法人化の際に代表者の住所が非開示に?現時点で判明していることを解説

[投稿日]2024年03月04日 / [最終更新日]2024年04月12日

法人化の際に代表者の住所が非開示に?現時点で判明していることを解説

「法人化すると登記簿に自宅の住所が載るから嫌かも」と思い、なかなか踏み切れない個人事業主の方はきっといるはずです。しかし、2024年中に予定されている「商業登記規則」の改正により、株式会社の代表者の自宅住所の一部を非開示にすることができます。

この記事では、改正案の内容や現段階でできるプライバシー対策について解説します。

(なお、本記事は改正「案」に基づいて解説をしており、まだ決定事項ではありませんのでご注意ください。 )

法人化の際に代表者の住所が非開示になる方向で改正される可能性

法人化の際に代表者の住所が非開示になる方向で改正される可能性

2024年中に、商業登記規則等の改正が行われる見込みです。法人化の際に代表者の住所が非開示になる方向で改正される予定ですが、これだけだと一体何のことかわからない方も多いかもしれません。

「どの程度非開示になるのか」「代表者とは誰のことを指すのか」など、重要なトピックと絡めつつ解説します。

市町村や東京都の23区までに限定できる

前提として、個人事業主として事業を営んでいたとしても、法人化した場合は代表者の住所を開示しなくてはいけませんでした。つまり、会社の登記簿を見れば代表者がどこに住んでいるのかが筒抜けになるということです。代表者の住所が登記簿に記載される理由として、以下の3点が挙げられます。

  • 取引にあたっての与信調査における信用情報として開示する
  • 登記懈怠の過料の制裁の通知先に使う
  • 訴訟を含めたトラブルの際に確実に連絡を取れるようにする

「登記懈怠の過料の制裁」とは、登記情報に変更があったにもかかわらず必要な変更申請を怠っている場合のペナルティと考えましょう。

しかし、改正案が通れば以下のように扱いが変更されます。

一定の要件の下、株式会社の代表取締役、代表執行役及び代表清算人の住所を登記事項証明書及び登記事項要約書において一部表示しないこととする措置を講ずることができる

出典:商業登記規則等の一部を改正する省令案の概要

つまり、紙の登記と登記情報提供サービスの両方において、表示される住所を行政区画までに限定できるようになります。イメージとしては「表示される住所が市町村や東京都23区までになる」と考えましょう。

【現在】  東京都渋谷区道玄坂1‐16‐6
【改正案】 東京都渋谷区

改正後も、番地まで加えたい場合は加えることが可能です。(あくまでも希望により省略することができる。)

DV被害者についてはすでに非表示対応済み

実は、法人化の際に代表者の自宅住所が非開示になる扱いは、対象者が限られますが、2022年9月1日からすでに始まっています。DV被害者等である代表者が自ら手続きを行えば、登記事項証明書等において自宅住所を非表示にすることが可能です。法務省のWebサイトに申出書のひな型や記載例が掲載されているので利用しましょう。

参考:商業登記規則等が改正され、令和4年9月1日から施行されます|法務省

非表示にできるのは「株式会社の代表者の住所」のみ

他に注意すべき点として、自宅住所を一部非表示にできる「代表者」とは何を指すのかについても解説します。2024年2月現在公開されている改正案において、住所の一部を非表示にできるのは「株式会社の代表者」に限られています。つまり、以下に該当する場合は一部非表示の対象外です。

  • 株式会社の過去の代表者
  • 合同会社や一般社団法人、NPO法人等の過去および現在の代表者
  • 株式会社等の過去および現在の支配人

さらに、自宅住所の一部非表示を申し出ることができるタイミングは「代表者就任等に係る登記申請時に限る」とされています。つまり、株式会社の現在の代表者であっても、希望したときにすぐに手続きができるわけではないので注意が必要です。

バーチャルオフィスは引き続き効果的なツール

バーチャルオフィスは引き続き効果的なツール

「商業登記規則」の改正が原案通り行われた場合、バーチャルオフィスは不要になるのかという疑問を持つ人もいます。

結論からいえば、バーチャルオフィスは引き続き事業において有用なツールとして活用可能です。その理由を「法人登記する際の住所」から読み解いていきます。

自宅で法人登記すれば、自宅はわかってしまう

法人登記をする際は、本店所在地を決めなくてはいけません。そして、本店所在地は登記簿に記録されるため、基本的には誰でも見ることができます。

つまり、たとえ株式会社の代表者の住所が非公開になったとしても、本店所在地を自宅にすれば、自宅の住所が知られてしまうので注意が必要です。これを防ぐためには「自宅の住所を本店所在地にしない」ことが対策になります。

賃貸オフィスを借りる方法もありますが、まとまった費用がかかるので、起業したばかりのときはなかなか難しいかもしれません。しかし、バーチャルオフィスであれば、毎月1,000円程度で事業用の住所を借りられます。運営会社の規約によりますが、本店所在地として登記に使える住所を手に入れられるため、プライバシー対策としてもおすすめです。

