
名刺は、営業先や交流会などでコミュニケーションを円滑にするためのツールです。会社員からフリーランスになり、「名刺が必要なの?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、フリーランスの名刺の必要性を紹介します。また、一般的な記載項目やデザイン例もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
フリーランスに名刺はいらない?必要?
フリーランスにとって名刺は必須ではありませんが、持っているとビジネスで有利に働く場面が多くあります。日本のビジネスシーンでは名刺交換が一般的です。
たとえば取引先との挨拶で、相手が名刺を出すなか自分は持っていない場合、不信感を抱かれる恐れがあります。
また、自分を売り込む必要があるフリーランスにとって、名刺は自己PRや信用の獲得に役立つツールとも言えます。肩書きや実績、SNSのリンクを記載することで、相手に興味を持ってもらいやすくなるでしょう。SNSやホームページにポートフォリオをまとめ、そのリンクを共有することで名刺代わりになります。
一方、在宅ワークが基本で仕事柄名刺の交換が不要な場合は、無理をして作成する必要はありません。自身の業種や交流の仕方を参考に、名刺を作成するか否かを判断するのがおすすめです。
フリーランスの名刺における一般的な記載項目

ここでは、フリーランスの名刺における一般的な記載項目を紹介します。人によって違いはありますが、一般的には以下の情報を記載します。
- 氏名
- 肩書き
- 住所
- 屋号
- 連絡先
- SNSアカウント・Webサイトのリンク
- ポートフォリオ
氏名
フリーランスの名刺において、氏名の記載は最も基本的かつ重要な要素です。氏名は自身のブランドイメージにもつながり、相手に信頼感を与えるための第一歩です。
特に、フリーランスは個人として取引先や顧客と直接関わることが多いため、正確で読みやすい氏名の表記が求められます。また、漢字が難読な場合は、ふりがなを添えることで名前を覚えてもらいやすくなります。
肩書き
肩書きは、自身の専門性や業務内容を明確に伝えるために効果的です。
「Webデザイナー」「ライター」「コンサルタント」など、具体的な肩書きを記載することで、相手に自分の職種や提供できるサービスを一目で理解してもらえます。また、保有する資格やスキルを併記することで、信頼性を高めやすくなります。
住所
自身の活動地域を明確に伝えるためにも、住所の記載は効果的です。しかし、自宅を事務所としている場合、住所の公開はプライバシー面でのリスクが伴います。
代替策として、バーチャルオフィスの住所を利用する方法があります。自宅を事務所としている場合には、住所の記載は慎重に検討する必要があります。
屋号
屋号がある場合は、記載しておくと良いでしょう。屋号は、会社で言うところの社名であり、クライアントの記憶に残りやすい傾向にあります。
特に、ビジネスネームを使用する場合や、覚えづらい氏名の場合、屋号の記載が効果的です。なお、屋号なしで活動されている場合は、氏名やビジネスネームのみでも問題ありません。
連絡先
クライアントと円滑なコミュニケーションを取るためにも、連絡先の記載は重要です。主な連絡先として、電話番号とメールアドレスが挙げられます。
電話番号は、迅速な連絡が必要な場合に備えて記載しておくと良いでしょう。ただし、自宅の固定電話番号を記載するとプライバシー面のリスクがあるため、携帯電話の番号やビジネス用に取得したIP電話番号を記載するのがおすすめです。
メールアドレスは、業務上の連絡手段として必須の項目です。フリーのメールアドレスでも問題ありませんが、独自ドメインのメールアドレスを使用することで、信頼性の向上につながります。
SNSアカウント・Webサイトのリンク
SNSやWebサイトがある場合は、これらのリンク・QRコードを記載するのもおすすめです。SNSやWebサイトのリンク・QRコードがあれば、相手があなたの実績や活動内容を、容易に確認できるようになります。
投稿内容をもとに、人柄や活動内容に共感して案件を獲得できる可能性もあるため、SNSやWebサイトのリンクを掲載しておくと良いでしょう。
ポートフォリオ
実績を証明するために、ポートフォリオへのリンクを記載するのも効果的です。名刺にQRコードを掲載することで、相手はスマートフォンなどで簡単に過去の仕事内容を把握できます。
これにより、信頼性が高まり、案件獲得の可能性が向上するケースもあります。ただし、リンク先の内容は定期的に更新し、見やすく整理した状態にしておくことが重要です。
フリーランスが名刺を作る際に意識すべきデザインのポイント

