アルバイトを雇うまでの6つのステップと注意すべきポイント

[投稿日]2023年12月26日

アルバイトを雇うまでの6つのステップと注意すべきポイント

「人手が足りないのでアルバイトを雇いたい」と思っても、雇うために何をすればいいのかわからない事業主は多いのではないでしょうか。アルバイトを雇う際には、法律・雇用手続きの方法・必要な書類などを把握しておかなければなりません。

本記事ではアルバイトを雇うまでの流れや、雇う際に注意すべきポイントをわかりやすく解説します。初めてアルバイトを雇う事業主は、ぜひ参考にしてください。

アルバイトを雇う前に知っておくべき3つポイント

アルバイトの雇用を検討されている事業主が、初めに知っておくべきポイントをまとめました。雇用主となる上で重要なことを紹介しているので見ていきましょう。

①アルバイトでも労働基準法が適用される

アルバイトでも労働基準法が適用されます。法律で定められているので、ルールをしっかり守りましょう。

労働基準法とは

労働基準法とは、労働条件に関する最低基準を定めたものです。労働基準法で規定している内容は以下の通りです。

・賃金の支払いについて
・労働時間について
・時間外労働、休日労働について
・割増賃金について
・解雇予告について
・有期労働契約について
・年次有給休暇について
・就業規則についてなど

参考:労働基準法 | e-Gov法令検索

労働基準法のなかでも特に覚えておくべき3つのキーワードは、「残業代」「労働条件通知書」「有給休暇」です。

アルバイトにも残業代を払う義務がある

労働基準法では、労働時間は「1日8時間」「1週間40時間」までと定められています。このルールはアルバイトも対象です。そのため、アルバイトに残業(時間外労働)が発生した場合、残業代を支払わなければなりません。

また次のような場合では、割増賃金(残業手当)が発生します。

  1. 労働時間が1日8時間または週40時間を超えた場合は、通常賃金の25%以上の割増賃金
  2. 時間外労働が1か月に60時間を超えた場合は、通常賃金の50%の割増賃金
  3. 午後10時から午前5時までに働いた場合は、通常賃金の25%以上の割増賃金(深夜手当)


参考:しっかりマスター 割増賃金編|厚生労働省

また、18歳未満は深夜労働はもちろん、残業自体ができないため注意しましょう。

アルバイトに労働条件通知書を渡す義務がある

アルバイトの採用(契約)は口頭でも問題ありませんが、労働時間や賃金などは書面で明示しなければなりません。その際に使用されるのが、「労働条件通知書」「採用通知書」などです。

「労働条件通知書」の内容をアルバイトに説明し、双方が納得した上で交付しましょう。

アルバイトも一定条件を満たせば有給休暇がある

アルバイトも一定条件を満たせば有給休暇を取得することができます。年次有給休暇の取得条件は次の①~③を満たす方です。

  1. 週1日以上または年間48日以上の勤務している
  2. 雇われた日から6ヶ月以上継続勤務している
  3. 決められた労働日数の8割以上出勤している

勤続年数などによって年次有給休暇の日数が異なるため、以下の表を参考にしてください。

引用元:確かめよう労働条件|厚生労働省

②地域別最低賃金を厳守する必要がある

地域別最低賃金とは、国が定めた最低賃金法に基づき賃金の最低限度を定めたものです。雇用主は、必ず最低賃金以上の給与を支払わなければなりません。もし、最低賃金に達していなかった場合は、50万円以下の罰金が科せられます。

地域別最低賃金は雇用形態(パート・アルバイトなど)、業種、職種など一切関係なく、その都道府県内で働くすべての人が対象です。地域別最低賃金とは、毎月支払われる基本的な賃金のことであり、ボーナスや残業代は除きます。

毎年10月1日に厚生労働省が最低賃金を更新するので必ず確認しておきましょう。ちなみに2023年10月1日更新時点で、一番低い最低賃金は岩手県(893円)、一番高い最低賃金は東京(1,113円)です。