自宅で法人登記できない方に有効

自宅がマンションなどの集合住宅である場合、管理規約上の問題で本店所在地の住所として使うことができないケースがあります。このような場合でも、バーチャルオフィスを使うのは有効です。

賃貸オフィスを借りる予定がなくても、比較的リーズナブルな値段で事業用の住所が手に入ります。

自宅で法人登記できてもビジネス向きでない住所の場合も

自宅が一戸建てである、管理規約上問題がない集合住宅である場合でも、事業の戦略上あえて別の住所を使ったほうが良いケースもあります。たとえば、ファッションや美容、デザインなどおしゃれさを打ち出したい事業を営むのであれば、いわゆる一等地の住所を使えたほうがイメージアップになるはずです。

バーチャルオフィスであれば、営む事業のイメージ、ターゲットに合わせて適した住所を比較的お手頃な予算で使えます。

不特定多数に自宅住所を知られたくない場合の対策

不特定多数に自宅住所を知られたくない場合の対策

現状、実際に「商業登記規則」の改正法が成立するかはわかりません。そのため、少なくとも現時点では法人化した場合、基本的に代表者の住所がすべて会社登記簿に記載されます。

完璧に隠すことはできないため、起業するならそれなりに覚悟が必要なのも事実です。ただし、以下に掲げるようにある程度の対策はできるので、詳しく解説します。

  • 自宅の住所はできるだけ省略する
  • 会社名の代わりにブランド名やサービス名を使う
  • 芸名やビジネスネームを使う
  • 取引先に自宅の住所を教えない

自宅の住所はできるだけ省略する

自宅の住所はできるだけ省略しましょう。自宅がマンションなどの集合住宅であれば、マンション名や部屋番号を省略して登記できるかもしれません。

たとえば、住民票上の住所が「A県B市C区D町1丁目1番地1号 XYZマンション303」だったとしましょう。この場合「1丁目1番地1号 XYZマンション303」の部分を省略し、「A県B市C区D町1丁目1番地1号」と表記できます。

ただし、実際にこの方法が使えるかは、住民票や印鑑証明書に登録されている住所により異なるため、市区町村役場への確認が必要です。また、郵便物が届かないこともあるので、状況に応じて省略しない形で住所を伝えるなどの対応が求められます。

会社名の代わりにブランド名やサービス名を使う

会社名の代わりにブランド名、サービス名を使って事業を展開するのもひとつの方法です。

たとえば、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスという企業があります。一体何の会社かわからないかもしれませんが、「ドン・キホーテ」「アピタ」などを展開するディスカウントストアやスーパーの名前を出せば「ああ、あの会社ね」と理解できる人も多いでしょう。

このように、会社名よりもブランド名、サービス名の認知度のほうを高くすることは、プライバシーの確保にも役立ちます。第三者が登記簿謄本を見るためには、会社名がわからないといけません。

裏を返せば、会社名を知られない限りは登記簿謄本を見られる可能性が低くなります。自宅住所を知られる可能性も下げられるので、ブランド名やサービス名を前面に出して事業を展開するのもひとつの方法です。

芸名やビジネスネームを使う

プライバシーを守るという意味では、芸名やビジネスネームを使うのも有効です。悪意ある誰かが法人謄本を閲覧したとしても、謄本に表示されているのが本名であれば、ビジネスネームと結び付けられないことも多々あります。

取引先に自宅の住所を教えない

取引先にむやみやたらに自宅の住所は教えないようにしましょう。実際のところ、信頼して取引をしている取引先経由で住所が漏れる可能性は否定できないためです。わざわざ登記簿謄本を見て調べなくても知られるリスクはあります。

これを防ぐためには、してバーチャルオフィスを契約し、その住所を郵便物の受け取りなど事業上の対外的なやり取りに使いましょう。

なお、本来バーチャルオフィスは犯罪収益移転防止法により規制を受けるサービスです。大半のバーチャルオフィスは関連法令に則り適切な運営がなされていますが、なかには問題のある運営会社が混じっています。選び方を間違えると自分が犯罪に巻き込まれるリスクもあるので注意しましょう。

まとめ

2024年2月現在「商業登記規則」の改正はあくまで予定となっている以上、改正自体が行われるか、どのように内容が変わるかは未知数の部分もあります。

改正が行われたとしても、本店所在地の住所に使う、取引先に自宅の住所を教えるなどの理由で、不本意な形で自宅の住所を知られる可能性がある点には注意しなくてはいけません。

できる限り、事業用の住所と自宅の住所は別のものを使いましょう。賃貸オフィスを借りるほどではない場合は、バーチャルオフィスを使うのが非常に有効です。

バーチャルオフィス1なら月額880円(税込)+郵送費用で事業用の住所をご利用いただけます。もちろん、本店所在地として法人登記にお使いいただくことも可能です。「そろそろ法人化したいけど、自宅の住所はあまり使いたくない」という場合は、ぜひご検討ください。

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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