フリーランスが名刺を作る際には、以下のポイントを押さえてデザインを検討するのがおすすめです。
- 事業内容にあったデザインを意識する
- 標準的なサイズの「4号名刺」にする
- 記載する情報を絞り、伝えたい情報を目立たせる
- 個人情報の載せ過ぎを避ける
事業内容にあったデザインを意識する
フリーランスの名刺は、事業内容に合ったデザインを意識することが大切です。事業のイメージにあったデザインにすることで、相手に適切な印象を与え、信頼を獲得しやすくなるためです。
たとえば、コンサルタントや士業などの誠実さが求められる業種では、個性的なデザインよりも、シンプルなデザインが好まれます。一方、インフルエンサーやクリエイターなど自己ブランディングが重要な職種では、顔写真やブランドカラーを取り入れた、おしゃれなデザインが効果的です。
事業内容の印象や特徴にあったデザインで名刺を作成してみてください。
標準的なサイズの「4号名刺」にする
フリーランスの名刺は、標準的なサイズである「4号名刺(91mm × 55mm)」にするのがおすすめです。もちろん、ほかのサイズや形状にして独自性を出すのも効果的ですが、一般的な名刺ケースに収まらない恐れがあります。
自分だけでなく、相手も名刺の管理がしづらくなるため、標準的な「4号名刺」にしておくと良いでしょう。また、「4号名刺」はデザインのテンプレートや用紙の種類が豊富です。作成コストを抑えやすく、なおかつ希望通りの名刺を作成しやすくなります。
記載する情報を絞り、伝えたい情報を目立たせる
フリーランスの名刺作成では、記載する情報を厳選し、伝えたい情報を強調することが重要です。記載する情報を絞ることで、一目で必要な情報を把握しやすくなります。
たとえば、氏名や連絡先、事業内容などの基本情報に加え、強調したい実績やSNSアカウントを目立たせると効果的です。相手に伝えたい情報がしっかりと伝わり、名刺の役割を最大限に活かせます。
個人情報の載せ過ぎを避ける
フリーランスの名刺では、個人情報の載せ過ぎを避けることが重要です。フリーランスの場合、オフィスを持たずに自宅で仕事をするケースが多いです。
自宅住所や個人の携帯電話番号をそのまま記載すると、不審な連絡やトラブルのリスクが高まります。そのため、連絡先としてメールアドレスやSNSアカウントを掲載したり、自宅を作業場としている場合は住所の記載を控えたりするなどの工夫が必要です。
フリーランスの名刺のデザイン例
ここではフリーランスの名刺のデザイン例を紹介します。
【ひのふさん】

ひのふさんの名刺は、自身がデザインしたイラストを掲載している点がポイントです。営業の際に、相手方へ成果物の品質を示しやすいでしょう。また、具体的な住所は記載せず、SNSアカウントやホームページのURLが記載されています。
【山田 啓輔¦WEBコーダーさん】

山田 啓輔さんの名刺には、本人の顔写真が掲載されています。顔写真を掲載することで、名刺を受け取った側が後から見返した際に「誰の名刺なのか?」を判断しやすいでしょう。
裏面には、受注できる仕事内容が一覧形式でまとめられているなど、追加案件の獲得につながる工夫が施されています。
【島田洋子🎙ナレーターさん】

島田洋子さんの名刺は、自身のキャラクターを全面に打ち出している点が特徴です。名刺の裏面いっぱいを使って写真を掲載しています。
また、名刺に掲載されたQRコードから、各SNSのアカウントを開ける仕組みです。SNSでは、自身がナレーションを務めたボイスサンプルが公開されており、島田洋子さんの実績や人となりを把握できます。
【ちえ | WEB×グラフィックデザイナーさん】

