 |
実際に比較すると、窓口振込に比べ、ATMやインターネットバンキングのほうが手数料が安く設定されています。これは「三井住友銀行」に限らず、ほとんどの銀行で同様です。振込手数料を少しでも抑えるには、ATMやインターネットバンキングを活用しましょう。
まとめ
この記事では、各銀行を法人口座の振込手数料で比較しました。振込手数料の安さを重視するなら、ネット銀行の法人口座がおすすめです。
基本的に、店舗型銀行よりも手数料が安く設定されています。また、初期契約料・口座維持手数料が無料の銀行が多いため、総合的なコストを抑えられます。
以下の記事では、法人口座におすすめな銀行を、手数料・機能面・こだわりポイントの3つの観点から比較しています。銀行選びでお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。
この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
東商 社長ネット 株式会社バーチャルオフィス1 牧野 傑
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