
海外起業をすれば、成長市場で事業を展開できたり、節税やコスト削減を実現できたりするなど、多くのメリットが期待できます。一方で、文化や言語、法令制度の壁といった課題があるのも確かです。
本記事では、海外起業のメリット・デメリットをおさらいし、おすすめの事業アイデアと起業までの流れを解説します。後半では、海外起業の成功例や失敗しないためのポイントもまとめているので、ぜひご参考ください。
目次
海外で起業するメリット

海外で起業する場合、主に以下のメリットが期待できます。
- 成長している市場で事業ができる
- 税制の違いで節税効果が期待できる
- 人件費や生産コストの削減が期待できる
- ビザや永住権を比較的容易に取得できる
成長している市場で事業ができる
海外で起業する大きなメリットは、成長している市場でビジネスを展開できる点です。特にアジアやアフリカなどの新興国市場では、人口増加や経済成長が顕著です。
たとえば、インドではIT産業が急成長しており、新たなテクノロジーやサービスが次々に生まれています。こうした成長段階にある市場へ参入することで、成長が鈍化しつつある国内市場では得られない、大きなビジネスチャンスに巡り会える可能性が高まります。
また、日本では飽和状態であっても、海外の市場では未開拓なケースがあります。現地の文化やニーズをリサーチし、市場に適した戦略を取ることで、起業で成功する可能性を高められるでしょう。
税制の違いで節税効果が期待できる
海外で起業することで、節税効果を得られる場合があります。一部の国では、外国からの投資や事業立ち上げを支援するための税制優遇措置を設けています。
たとえば、日本では法人に対する実効税率が約30%であるのに対し、シンガポールでは約15%です。また、税率が極めて低いタックス・ヘイブンや、特定の条件を満たす企業に減税処置を適用する国があります。
こうした国で起業することで、事業の運営コストを抑え、利益の最大化が期待できます。もちろん、節税の効果を最大限に引き出すためには、現地の法律や税制について詳しく理解することが重要です。
場合によっては、現地国の法律に違反する恐れもあるため、専門家へ相談するなどして、適切なアドバイスを受けるのがおすすめです。
人件費や生産コストの削減が期待できる
人件費や生産コストを削減できることも、海外起業の大きな魅力です。ベトナムやインドネシアなどの新興国では、日本に比べて人件費が安い傾向にあります。こうした国で起業すれば、事業の運営コストを削減しつつ質の高いサービスを提供できるでしょう。
また、人件費が安い国では、仕入れコストや物流コストも安い傾向にあります。
よって、日本で起業する場合と比較して、人件費や生産コストの削減が期待できます。なお、余剰資金を使いマーケティングや製品の研究開発に投資することで、さらなる競争力の強化が期待できます。
ビザや永住権を比較的容易に取得できる
海外で起業することで、現地国のビザや永住権を取得しやすくなる場合があります。一部の国では、外国人起業家を積極的に受け入れるための制度として、起業者向けのビザを発行したり、条件を満たすことで永住権を認めたりしています。
たとえば、タイの「SMARTビザ」は、次世代自動車産業やロボット産業などの特定の分野で起業する外国人に対し、最大4年間の滞在を認める制度です。このビザは、事業内容や投資額に応じて取得条件が設定されており、通常の長期滞在ビザと比較して手続きが簡素化されています。
また、ニュージーランドの「起業家レジデンスカテゴリー」では、条件を満たすことでポイントが獲得でき、規定に達すると永住権が認められる可能性があります。
こうした制度をうまく活用することで、現地での長期滞在や将来的な移住がしやすくなるでしょう。
海外で起業するデメリット

一方、海外で起業する場合、以下のデメリットへの対策が必要です。
- 為替変動リスクがある
- 言語や文化の違いによる信頼構築の難しさがある
- 現地情勢の不安定さがある
ここでは、上記のデメリットとそれぞれへの対応策を紹介します。
為替変動リスクがある
海外で起業する場合、為替変動リスクに注意が必要です。仮に円高が進むと、現地通貨で得た収益の日本円換算額が減少し、収益性が低下する恐れがあります。
