見積もりの断り方とは?ケース別の例文や相見積もりについて徹底解説

[投稿日]2024年05月24日 / [最終更新日]2024年08月26日

見積もりの断り方とは?ケース別の例文や相見積もりについて徹底解説

見積もりを依頼しても、予算やスケジュールが合わずに断るケースがあります。見積もりを断る際には、相手に失礼がないよう礼儀を守って、丁寧な断り方を意識することが重要です。

本記事では、見積もりの断り方について、ケース別の例文を交えて解説します。見積もりの断り方はメールと電話どちらが良いのか、相見積もりを依頼するメリットやポイントなどをあわせて解説するので、正しいビジネス礼儀を身につけましょう。「見積もりの正しい断り方を知りたい」「相手を不快にさせずに、今後の関係性も構築できる断り方を知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

見積もりの断り方に関する礼儀

見積もりの断り方に関する礼儀

見積もりを断る際は、今後の関係性に悪影響を与えず、相手に不快な思いをさせない丁寧な断り方を心がける必要があります。見積もりの断り方に関する礼儀として、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 迅速に連絡する
  • 感謝の気持ちを伝える
  • はっきり断る
  • 断る理由を明確化する
  • クッション言葉を使用する
  • 今後の可能性を残しておく

迅速に連絡する

見積もりを断る際は、迅速に連絡することが大切です。見積もりを依頼された相手は、受注に備えて資材の用意やスケジュールの調整など、準備を進めています。断ると決めたらすぐに連絡してください。検討した結果、その相手に依頼するのであれば問題ありませんが、断る場合は早く連絡しないと、準備の手間や時間が無駄になってしまいます。

断りの連絡は気が進まないものですが、断ると決めた時点で連絡を入れることで、相手の負担を軽減できます。今後の良好な関係性を構築するためにも、断ると決めた場合は迅速に連絡するよう徹底しましょう。

感謝の気持ちを伝える

見積もりを断る際の礼儀として、丁寧に感謝の気持ちを伝えることが大切です。見積もりを作成するにも手間と時間がかかるので、断る場合でも対応してくれたことへの感謝を伝えておきましょう。丁寧でやわらかい言葉遣いを意識することで、断られた相手も不快な思いをせずに済みます。

今回は縁がなかった取引先でも、今後どこかで取引をしたり他部署が関わったりするケースもあります。断る際には丁寧に感謝の気持ちを伝えましょう。

はっきり断る

見積もりを断る際は、相手を傷つけないよう曖昧な表現をしてしまうケースがありますが、はっきり断ることが礼儀です。「金額が合えば発注したかった」「スケジュール調整ができれば」など、曖昧な断り方をしてしまうと、「条件を満たせば契約してくれるのか」と相手が期待してしまいます。

すでに他の業者に発注を決めていたり、見積もりの内容に魅力を感じていなかったりする場合は、条件を下げてもらっても相手に発注しない可能性が高いはずです。相手に期待を持たせて無駄な労力を使わせないためにも、「今回はお断りさせていただきます」と断る旨をはっきり伝えましょう。

断る理由を明確化する

見積もりを断る際の礼儀として、断る理由を明確化することが大切です。断られた相手は「なぜ断られたのか」を知りたいと思うもので、理由を説明されない場合は、自社の課題や改善点を見つけられず悩んでしまいます。

ただ「縁がなかった」「お断りさせていただく」と断るのではなく、「なぜ断ったのか」理由を明確に伝えましょう。具体的に「予算が合わず」や「スケジュールの都合がつかず」など、断る理由を明確に伝えることで、相手に納得してもらってやり取りを終えられます。

相手に断りを入れるときには「慎重に検討させていただきましたが、残念ながら今回はお断りさせていただきます」と、こちらの都合で断った旨を伝えましょう。

クッション言葉を使用する

見積もりを断る際には、クッション言葉を使用することで、相手を傷つけずに断れます。クッション言葉は、印象をやわらげるための前置きの言葉であり、相手を傷つけずに断りを入れたいときにおすすめです。断る旨だけを端的に伝えた場合、冷たい印象を与えてしまい、不快な思いをさせる可能性があります。