③アルバイト雇う前に決めておく11の項目がある

アルバイトを雇用する際に給与や依頼する業務など決めますが、必ず決めなければいけない項目は法律で決まっています。具体的には、労働基準法で定められた「絶対的明示事項」の7項目、「パートタイム・有期雇用労働法」で定められた4項目です。

労働基準法で定められた「絶対的明示事項」は、必ず明示し書面で提示しなければなりません。その他にも定めをした場合、明示しなければいけない項目もあります。

絶対的明示事項定めをした場合
契約期間について
期間に定めがある場合、契約更新の基準について
就業場所、従事する業務について
始業・終業時刻、休憩、休日などについて
賃金や支払い時期について
退職・解雇について
昇給について
賞与について
食費や作業用品について
安全・衛生管理について
職業訓練について
災害補償について
退職手当について
表彰や制裁について
休職について

参考:労働基準法の基礎知識|厚生労働省

パートタイム・有期雇用労働法で定められた4項目は以下の通りです。

  1. 昇給の有無
  2. 退職手当の有無
  3. 賞与の有無
  4. 相談窓口

参考:パートタイム・有期雇用労働法の概要|厚生労働省

これらの内容は労働条件通知書に明記し、労働者に書面で交付する義務があるので覚えておきましょう。

アルバイトを雇う際に必要な書類

アルバイトを雇用する際に最低限必要な書類は3つですが、その他にも必要となる書類があります。自分に必要な書類は何かを把握しておきましょう。

法律上必要な3つの書類

アルバイトを雇用する際に法律上、必要となる書類は以下の3つです。

  1. 労働条件通知書兼雇用契約書
  2. 労働保険関係成立届
  3. 労働保険概算保険料申告書

①労働条件通知書兼雇用契約書

労働条件通知書兼雇用契約書は、名前の通り「労働条件通知書」と「雇用契約書」を合わせたものです。どちらも書かれている内容は似ています。労働条件通知書は、労働基準法によって労働条件などを明記することが義務付けられています。

一方の雇用契約書は、雇用者と労働者が互いに合意した上(任意)で交わす契約書です。口頭でも契約は可能ですが、後々に「言った」「言っていない」のトラブルにならないために書面で記載します。

②労働保険関係成立届

労働保険関係成立届は、労働者が労働保険(雇用保険と労災保険)に加入するために必要な書類です。採用した人数は1人であってもこの書類は必須で、雇用してから10日以内に労働基準監督署に届け出をしましょう。

③労働保険概算保険料申告書

労働保険概算保険料申告書は、その年度の労災保険や雇用保険の保険料を前納するにあたって、計算を行うために必要な書類です。雇用してから50日以内に労働基準監督署に届け出をしましょう。

状況に合わせて必要な書類

上記は法律上、最低限必要な書類でしたが、ここで紹介する書類は状況に合わせて必要な書類です。状況に合わせて必要な書類は以下の通りです。

  1. 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  2. 被保険者資格取得届
  3. 雇用保険適用事業所設置届
  4. 雇用保険被保険者資格取得届
  5. 身元保証書
  6. 給与振込口座の記入書類
  7. 交通費・通勤経路申請書

①健康保険・厚生年金保険新規適用届

事業者が社会保険(健康保険・厚生年金保険)に初めて加入することを「新規適用」といい、そのときに必要な書類です。事由から5日以内に管轄内の年金事務所に提出しましょう。書類は年金事務所または年金事務所のホームページから手配することが可能です。

②被保険者資格取得届

従業員や被保険者が厚生年金保険に加入する際に必要となる書類です。日本年金機構のホームページに申請方法やフォーマットがあるので参考にしましょう。資格を取得した翌月の10日以内に年金事務所に提出しましょう。

