ネット銀行で法人口座を開設するデメリット4選|銀行選びで失敗しないポイントをご紹介

[投稿日]2024年10月15日 / [最終更新日]2024年11月29日

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ネット銀行で法人口座を開設するデメリット4選|銀行選びで失敗しないポイントをご紹介

ネット銀行について調べると、「手数料が安い」「起業直後でも法人口座を開設しやすい」など、メリットばかりが目立ちます。これらの情報を見て、どのようなデメリットがあるのだろうと疑問に思う方も多いはずです。

本記事では、ネット銀行で法人口座を開設するデメリットを紹介します。また、銀行選びで失敗しないためのポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ネット銀行で法人口座を開設するデメリット

ネット銀行で法人口座を開設するデメリット

ここでは、ネット銀行で法人口座を開設するデメリットを紹介します。

知名度が低く信用力に劣る

ネット銀行は、メガバンクや都市銀行と比較すると、知名度が低く信用力に劣る傾向があります。一般的には、知名度や信用力のある銀行の法人口座を開設するほうが、会社の信用度が高まり、取引先や顧客から好印象を持たれやすくなります。

この観点からいうと、ネット銀行で法人口座を開設しても、会社の信用度は上がりづらいでしょう。なお、メガバンクや都市銀行の審査は厳しく、十分な実績がないと口座開設が難しいと言われています。

つまり、主要取引銀行にメガバンクや都市銀行を記載できるというのは、「厳しい審査を通過した実績のある会社」の証明なのです。一方、ネット銀行は起業直後でも法人口座を開設しやすいと言われているため、審査通過が実績の証明に結びつきづらい傾向にあります。

信用力を重視して法人口座の銀行を選ぶ場合は、メガバンクや地方銀行、信用金庫なども検討しましょう。以下の表には、銀行の形態別に信用力の高さをまとめています。

銀行の形態信用力当該銀行の例
ネット銀行GMOあおぞらネット銀行
住信SBIネット銀行
楽天銀行
メガバンク・そのほか都市銀行みずほ銀行
三菱UFJ銀行
三井住友銀行
りそな銀行
地方銀行横浜銀行
千葉銀行
福岡銀行
信用金庫信金中央金庫
多摩信用金庫
城南信用金庫

対面でのサポートが受けられない

ネット銀行は店舗を持たないため、以下のような対面でのサポートや相談が受けられません。

  • 口座開設・解約の窓口申請
  • 大口現金の入出金
  • 融資の相談・申し込み
  • 法人向け金融商品の案内

ネット銀行は主に、取引や手続きの手軽さを重視しているため、各企業の状況・ニーズにあった個別対応が難しい傾向にあります。一方、対面サポートがある店舗型の銀行なら、事業内容や企業の状況を確認され、ニーズにあった融資の提案などをしてもらえます。

地元地域に根ざした事業を行う場合や、複雑な資金調達を実施する場合は、非対面のネット銀行では難しいと言えます。対面での手厚いサポートを期待する方は、店舗型銀行の法人口座を検討すると良いでしょう。

融資(ビジネスローン)の借入限度額が少なく金利が高い

ネット銀行の融資商品はビジネスローンが主体です。そのため、借入限度額が少額かつ高金利な傾向があります。メガバンクや都市銀行と比較して、ネット銀行の融資条件が悪い理由は、主に2つです。

まず、ネット銀行は手続きの簡便さを重視するため、やり取りがすべて非対面です。銀行としても、非対面のやり取りでは借り手企業の信用情報を十分に把握しづらいため、借入限度額や金利をはじめとする融資条件を下げざるを得ないのです。

次に、ネット銀行が、スタートアップや中小企業との取引に重きを置いている点が挙げられます。メガバンクや都市銀行は、実績のある中堅〜大企業との取引に重きを置く傾向にあるため、、融資限度額を高く設定しています。

対してネット銀行は、スタートアップや中小企業をメイン顧客として抱えています。事業の不確実性や貸倒リスクを考慮して、融資条件を厳しく設定しているのです。

上記2つの理由から、ネット銀行の融資は、メガバンクや都市銀行よりも借入限度額が低く、高金利なのです。

以下では、主要なネット銀行が提供している融資(ビジネスローン)の概要をまとめています。

銀行名融資商品借入上限額金利
GMOあおぞらネット銀行あんしんワイド1,000万円0.9〜14.0%
住信SBIネット銀行事業性融資dayta3,000万円非公開
楽天銀行楽天銀行ビジネスローン1億円非公開
PayPay銀行ビジネスローン(法人向け)1,000万円1.8%~13.8%
イオン銀行非公開非公開非公開