見積もりを断るときの使えるクッション言葉は、次のとおりです。

  • あいにくですが今回は
  • せっかくのご提案ですが
  • 誠に恐れ入りますが
  • 申し訳ございませんが
  • 心苦しいのですが
  • 誠に残念ですが

上記のクッション言葉を使うことで、相手に不快な思いをさせず、事実だけを伝えられます。クッション言葉を使用すれば、今後の関係性を維持したまま断ることが可能です。

今後の可能性を残しておく

見積もりを断る際は、今後の可能性を残しておくことが大切です。今回は縁がなくても、将来的に依頼する可能性があるので、関係性を維持しておきましょう。

具体的には、次のようなセリフで今後の可能性を示唆できます。

  • 「今後機会があれば、どうかよろしくお願いいたします」
  • 「今回はご期待に添えませんでしたが、今後もお付き合いさせていただければ幸いです」
  • 「貴社の今後の発展をお祈り申し上げます」

見積もりの断り方はメールと電話どちらにするべき?

見積もりの断り方はメールと電話どちらにするべき?

見積もりを断る際は、「メールと電話どちらにするべきか」と、悩んでしまう方もいるでしょう。電話とメールでは、それぞれ次のようなメリット・デメリットが生じます。

断り方電話メール
メリット気持ちを伝えやすく、今後の関係性構築につなげやすい記録を残せる。文面を慎重に確認してから送れる
デメリット記録に残らない。話す内容をまとめておかないと、グダグダになる気持ちを伝えづらい

それぞれの断り方別の特徴を解説するので、メールと電話のどちらで連絡するべきか検討しましょう。

電話は気持ちを伝えやすい

電話で見積もりを断る場合は、気持ちを伝えやすいです。メールは活字で情報を伝達するため、どうしても送信者の気持ちを十分に伝えにくい傾向があります。対して電話は、相手の反応を伺って話す内容や声のトーンを変えられるので、感謝の気持ちや申し訳ない気持ちを伝えやすいでしょう。

電話で見積もりを作成してくれたことに関する感謝と、今後機会があればお付き合いしたい旨を伝えられると、将来的な関係構築につなげられます。

ただし、電話はメールと違って会話内容が記録に残りにくいため、相手にしっかりと断った旨を伝えなければあとでトラブルに発展してしまいます。また、相手のオフィスに電話して担当者が不在だった場合、断った旨が適切に伝わらない可能性があるので、注意が必要です。電話で話すことが苦手な場合は、グダグダになってしまい、丁寧に断れないリスクがあります。事前に話す内容をまとめておきましょう。

メールは記録に残せる

メールで見積もりを断る場合は、断った旨を記録に残すことが可能です。電話では担当者がつかまらないと、断ると決めてから連絡ができるまで、タイムラグが発生してしまいます。対してメールでは、送信日時や時間・文面を記録に残せるため、速やかに対応した旨を相手に伝えられます。見積もりを断る連絡をすぐに入れたいときは、メールを活用しましょう。

またメールであれば、送信前に文面が適切か確認してから送れます。不快な思いをさせない文面になっているか、慎重に確認できる点がメリットです。ただし、メールでは電話より気持ちを伝えにくいので、クッション言葉や感謝の気持を取り入れて、今後の関係を構築できる文面を作成しましょう。