ちえさんの名刺は、ポートフォリオ用とSNS用の2つのQRコードが掲載されている点が特徴です。ポートフォリオには、文字通りこれまでに作成したデザインがまとめられており、ちえさんの作風を把握できます。
一方、SNSでは受注した案件に加え、フリーランスとしての活動報告や日々の出来事を発信しています。名刺の受け取り手に、ちえさんの実績や人柄が伝わりやすいデザインと言えます。
フリーランスの名刺は住所なしにすべき?
信用面を考えると、名刺に住所の記載があるほうが安心してもらえる可能性が高まります。しかし、仮に自宅住所を記載した場合には、以下のリスクがあります。
- 担当者や第三者に自宅住所を知られ、犯罪・トラブルにつながる恐れがある
- 引越しのたびに名刺を作り直す必要が出てくる
個人情報が外部に漏れることで、犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性があります。名刺を渡した相手が必ずしも信頼できるとは限らず、悪意のある第三者に住所を知られることで、ストーカー被害などの犯罪に発展するケースも考えられます。
また、自宅住所を記載すると、引越しのたびに名刺を作り直さなければならず、コストや手間がかかります。そのため、住所を記載する際にプライバシーを保護するための対策を講じるのがおすすめです。
フリーランスがプライバシーを守りながら名刺を作るための3つのアイデア

ここでは、フリーランスがプライバシーを守りながら名刺を作るための以下3つのアイデアを紹介します。
- 住所あり・住所なしの2種類の名刺を作成する
- 住所を途中までの記載にする
- バーチャルオフィスを利用する
1.住所あり・住所なしの2種類の名刺を作成する
プライバシーを保護する方法として、用途に応じて「住所あり」と「住所なし」の2種類の名刺を作ることが効果的です。たとえば、住所ありの名刺は、信頼性を重視する取引先や重要度の高い担当者に使用します。
一方で、イベントや交流会など、不特定多数と名刺交換する場面では、住所なしの名刺を使用するのがおすすめです。相手やシーンに応じて適切な名刺を使い分けることで、信用の確保とリスクヘッジの両立が可能です。
2.住所を途中までの記載にする
フリーランスが名刺を作る場合、住所を途中まで記載するのもおすすめです。たとえば、「東京都渋谷区道玄坂」や「大阪市北区梅田」など、番地を除く形で記載すれば、事業所の所在を明示しつつプライバシーを保護できます。
この方法なら、取引先には所在地を伝えつつ、自宅住所の完全な公開を避けることができます。
3.バーチャルオフィスを利用する
フリーランスが信用面を考慮しつつ、自宅住所の記載を避けるには、バーチャルオフィスの利用もおすすめです。バーチャルオフィスとは、物理的なスペースではなく事業用の住所を借りられるサービスです。
具体的には、バーチャルオフィス事業者が管理する物件の住所を、月額・年額制でレンタルする仕組みです。一般的な賃貸オフィスのように物理的なスペースを借りるわけではないため、月額1,000円程度で利用できます。この方法なら、自宅住所を公開することなく、名刺に詳しい住所を記載できます。
バーチャルオフィス1では月額880円〜で名刺用の住所が借りられる
弊社、バーチャルオフィス1では、月額880円〜で、事業用住所をレンタルできます。現在、有名なビジネスエリアのひとつである、東京都渋谷区と広島市の2店舗を運営しています。
月4回の郵便物転送サービスも提供しているため、借りた住所を郵便物の受取先住所に使用できます。バーチャルオフィスの概要やそのほかのサービス詳細が気になる方は、ぜひ弊社ホームページをご確認ください。
まとめ
本記事では、フリーランスにとっての名刺の必要性を紹介しました。事業内容によっては名刺が不要な場合もありますが、ビジネスシーンで相手と円滑なコミュニケーションを取るためには必要なものです。
ただし、フリーランスは自宅やプライベートの電話番号を使用しているケースが多く、これらの個人情報を名刺に記載するとさまざまなリスクがあります。名刺に記載する情報には十分に注意し、信用の獲得とプライバシー保護を両立させましょう。
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。
この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
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