仮に、1ドル150円のレートで1万ドル(150万円)の収益があったとします。その後、円高によって1ドル100円になった場合、日本円換算の収益は100万円です。つまり、1ドル150円のレートと比較して50万円の損失になります。
事業資金を日本から送金したり、海外で得た収益を日本円に換金したりする際、為替レートの変動が利益に大きな影響を与えます。こうしたリスクを緩和するためには、資金計画に余裕を持たせたり、複数の通貨で収益を分散したりするのが効果的です。
言語や文化の違いによる信頼構築の難しさがある
海外で起業するには、現地の言語や文化に対応しなければなりません。これらへの対応が甘いと、信頼構築においてトラブルに発展する恐れがあります。
たとえば、商談や契約の際に専門的な内容が正確に伝わらないと、誤解が生じたり、その後のトラブルに発展したりするでしょう。特に、契約書の内容でミスが生じると、事業に大きな影響を及ぼす恐れがあるため注意が必要です。
また、日本では一般的な価値観が、現地国では通用しない場合もあります。時間厳守や丁寧な接客が重要視されない地域では、日本の価値観を押し付けることで従業員や取引先との関係が悪化する可能性があります。
現地の従業員や取引先と信頼関係を構築するには、現地国の言語や文化を学び、柔軟に適応することが大切です。
現地情勢の不安定さがある
海外での起業は、現地情勢の不安定さに直面する場合があります。たとえば、政権が変わることで法律や制度が改定されることもあります。
これまで、海外の起業家支援に積極的でも、突然法律や税制による規制が強化されるかもしれません。特に新興国ではこの傾向が強く、政治の不安定さから治安の悪化や経済の低迷などが懸念されます。
なお、現地情勢以外にも、自然災害の影響を受けやすい地域では、物流の混乱や市場の停滞が生じることがあります。
こうしたリスクに備えるためにも、進出先国の政治・経済・環境などの状況を十分に調査することが重要です。
海外起業におすすめの事業アイデア

事業の始めやすさと、市場のニーズをもとに、海外起業におすすめの事業アイデアを4つ厳選しました。具体的には以下のとおりです。
- 飲食ビジネス
- 日本製品を扱ったネットショップ
- IT・ネット事業
- 日本人・企業向けのビジネス
ここでは、上記の事業アイデアの概要と、想定されるメリット・デメリットを紹介します。
飲食ビジネス
海外で起業するなら、飲食ビジネスがおすすめです。特に和食をはじめとする日本の飲食文化は、海外で非常に人気が高いジャンルのひとつです。
和食はユネスコの無形文化遺産に登録されており、「健康的」「美味しい」というイメージが世界中で定着しつつあります。なお、近年では寿司や天ぷらといった定番メニューに加え、ラーメンや焼き鳥、とんかつといったカジュアルな日本食も注目を集めています。
こうした料理は、日本旅行を経験したことのある人々に強くアピールできるでしょう。また、現地の食材や文化を取り入れたアレンジメニューを提供することで、ローカル市場への適応も可能です。
現地の食文化や消費トレンドをリサーチし、ターゲット層に合わせた店舗作りを行うことで、成功の可能性が高まります。
日本製品を扱ったネットショップ
日本製品は、品質の高さや独自性から、海外での需要が非常に高いジャンルです。化粧品や文房具、調理器具などの日本製品には信頼性があり、多くの国で支持されています。
現地では手に入らない日本独自の商品を取り扱うことで、現地の競合との差別化が図れるでしょう。なお、ネットショップを通じた海外事業展開には、大きく以下2つの方法があります。
- 日本国内からネットショップを通じて、海外の消費者へ商品を届ける
- 現地に拠点を構え、ネットショップを運営する
日本国内から販売する場合、初期投資が抑えられるうえに、試験的に複数の国や地域で商品を販売できる点がメリットです。比較的低リスクで市場の反応を試せるため、海外起業に向けた第一歩としては適しているでしょう。しかし、国際配送のコストや時間がかかる点に注意が必要です。
現地に拠点を構え、ネットショップを運営する場合、配送時間を短縮し、顧客満足度を向上させやすい傾向にあります。また、現地スタッフを雇用することで、人件費を削減できる可能性があります。
