法人口座が作りやすいと評判の銀行3選!審査基準が比較的柔軟なのはネット銀行

[投稿日]2024年10月11日 / [最終更新日]2024年10月21日

法人口座が作りやすいと評判の銀行3選!審査基準が比較的柔軟なのはネット銀行

法人口座は、個人口座よりも審査が厳しいため、「無事開設できるのか」と不安になるのではないでしょうか?ただ、実際に法人口座を開設した人の意見や、各ネット銀行の特徴を見ると、審査に通りやすい銀行が見えてきます。

本記事では、法人口座が作りやすいと評判の3つの銀行を比較します。銀行の選び方や口座開設の流れもまとめているため、ぜひ最後までご覧ください。

一般的に法人口座が作りやすいと言われるのは「ネット銀行」

ネット銀行だと法人口座が作りやすいと言われている理由

銀行には、メガバンク・都市銀行・信用金庫・ネット銀行などがありますが、一般的に法人口座が開設しやすいと言われるのは「ネット銀行」です。ネット銀行の法人口座を作りやすいと言われる理由は、主に以下の2つです。

  • 創業期の企業支援に積極的な傾向にある
  • 審査時の書類や要件が少ない傾向にある

ここでは、上記2つの要因について詳しく説明します。

創業期の企業支援に積極的な傾向にある

ネット銀行の多くは、創業期の企業支援に積極的な傾向があります。事業の運営歴や資本金額を審査に持ち込まない銀行も存在し、創業間もない企業でも法人口座を開設できた事例が多々あります。

理由は、金融機関としての戦略にあります。従来の金融機関は、長年の実績からそれぞれ以下の役割を担ってきました。

  • メガバンク:大手企業の支援
  • 都市銀行:中小〜中堅企業の支援
  • 信用金庫:地元企業の支援

上記で抜け落ちているのは、創業期の企業支援です。金融機関の視点から見ると、創業期の企業は、事業の失敗やマネーロータリングなどのリスクがあるため、できれば避けたい分野です。

しかし、すでに従来の金融機関が立場を確立した今、競合を避けつつシェアを獲得できるのが、創業期の企業です。こうした背景から、多くのネット銀行は創業期の企業支援に積極的であり、大手銀行よりも審査がゆるいと言われています。

審査時の書類や要件が少ない傾向にある

ネット銀行は、メガバンクや大手都市銀行と比較すると、審査時の必要書類や要件が少ない傾向にあります。一般的なネット銀行とメガバンクで、法人口座を開設する際に必要な書類を比較してみました。

ネット銀行メガバンク
必要書類・本人確認書類
・事業内容を確認できる書類
・本人確認書類
・事業内容を確認できる書類
・印鑑登録証明書
・履歴事項全部証明書
・賃貸借契約書

上記のとおり、基本的にネット銀行のほうが少ない提出書類で法人口座を開設できます。また、法人口座開設の要件を比較しても、ネット銀行のほうがゆるく設定されているケースが多いです。

たとえば、以下の要件はネット銀行の法人口座審査に影響しないケースが多いものの、そのほかの金融機関では審査落ちの対象となる場合があります。

バーチャルオフィス1での法人口座開設実績データ

以下は、弊社「バーチャルオフィス1」が実施した調査の結果です。具体的には、バーチャルオフィス1 渋谷店に届いた法人口座の開設通知書を集計し、算出しています。

バーチャルオフィス1での法人口座開設実績データ

当調査で、もっとも法人口座の開設割合が高い銀行は「GMOあおぞらネット銀行」でした。次いで、「住信SBIネット銀行」という結果です。

いずれも店舗を持たないネット銀行であり、創業期の企業代表者から高い人気があります。

法人口座が作りやすいと評判の銀行3選

弊社のアンケート調査やXの投稿、ネット銀行の特徴を総合すると、法人口座が作りやすい銀行は以下の3つです。

銀行名他行宛振込手数料審査スピード必要書類
GMOあおぞらネット銀行145円
※129円
※振込料金とくとく会員
最短即日~平均2営業日・代表者(取引担当者)の本人確認書類
・事業内容を確認できる書類
住信SBIネット銀行145円
※130〜145円
※振込優遇プログラム
オンライン:最短翌営業日
郵送:1週間程度
代表者(取引担当者)の本人確認書類
PayPay銀行通常:160円
※月5回まで0円
最短3日~10日程度・口座開設申し込み書
・代表者(取引担当者)の本人確認書類
・事業内容の確認書類

ここでは、上記3つのネット銀行の概要を紹介します。

GMOあおぞらネット銀行:最短即日で審査が完了!