ケース別見積もりの断り方3選

ケース別見積もりの断り方3選

見積もりを断る際は、今後の関係性を構築するために、例文を参考にしながら丁寧に断れる文面を考えましょう。下記のケース別に見積もりの断り方の例文を、3つ紹介します。

  • スケジュールが合わず断る場合の例文
  • 予算が合わず断る場合の例文
  • 他の業者に依頼する場合の例文

スケジュールが合わず断る場合の例文

スケジュールが合わずに断る場合は、スケジュールの兼ね合いで断った旨をしっかり伝えましょう。断り方の例文は、次のとおりです。

スケジュールが合わずに断る場合

株式会社◯◯

 △△様

お世話になっております。株式会社▢▢の●●です。
この度は、お忙しいなか、お見積もりをご提出いただきありがとうございました。

慎重に検討いたしました結果、プロジェクトとのスケジュールが合わず、誠に残念ながら今回は貴社に依頼することが難しいと判断いたしました。

従いまして、今回は貴社とのお取引を見送らせていただくこととなりました。
また今後の機会にご相談させていただければ幸いです。

貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

----------------------

株式会社▢▢

人事部 ●●

TEL:000-000-000

メールアドレス:xxxx@xxxxxx.com

予算が合わず断る場合の例文

予算が合わずに断る場合は、その旨が伝わるようはっきり断りを入れましょう。断り方の例文は、次のとおりです。

予算が合わず断る場合

株式会社◯◯

 △△様

お世話になっております。株式会社▢▢の●●です。
この度は、迅速にお見積もりをご提出いただき、誠にありがとうございました。

慎重に検討いたしました結果、予算面の折り合いがつかず、今回は見送らせていただくことになりました。

貴重なお時間をいただきながら、このようなお返事となり大変申し訳ございません。
またの機会にご相談させていただければ幸いです。

取り急ぎ、メールにて失礼いたします。

----------------------

株式会社▢▢

人事部 ●●

TEL:000-000-000

メールアドレス:xxxx@xxxxxx.com

他の業者に依頼する場合の例文

見積もりを断るケースとして、複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりのケースが多くあります。相見積もりの場合は、発注する業者以外には断りの連絡を入れなければなりません。具体的な断り方の例文は、次のとおりです。

他の業者に依頼する場合

株式会社◯◯

 △△様

お世話になっております。株式会社▢▢の●●です。
この度は、迅速にお見積もりをご提出いただき、誠にありがとうございました。

慎重に検討いたしました結果、今回は他の業者に依頼することとなり、心苦しいのですが今回は見送らせていただきます。
今後のプロジェクトでもまたご相談させていただければと思いますので、その際はどうぞよろしくお願い申し上げます。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

----------------------

株式会社▢▢

人事部 ●●

TEL:000-000-000

メールアドレス:xxxx@xxxxxx.com

なお上記の例文はあくまで一例ですので、文面を参考程度に引用して、自分の言葉で断りの連絡を入れましょう。

見積もりを断る可能性が高い「相見積もり」とは?

相見積もりとは、同時に複数の業者に見積もりを依頼して、条件や価格を比較すること

相見積もりとは、同時に複数の業者に見積もりを依頼して、条件や価格を比較することです。相見積もりを取ると、必ず見積もりを断る機会が出てくるので、適切な断り方を理解しておく必要があります。

相見積もりはビジネス用語として「あいみつ」と略されることもあり、上司から指示を出されたときに「相見積もりのことだ」と理解できるよう覚えておきましょう。

相見積もりを依頼するメリット

相見積もりを依頼するメリット

相見積もりを依頼するメリットは、次のとおりです。

  • 適正価格を把握できる
  • 最適なサービスを見抜ける
  • 不適切な取引を避けられる

相見積もりを取ることで、自社が求めるサービスを洗い出し、適切な価格で取引ができます。それぞれのメリットを解説するので、相見積もりを依頼するべきか検討しましょう。

適正価格を把握できる

相見積もりを依頼するメリットは、適切価格を把握できることです。一社のみに見積もりを依頼した場合、提示された見積もり価格が適正なのか判断できません。対して相見積もりで複数の業者に見積もりを依頼すれば、見積もり価格を比較して適正価格を把握できます。