ただ、国内拠点から販売するよりも初期費用がかかるため、初期段階では国内からの販売でリスクを抑え、その後、市場の反応を見ながら現地展開を検討するのも良いでしょう。
IT・ネット事業
インターネットやテクノロジーを活用したビジネスは、地理的影響を受けづらいため海外起業に向いています。近年、多くの国々では、クラウドサービスやモバイルアプリ、Web開発といったIT分野が急成長しており、スタートアップにもチャンスがあります。
たとえば、日本のアニメやゲームをテーマにしたデジタルコンテンツを制作し、現地市場向けに販売することもひとつの手です。言語の対応や現地ユーザーに最適化したサービスを追加することで、顧客の満足度を高められるでしょう。
IT・ネット事業は店舗や物理的な商材が不要のため、比較的少額の資本でスタートできます。ほかの事業と比較してリスクが少なく、市場のニーズに対応しやすいのが魅力です。
日本人・企業向けのビジネス
海外に進出している日本企業や日本人を対象にした事業を始めるのもひとつの手です。たとえば、現地での法人設立や税務・法務サポート、翻訳サービスなどは、言語や法制度の違いにつまずく日本企業にニーズがあります。
また、日本食材を専門に取り扱う小売店や、語学教室への斡旋サービスであれば、現地に滞在する日本人をターゲットにできます。
多くの日本人が暮らす地域でニーズがあり、なおかつ開拓されていないサービスを展開できれば事業の成功率が高まります。現地の日本人ネットワークを活用しながら、顧客のニーズに応えるサービスを模索してみましょう。
海外起業がしやすいおすすめの国5選

海外起業がしやすいおすすめの国は以下の5カ国です。
- アメリカ
- シンガポール
- オーストラリア
- フィリピン
- ニュージーランド
各国の特色を抑えつつ、日本人起業家におすすめする理由を紹介します。
アメリカ
アメリカは、日本人にとって馴染みのある国のひとつです。世界1位のGDPを誇り、3億5,000万人以上の人口を誇る経済大国です。
シリコンバレーを筆頭に、ITやテクノロジー分野でのスタートアップが盛んで、資本や人材の獲得が容易です。また、アメリカは多文化社会のため、新しいアイデアやコンセプトが受け入れられやすい環境が整っています。英語圏でありながら地域ごとに特色が異なるのが特徴で、たとえばニューヨークではファッションや金融、ロサンゼルスではエンターテインメント関連のビジネスが盛んです。
ただし、市場規模が大きい分、競争も激しく、初期投資が高額になる場合があります。なお、ビザの取得要件が厳しかったり、手続きが複雑だったりする点に注意が必要です。
シンガポール
シンガポールは、起業環境が非常に整った国です。法人税率が17%と低く、経済的にも政治的にも安定しています。法人設立の手続きが電子化されており、日本にいながらオンラインで手続きを進められます。
シンガポールの公用語は英語のため、日本人にとっても言語面での障壁が比較的低い点も魅力です。加えて、物流網が発達しており、アジア各国へのアクセスが良好なため、グローバルな事業展開を目指す起業家に適しています。
一方で、生活コストやオフィス賃料が高い点には注意が必要です。また、国内市場が小規模であるため、事業を拡大する際には、アジア地域全体をターゲットにする戦略が求められます。
オーストラリア
オーストラリアは、海外の起業家支援が充実している国です。具体的には、起業家向けのビザ制度が整備されており、事業を軌道に乗せることで永住権を取得できる可能性があります。
また、中小企業の支援にも力を入れているのが特徴です。たとえば、年間売上高が2,000豪ドル未満の企業は、一定割合の法人税の還付が受けられます。さらに、年間売上高が200万豪ドル未満の小規模事業者は、法人税率が低く、28.5%が適用される仕組みです。
なお、メルボルンやシドニーなどの主要都市ではITやクリエイティブ産業が、地方都市では農業や観光業など、さまざまなビジネスが盛んです。新しいビジネスや製品も比較的受け入れられやすいでしょう。
ただし、オーストラリアは、人件費や物件の賃料が高い点に注意が必要です。特に都市部での起業には、多くの初期費用がかかるため、十分な開業資金を用意し起業するのがおすすめです。
フィリピン