GMOあおぞらネット銀行
振込手数料同行同一支店宛無料海外送金契約金無料
同行本支店宛無料月額料金無料
他行宛145円
※129円
※振込料金とくとく会員
送金手数料送金金額に応じて変動
初期費用・維持費初期契約料無料当日振込・リアルタイム振込当日振込対応時間当行:24時間
他行:24時間
口座維持手数料無料リアルタイム振込
総合振込初期契約料無料その他機能・サービスネットバンキングのアカウント上限数100アカウント
月額料金無料複数口座の開設上限数20口座
上限処理件数9,999件融資商品の有無
口座振替・定額自動振口座振替手数料無料Pay-easyの対応
定額自動振込手数料同行宛:無料
他行宛:145円
※129円
※振込料金とくとく会員
日本政策金融公庫の対応
審査スピード最短即日~平均2営業日

GMOあおぞらネット銀行は、「GMOインターネットグループ 株式会社」のグループ企業が運営する銀行です。審査スピードが早く、最短即日で完了します。また、平均してみても約2営業日で完了するため、急ぎ法人口座を開設したい方に適しています。

なお、GMOあおぞらネット銀行の振り込み手数料は、ほかの銀行よりも安価です。他行宛でも1件あたり145円で振り込めるため、コストを抑えたい方におすすめです。

GMOあおぞらネット銀行の詳細を知りたい方は、以下より公式サイトをご確認ください。

住信SBIネット銀行:必要書類が1種類だけで済む可能性も

住信SBIネット銀行
振込手数料同行同一支店宛無料海外送金契約金通常:50,000円
SDGs事業者プログラム対象者:25,000円
同行本支店宛無料月額料金無料
他行宛145円
※130〜145円
※振込優遇プログラム
送金手数料2,500円
初期費用・維持費初期契約料無料当日振込・リアルタイム振込当日振込対応時間当行:24時間
他行:24時間
口座維持手数料無料リアルタイム振込
総合振込初期契約料無料その他機能・サービスネットバンキングのアカウント上限数20アカウント
月額料金無料複数口座の開設上限数マスター口座のみ
上限処理件数9,999件融資商品の有無
口座振替・定額自動振口座振替手数料無料Pay-easyの対応
定額自動振込手数料同行宛:無料
他行宛:145円
※130〜145円
※振込優遇プログラム
日本政策金融公庫の対応
審査スピードオンライン:最短翌営業日
郵送:1週間程度

住信SBIネット銀行は、SBIホールディングスと三井住友銀行が共同で設立したネット銀行です。条件を満たした状態でオンライン申請をすれば、本人確認書類のみで法人口座を開設できる点が特徴です。

複数の提出書類を用意する手間がかからないため、何かと忙しい創業期の企業代表者に適しています。また、振り込み手数料は、GMOあおぞらネット銀行と並び安価です。

振り込み件数に応じて手数料が安くなる「振込優遇プログラム」もあるため、取引件数が多い方はよりお得に利用できるでしょう。住信SBIネット銀行に興味がある方は、ぜひ公式サイトをご確認ください。

PayPay銀行:スマホからラクラク申請できる

PayPay銀行
振込手数料同行同一支店宛通常:55円
※月5回まで0円
※預金平均残高3,000万円以上
海外送金契約金無料
同行本支店宛通常:55円
※月5回まで0円
月額料金無料
他行宛通常:160円
※月5回まで0円
送金手数料送金金額に応じて変動
初期費用・維持費初期契約料無料当日振込・リアルタイム振込当日振込対応時間当行:24時間
他行:24時間
口座維持手数料無料リアルタイム振込
総合振込初期契約料無料その他機能・サービスネットバンキングのアカウント上限数20アカウント
月額料金1,100円複数口座の開設上限数20口座
上限処理件数3,000件融資商品の有無
口座振替・定額自動振口座振替手数料無料Pay-easyの対応
定額自動振込手数料同行宛:55円
他行宛:160円
日本政策金融公庫の対応
審査スピード最短3日~10日程度