③雇用保険適用事業所設置届

会社が雇用保険の適応事業所となった際に提出しなければならない書類です。労働者を1人雇うだけでも適応事務所となります。ハローワークまたはハローワークのホームページから書類を手配できます。雇用してから10日以内に管轄のハローワークに書類を提出しましょう。

④雇用保険被保険者資格取得届

雇用保険被保険者資格取得届は、被保険者が雇用保険に加入していることを証明する書類です。基本的に「雇用保険適用事業所設置届」と一緒に提出することが多いです。資格を取得してから10日以内に管轄のハローワークに書類を提出しましょう。

⑤身元保証書

アルバイトの身元を保証するために第三者からの署名を求める書類です。身元保証書は、「本人の人物像を証明する」「会社に損失を負わせた場合の金銭保証」「緊急連絡先」といった役割を果たします。書式は自由ですが、アルバイト本人と保証人の署名(押印)が必要です。

⑥給与振込口座の記入書類

給与を振り込む際に口座情報が必要となるため、記入してもらうための書類です。

⑦交通費・通勤経路申請書

車や公共交通機関など通勤にかかる費用を計算するために必要となります。交通費が不要な場合でも、通勤災害(労災)が発生した際に必要となるため労働者全員に記入してもらう必要があります。

アルバイトに用意してもらう書類

上記は雇用者が用意する書類でしたが、採用後にアルバイトに用意してもらう書類があります。アルバイトに用意してもらう書類は以下の通りです。

  1. マイナンバー
  2. 年金手帳(基礎年金番号)
  3. 雇用保険被保険者証
  4. 免許書
  5. 住民票

①マイナンバー

マイナンバーは、雇用保険に加入する際に必要になります。雇用保険の対象となる条件は、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用があることです。

②雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証も、雇用保険に加入する際に必要です。以前、雇用保険に加入していた場合は既に保険証があるはずなので提出してもらいましょう。

③年金手帳(基礎年金番号)

社会保険に加入する際に必要となります。

④免許書

通勤に車やバスを利用する方は確認しておきましょう。

⑤住民票

履歴書などに記載されている身分が正しいか証明するために必要な書類です。

アルバイトの雇用から契約までの6ステップ

アルバイトの雇用を検討してから採用者と契約するまでの流れを見ていきましょう。

①労働条件の設定

初めにすべきことは労働条件を設定することです。たとえば「業務内容」「賃金」「採用人数」「労働場所」「労働時間」などです。前途で紹介した「アルバイトを雇う前に決めなければいけない11の項目」を参考にしてください。

また賃金を設定する際は「地域別最低賃金」に注意しましょう。

②労働条件通知書兼雇用契約書の作成

労働条件通知書兼雇用契約書を作成する際に必要なひな形は、厚生労働省などを参考にしましょう。アルバイトを雇用する際に使用するひな形は、「一般労働者用」「常用、有期雇用型」を利用するのが一般的です。

厚生労働省にも用意されていますが、厚生労働省のひな型は「労働条件通知書」であるため、「雇用契約書」を兼ねる場合は、「記載された労働条件に従います」などの文面を付け加える必要があります。

会社によってルールが異なるので、厚生労働省が用意しているひな形を基本ベースに、自社にあった内容に修正しましょう。

③アルバイトを募集する

設定した労働条件を基にアルバイトを募集しましょう。募集する媒体は「ハローワーク」「求人サイト」「フリーペーパー」などさまざまです。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自社の状況に合わせて募集する媒体を選びましょう。

後ほどおすすめのアルバイト求人サイトを紹介していますので、参考にしてください。

④採用者を決定する

募集者から採用する方を選んでいきます。応募者のなかには労働条件と多少合わないこともありますが、条件を変更するなど臨機応変に対応しながら採用者を決めましょう。

採用者を決定したあとは、「労働条件通知書兼雇用契約書」を交わします。労働条件通知書を口頭でわかりやすく説明したあとに、異論はないか確認してください。お互い同意のもと採用者に押印や署名をもらいましょう。