フィリピンは、生産年齢(15〜65歳)の増加と経済特区の存在から、多くの起業家に注目されている国です。フィリピンの人口は2014年に1億人を超え、生産年齢の増加が2050年まで続くと予測されています。
若年層の割合が高く内需が拡大しているため、消費関連のビジネスに大きなチャンスがあるでしょう。また、フィリピンには経済特区が多数存在しており、税制優遇を受けられる場合があります。たとえば、ペセ・エコゾーン(PEZA)の認定を受けた地域では、法人税の減免や輸入税の免除といったメリットが得られます。
一方で、インフラの整備状況には注意が必要です。人口増加に伴い、都市部では交通渋滞が慢性化しており、商品の配送や通勤に時間がかかる場合があります。
事業内容によっては大きな影響を受ける恐れがあるため、現地パートナーのサポートを受けるなどして、適切な進出地域を選定しましょう。
ニュージーランド
ニュージーランドは、起業のしやすさで世界的に高い評価を受けている国です。特に、会社の設立手続きがオンラインで完結するうえに、条件次第では数日以内に登記が完了します。
また、ニュージーランドは外国人起業家を積極的に受け入れており、起業家ビザの制度を設けています。起業家ビザを通じて永住権を取得することも可能なため、ゆくゆくは現地に移住したい方におすすめです。
ただし、国全体の市場規模が小さいため、事業を成長させるには輸出や他国への展開を視野に入れる必要があります。地理的にも孤立しているため、物流コストが課題となることもあります。
海外で起業するまでの流れ

海外で起業するまでの流れは、主に以下のとおりです。
- 起業の目的とターゲット国の選定
- 事業内容の設定
- 法令制度に則りビザ・労働許可を取得
- 会社設立の手続き
- 銀行口座を開設
- 事業環境の整備
- 事業の開始
海外起業で特に注意すべきは、進出先となる国・地域の選定です。なぜかというと、一部で外国人の起業が認められていない国や地域があるためです。
また、業種によっては自国の産業保護を目的に、外国資本の出資比率や資本金額を規制している場合もあります。起業準備を先に進めるなかでこの課題に直面すると、それまでの時間・コストが無駄になるため、初めに進出先を選定すると良いでしょう。
なお、現地の法律や情勢については、インターネット上で情報を収集しきれない恐れもあります。正確な情報を集めるためには、起業支援サービスを利用したり、すでに現地で起業している人に助言を求めたりするのがおすすめです。
海外起業の成功例2選

ここでは、海外起業に成功した以下2つの事例を紹介します。
- 1人総合商社を目指し海外起業:小林邦宏氏
- ベトナムでピザ屋を起業:益子さん夫婦
1人総合商社を目指し海外起業:小林邦宏氏
小林邦宏氏は、住友商事を経て独立し、1人総合商社を目指して海外起業した方です。小林氏は、プラスチックや水産物、花、化粧品など幅広い商材を取り扱い、世界各地を飛び回りながらビジネスを推進しています。
住友商事在籍時、情報産業部門でネットワーク機器のマーケティングやベンチャー企業との連携に従事し、アイルランドの企業との協業を成功に導くなどの実績を積みました。しかし、組織内での自身の立ち位置に疑問を感じ、2005年に退社を決意します。
独立後は、父親と共に株式会社グリーンパックスを設立し、プラスチック・包装資材や農水産、化粧品の販売など、さまざまな分野で事業を展開します。また、オンライン通販サイト「世界の花屋」や「精油とわたし」を運営し、YouTubeチャンネル「旅するビジネスマン」でも情報発信を行っています。
小林氏の事例は、組織の枠にとらわれず、自身の興味と市場のニーズを融合させたビジネスモデルと言えます。
参考:住友商事から独立して「1人総合商社」に挑戦。傍流の果てに見つけたオンリーワンのキャリアとは?|就活サイト【ONE CAREER】
ベトナムでピザ屋を起業:益子さん夫婦
益子さん夫婦は、ベトナムで「Pizza 4P’s」を創業し、成功を収めた日本人起業家です。益子陽介さんは大学卒業後、商社やサイバーエージェントでの勤務を経て、ベトナムに駐在します。
現地での生活を通じて起業の機会を見出し、2011年に妻の早苗さんと共にピザレストランを開業しました。「Pizza 4P’s」は、ホーチミン市を中心にベトナム国内外で30店舗以上を展開し、現地の人々や観光客に愛される人気店となっています。