最適なサービスを見抜ける

相見積もりを依頼すれば、最適なサービスを見抜くことが可能です。複数の見積もりから条件・価格・スケジュールなどを比較することで、自社が求める最適なサービスを見つけられます。業者がホームページで提示している参考価格ではなく、実際に担当者と連絡を取り合って見積もりを提出してもらったほうが、リアルな取引価格や条件・担当者の対応を確認できるでしょう。

どれだけ価格が安い見積もりでも、担当者のレスポンスが遅かったり対応が悪かったりすると、今後の取引をスムーズに進められない可能性があります。相見積もりを依頼する場合は、見積もり価格だけでなく条件やスケジュール・担当者の対応力を比較して、依頼する業者を選定しましょう。

不適切な取引を避けられる

相見積もりを実施するメリットは、不正な取引を避けられることです。商品やサービスを選定する際に、相見積もりを取るよう社内規定で定めておけば、コーポレートガバナンスを強化できます。コーポレートガバナンスは、公正な判断や運営が行えるよう統制することであり、不正や不祥事を未然に防ぐことが可能です。

相見積もりを依頼してから商品・サービスを選定するよう徹底しておくと、1人の担当者が独断で不適切な取引を行えないようになり、不正防止につながります。相見積もりは、適正価格や自社に適したサービスを見極めるだけでなく、社内のコーポレートガバナンスの強化にもなるでしょう。

相見積もりを依頼するときのポイント

相見積もりを依頼するときのポイント

相見積もりを依頼するときには、次のポイントを押さえましょう。

  • 相見積もりであることを伝える
  • すべて同じ条件で依頼する
  • 依頼内容や期日を明確に伝える

相見積もりであることを伝える

相見積もりを依頼するときのポイントとして、相見積もりであることを伝えましょう。他の業者にも見積もりを依頼している旨を伝えるのは失礼にあたると考える方もいますが、事前に相見積もりであることを伝えておくと、「他の業者に依頼する可能性」を示唆できます。

相見積もりであることを伝えておかないと、相手は「見積もりが通れば発注してもらえる」と考えてしまい、受注の準備を進めてしまう可能性があります。また事前に相見積もりであることを伝えておけば、競合他社に負けないよう魅力的な見積もりを作成しようと奮闘するため、価格や条件が好条件になりやすいです。

余計なトラブルを回避し最適なサービスを見極めるために、事前に相見積もりであることを伝えて見積もりを依頼しましょう。

すべて同じ条件で依頼する

相見積もりを依頼する際には、すべて同じ条件で依頼することが大切です。価格や期日・条件をそろえておかないと、提示される見積もりが業者によって大きく変動するため、公平な比較ができません。

相見積もりである旨を伝えたうえで、同条件で対応できる業者を複数探しましょう。

依頼内容や期日を明確に伝える

相見積もりを依頼する際のポイントは、依頼内容や期日を明確に伝えることです。依頼内容や期日が不明瞭な状態では、相見積もりを依頼された相手が正確な条件を提示できません。

また、相見積もりを依頼してから検討するまでの期日をあらかじめ定めておけば、複数の見積もりを比較検討する時間を確保できます。依頼内容や期日を明確に伝えて、スムーズに業者を選べるよう対処しましょう。

まとめ

見積もりを断る際は、見積もりを作成してくれたことに対して感謝を伝え、断る理由を明確化してはっきり断りましょう。他にもクッション言葉を使ったり今後の関係性を残したりと、将来的には取引がしたい旨を伝えておくことが大切です。

相見積もりを依頼すれば、複数の業者の見積もりを比較して、最適なサービスを見極められます。さらに市場の適正価格を把握して、予算内で依頼できる業者を絞り込めるため、自社に合った最適な業者を選ぶことが可能です。

本記事で紹介した相見積もりを依頼する際の礼儀や、ケース別の断り方の例文を参考に、正しいビジネス礼儀を身につけましょう。

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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