⑤雇用に必要な公的書類を提出する

5.
雇用が決まれば、必要な公的書類を各々の機関に提出する必要があります。雇用保険者や社会保険者などによって提出する書類は異なるので、状況に合わせて提出してください。

書類の名所届け先
労働保険関係成立届労働基準監督署または公共職業安定所
労働保険概算保険料申告書労働基準監督署または公共職業安定所
健康保険・厚生年金保険新規適用届日本年金機構
被保険者資格取得届日本年金機構
雇用保険適用事業所設置届ハローワーク
雇用保険被保険者資格取得届ハローワーク

⑥必要書類を準備する

上記の他にも「身元保証書」「交通費・通勤経路申請書」など必要な書類がある場合は、準備しておきましょう。必要な書類を採用者から回収できれば契約完了です。

おすすめのアルバイト求人サイト

長期的なアルバイトはもちろん、単発のみのアルバイトを雇うこともあり会社によってさまざまです。アルバイトを雇用する際におすすめの求人サイトを見ていきましょう。

Timee

Timee

引用元:Timee

Timeeは日本全国で600万人を超えるワーカーが登録しています。最短24時間以内にマッチングできるため、急な人手不足を解消するためにおすすめの求人サービスです。

会社が求める人材にマッチした方を採用でき、マッチング率は90%以上。単発だけでなく、長期的にアルバイトとして働いてもらえます。

労働条件通知書が自動で生成されるため、初めて雇用する方にも安心のサービスです。

シェアフル

シェアフル

引用元:シェアフル

シェアフルは、採用者が決定するまで一切費用が掛かりません。初めて雇用する事業者も安心して使えるサービスです。

また給与計算や給与振込代行、勤怠管理といった労務関連業務もシェアフルで一括管理できるため、手間のかかる作業を削減できます。

バイトル

バイトル

引用元:バイトル

バイトルはテレビCMなど積極的なプロモーションにより認知度の高く、多くの求職者に利用されています。一週間以内に81%の企業が応募を獲得しており、採用までのスピードが速いです。

15万社以上の取引実績をもとに採用方法や原稿作成などしっかりとフォローがあるので、初めて雇用する事業者も安心です。

アルバイトを雇用する際によくある質問

最後に、アルバイトを雇用する際によくある質問をまとめました。

アルバイトなら会社都合で解雇できるの?

アルバイトであっても会社都合で解雇することはできません。解雇するためには社会的に見て納得ができる理由が必要です。「労働契約法」でもやむを得ない事由がない限りは解雇できないと明記しています。

ちなみに、やむを得ない事由とは労働者が病気やケガをした場合や、天災事変によって経営が困難になった場合などを指します。

労働条件通知書は勝手に変更してもいいの?

アルバイトの契約期間中に、労働条件通知書の内容を勝手に変更することはできません。もちろん本人の同意がある場合は変更可能です。

しかし事業者が勝手に変更することができないため、変更したい場合は次の契約更新時まで待ちましょう。

アルバイトを雇うメリット・デメリットは?

アルバイトを雇うメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 人手不足を解消できる
  • 必要なときに必要な人材のみ採用できる
  • 正規社員よりも安い賃金で雇える

デメリット

  • 中長期的な人材育成が難しい
  • 行事に合わせて欠勤が発生しやすい
  • 責任感が薄いため入れ替わりが多い

まとめ

アルバイトを雇用する際には「労働基準法」「地域別最低賃金」を特に意識しましょう。「労働条件通知書兼雇用契約書」や「労働保険関係成立届」など、雇用するために必要な書類も多いため、しっかりと準備しておくことが重要です。

初めて雇用する方でも、本記事で紹介した「アルバイトの雇用から契約までの6ステップ」を参考にすれば、流れに沿って作業を進められます。ぜひ活用してください。

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

起業記事一覧
トップへ