その成功の背景には、日本人ならではの「おもてなしのサービス」と、自家製の「本格チーズ」があります。従業員のほとんどは現地のベトナム人ですが、徹底した採用基準・教育制度により、日本のおもてなし文化を浸透させています。
また、看板メニューであるピザには、自家製のフレッシュチーズを使用しています。始めは自宅兼店舗でチーズ作りに取り組み、次第に品質と規模を拡大しました。現在では、チーズ製造に適した地域に工房を立ち上げ、専属のチーズ職人による一貫生産をしています。
試行錯誤の末にできた、おもてなしサービスと自家製チーズは、現地の顧客に定着しています。益子夫妻の起業事例は、異文化のなかで現地の需要を深く理解し、独自の価値を提供することで成功を収めた好例と言えるでしょう。
参考:世界をMEGURU|サイバーエージェントを夫婦で辞めてベトナムでNo. 1ピザ屋を起業 | ビジネス映像メディア「PIVOT」
海外起業で失敗しないための3つのポイント

国内での起業と比較して、海外起業には多くの時間やコストがかかります。言い換えると、事業に失敗した場合の損失が大きくなる傾向にあります。
ここでは、海外起業で失敗しないための以下3つのポイントを紹介します。
- 市場調査を徹底する
- 現地の法令制度を把握する
- 現地の取引先・顧客と良好な関係を構築する
市場(ニーズ)調査を徹底する
海外起業で失敗しないためには、徹底した市場調査が欠かせません。進出先の市場規模や競合状況、消費者のニーズを把握することが重要です。
仮に、日本で成功しているビジネスモデルでも、現地市場では文化やライフスタイルの違いから受け入れられない場合があります。そのため、現地消費者が求めている商品やサービスが何かを詳細に分析する必要があります。
言語や通貨、購入傾向といった地域ごとの特徴を調査することで、ターゲットを明確化できます。なお、市場調査は進出前だけでなく、進出後も継続して行うべきです。市場の変化や競合の動向を追跡することで、早期にビジネス戦略の見直しができ、失敗のリスクを最小限に抑えられます。
現地の法令制度を把握する
海外起業で失敗を避けるためには、現地の法令制度を正確に把握することが重要です。法令への理解が不十分では、進出後に思わぬトラブルにつながる恐れがあるためです。
たとえば、ビジネスライセンスや営業許可が必要な業種で必要な許認可を取得せずに事業をした場合、罰則を受ける可能性があります。また、現地の税制や雇用ルールに違反した場合、罰金や訴訟といった重大なリスクにつながります。
こうした失敗を避けるためには、事前に十分なリサーチを行い、進出後も現地の法改正や市場動向を継続的にモニタリングする仕組みを整えることが必要です。
現地の取引先・顧客と良好な関係を構築する
日本国内での起業と同様に、海外起業でも現地の取引先・顧客と良好な関係を構築することが重要です。関係構築が不十分では、取引条件の不履行や取引停止、顧客離れといった問題に発展する可能性が高まります。
もちろん、言語や文化の違いから、信頼を築くのは簡単ではありません。ただし、成功するには現地のビジネス慣習を習得し、積極的に関係を作りに行く姿勢が大切です。日本と同様に、挨拶や連絡の頻度、契約時の細部までの確認といった対応が、信頼につながるでしょう。
まとめ
本記事では、海外起業のメリット・デメリットを紹介しました。一般的に、「海外起業はハードルが高い」と思いがちですが、情報インフラの発達に伴い、比較的手軽に起業できるケースもあります。
また、一部の国・地域では海外起業家の受け入れに積極的な姿勢を示しています。もちろん、越えなければならない課題はありますが、国内起業よりも好条件で事業を推進できる可能性があります。
海外での起業をお考えの方は、ぜひ本記事を参考に、実行可否を検討してみてください。
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。
この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
東商 社長ネット 株式会社バーチャルオフィス1 牧野 傑
キャリアコンサルタントドットネット 牧野傑(まきのすぐる)
Yahoo!知恵袋(株)バーチャルオフィス1牧野傑
Yahoo!知恵袋回答集