PayPay銀行は、LINEヤフーグループと三井住友銀行のグループ会社が運営する銀行です。スマホひとつで手続きが完結する手軽さが魅力です。

また、インターネットサービスの企業が運営していることもあり、ネットバンクが使いやすいという声も見られました。手数料は前述した2つのネット銀行よりもやや高めですが、操作性や使い勝手の良さを重視する方におすすめです。

PayPay銀行の法人口座に興味がある方は、以下より公式サイトをご確認ください。

法人口座開設の審査でよくある質問(ネット銀行)

ここでは、ネット銀行での法人口座開設の審査でよくある質問とその回答を紹介します。

必要書類は何ですか?

一般的に、ネット銀行で法人口座を開設する際は、以下の書類が求められます。

必要書類具体例
代表者の本人確認書類・運転免許証
・マイナンバーカード
事業内容を確認できる書類・各行政機関発行の許認可証
・請求書・発注書・納品書
・ホームページ

もちろん、各ネット銀行や申請方法によって必要書類が異なります。法人口座の開設申請をする際は、必ず公式サイトで必要書類を確認してください。

審査落ちになる理由として多いものは何ですか?

法人口座開設で審査落ちになる主な理由は、提出書類の不備・不足です。必要書類が不足していると、銀行の審査が規定通りに行えないため、再提出を求められるケースがあります。

また、規定の書類を提出した場合でも、銀行が求める情報が記載されていなければ口座開設を断られる可能性もあります。

たとえば、事業内容を確認できる書類にて、契約書を提出したとします。しかし、取扱商品や品目名の記載がなければ、具体的な事業内容を把握できないとして、追加で書類の提出を求められたり、審査落ちになったりします。

多くのネット銀行が必要書類の要件やチェック項目を公開しているため、審査前に確認しておくと良いでしょう。

資本金の要件はありますか?

ほとんどのネット銀行は、資本金の最低金額を定めていません。また、一部では、「資本金の金額で審査結果が決まることはない」とするネット銀行もあります。

具体的な審査基準は公開されていませんが、基本的には事業内容や代表者個人の信用などを総合的に判断して審査結果が下されます。

固定電話番号は必要ですか?

固定電話番号がなくとも、携帯電話番号で法人口座を開設できるネット銀行が多いです。以下、各ネット銀行の携帯電話番号の対応可否です。

携帯電話番号の対応可否
GMOあおぞらネット銀行
住信SBIネット銀行
楽天銀行×
PayPay銀行
イオン銀行記載なし

固定電話番号を取得していない方には、「GMOあおぞらネット銀行」や「住信SBIネット銀行」、「PayPay銀行」が適しています。

バーチャルオフィスでも審査に通りますか?

バーチャルオフィスでも法人口座を開設できます。前述したアンケートからもわかるとおり、弊社「バーチャルオフィス1」の会員様がネット銀行で法人口座を開設した事例が多数あります。

基本的に、バーチャルオフィスが原因で審査落ちになることはありません。

一度断られても、同じ銀行に再申し込みはできますか?

ほとんどのネット銀行が、審査落ち後の再申し込みに対応しています。ただし、再申し込み時にも審査があるため、1度目の反省を踏まえて対策をしましょう。

法人口座を比較するポイント(ネット銀行)

法人口座を比較するポイント(ネット銀行)

ここでは、法人口座用のネット銀行を比較する際のポイントを紹介します。銀行選びの失敗を避けるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

振り込み手数料:長期で見ると大きな差になる

とくに重要なのが、振り込み手数料の安さです。各ネット銀行の振り込み手数料を比較しても、1件あたりの差額は少額です。しかし、仮にそれが「月に50回以上で何年も」となれば、大きな差額となります。

振り込み手数料が安いネット銀行を選択しておけば、浮いたお金を別の用途で使用できるため、各銀行を細かく比較しましょう。

以下に、主要なネット銀行の振り込み手数料をまとめています。

同行同一支店宛同行本支店宛他行宛
GMOあおぞらネット銀行無料無料145円
※129円
※振込料金とくとく会員
住信SBIネット銀行無料無料145円
※130〜145円
※振込優遇プログラム
楽天銀行52円52円3万円未満:150円
3万円以上:229円
PayPay銀行通常:55円
※預金平均残高3,000万円以上の場合:5回まで0円
通常:55円
※預金平均残高3,000万円以上の場合:5回まで0円
通常:160円
※預金平均残高3,000万円以上の場合:5回まで0円
イオン銀行無料無料5万円未満:220円
5万円以上:440円

審査スピード:開設完了までスムーズに進むと快適

法人口座を初めて開設する方は、審査スピードを意識することが大切です。審査期間が長いネット銀行を選択してしまうと、その間入金が行えず事業が停止する恐れがあります。

いち早く法人口座を開設し、ビジネスをスタートするためには、審査スピードが短いネット銀行を選択すると良いでしょう。各ネット銀行の審査スピードは以下のとおりです。

銀行名審査スピード
GMOあおぞらネット銀行最短即日~平均2営業日
住信SBIネット銀行オンライン:最短翌営業日
郵送:1週間程度
楽天銀行1週間程度
PayPay銀行最短3日~10日程度
イオン銀行記載なし

一般的な法人口座開設の流れ(ネット銀行)

一般的な法人口座開設の流れ(ネット銀行)

一般的に、ネット銀行で法人口座を開設する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 申し込みフォームへの入力
  2. 必要書類の提出
  3. 審査
  4. 郵便物受取・初期設定

ここでは、各工程で押さえておくべきポイントを紹介します。

1.申し込みフォームへの入力

まずは、ネット銀行の公式サイトから法人口座開設の申請を行います。申請の段階では、申し込みフォームにて主に以下情報の入力を求められます。

  • 法人番号
  • 法人名
  • 決算月
  • 設立年月日
  • 資本金
  • 従業員数
  • 連絡先
  • 事業内容・沿革

申し込みフォームに入力する内容は、必要書類に記載された内容と合致させることが重要です。銀行は審査にて、申し込みフォームの内容と必要書類の情報を照合し、相違がないかを確認します。

仮に情報のズレがあると、銀行に不信感を抱かれる恐れがあるためです。

2.必要書類の提出

次に、各銀行が定めた必要書類を提出します。多くのネット銀行は、「本人確認書類」と「事業内容を確認できる書類」の2点を求めますが、なかには例外もあります。

また、実質的支配者に米国納税義務があったり、法人の納税地国が海外だったりと特殊なケースでは、別途提出書類を請求される場合もあります。必要書類や各書類の要件は、ネット銀行の公式サイトにて確認が可能です。

申請前には、必要書類の種類のみならず、細かな要件まで確認してください。

3.審査

必要書類を申請すると、法人口座開設の審査が開始されます。審査の過程では、銀行から追加書類を求められたり、情報確認のための連絡が来たりする可能性があります。

万が一この連絡を見落とすと、審査が一時中断されるため注意が必要です。また、最悪の場合、連絡がつかないという理由で審査落ちになるケースもあるため、審査中は気を抜かずいつでも対応ができるよう準備しておきましょう。

4.郵便物受取・初期設定

審査に通過すると、銀行からキャッシュカードや初回ログインパスワードなどの郵便物が届きます。郵便物を受け取り次第、インターネットバンキングへログインし、法人口座の初期設定をしましょう。

基本的に初期設定は、初回ログインパスワードの変更とインターネットバンキングの利用方法の案内です。これが完了すると、法人口座として利用を開始できます。

まとめ

本記事では、法人口座が作りやすいと言われる3つの銀行を比較しました。さまざまな銀行がありますが、とくに「ネット銀行」は法人口座の開設がしやすいと言われています。

また、審査スピードが早く、少ない提出書類での口座開設が可能です。法人口座を開設できるか不安な方は、本記事で紹介した3つの銀行をご検討ください。

なお、各種手数料やサービス内容で銀行を比較したい方は、以下の記事をご覧ください。さまざまな観点から銀行を比較しているため、銀行選びの参考になるでしょう。

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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