口座振替や受取に対応していないケースがある

ネット銀行が比較的新しいサービスということもあり、税金や社会保険料の支払いに対応していないケースが多くみられます。仮に対応していても口座振替はできず、Pay-easy(ペイジー)のみ可能なことがほとんどです。

また、さらに細かな点で言えば、日本政策金融公庫には対応しているものの、別の機関が主導する補助金・助成金の受け取りができない場合もあります。

一般的なネット銀行の各種対応可否は、以下のとおりです。

項目対応可否
社会保険料・税金の支払い
※Pay-easyのみ利用可が多い
補助金・助成金の受け取り
一部、対応する銀行も有
日本政策金融公庫
ほとんどが対応
経営セーフティー共済×
ほとんどが未対応

ネット銀行によっては、自社が求める機能に対応していないケースも多いため、公式サイトを参照して細かく対応可否を調べましょう。

ネット銀行で法人口座を開設するメリット

もちろん、ネット銀行で法人口座を開設するメリットもあります。具体的には、以下5つのメリットが期待できます。

  • 各種手数料が安い
  • 起業直後でも法人口座を開設しやすい
  • 口座維持手数料が無料
  • 法人開設の手続きが簡単
  • 審査期間が短い

メガバンクや都市銀行と比較して顕著なのが、各種手数料の安さです。ネット銀行と店舗型銀行の振り込み手数料の相場は、それぞれ以下のとおりです。

ネット銀行店舗型銀行
同行同支店宛0〜50円100〜400円
同行他支店宛0〜50円100〜400円
他行宛150〜250円200〜650円

ネット銀行のほうが、振り込み手数料が格安に設定されています。1ヶ月あたりの取引件数が多い方にとって、コストを抑えられるのは大きな魅力です。

ネット銀行で法人口座を開設しないほうが良いケース

ネット銀行で法人口座を開設しないほうが良いケース

前述のデメリットを踏まえ、ここではネット銀行で法人口座を開設しないほうが良いケースを紹介します。

対外的な信用力を最重要視している場合

対外的な信用力を重要視して法人口座を開設する場合は、ネット銀行を選択しないのが賢明です。具体的には、業界の慣習で、取引銀行によって会社の信用力を判断されたり、取引相手や競合が信用力のある企業ばかりだったりする場合です。

これは、ネット銀行の法人口座がメガバンクや都市銀行よりも信用力が低いと見なされる傾向にあるためです。ネット銀行で法人口座を開設すると、自社の対外的な信用力が低いと見なされる恐れがあります。

また、取引先や競合に信用力のある企業が多い状況では、信用力が原因で取引を断られたり、競争に負けたりするリスクがあります。よって、対外的な信用力を最重要視する場合は、大手の銀行を選ぶのがおすすめです。

融資を受けながら、銀行と一緒に会社を成長させたい場合

銀行の融資やサポートに大きく頼りながら、事業を成長させたい会社には、ネット銀行をおすすめできません。例を挙げると、地元の町おこしや介護・福祉など、地域密着型の事業の場合や、大きな投資額を銀行融資で調達しようとしている会社などです。

ネット銀行の融資は借入限度額が低く、大きな金額の調達に向いていません。また、オンライン上での手続きのため、自社の要望や意思が伝わりづらい傾向があります。

一方、信用金庫や地方銀行など地域密着型の銀行では、対面にてヒアリングをしてくれたり、融資以外にも地域ネットワークを活かしたサポートが受けられたりします。銀行の融資やサポートに頼りながら、事業を成長させたい場合は、信用金庫や地方銀行を選択しましょう。

ネット銀行で法人口座を開設すべきケース

ネット銀行で法人口座を開設すべきケース

ここからは、ネット銀行で法人口座を開設すべきケースについて紹介します。

コストパフォーマンスを重視している場合

法人口座のコストパフォーマンスを重視する場合は、圧倒的にネット銀行が適しています。たとえば、従業員が多い企業や仕入れの頻度が高い小売業の場合、振込や入出金の回数が多くなりがちです。

店舗型銀行の法人口座では、手数料のみでも大きな出費となります。一方、ネット銀行なら、他行宛の振込でも1件あたり150〜250円と格安です。コストパフォーマンスで法人口座を選ぶ場合は、ネット銀行がおすすめです。

多額の融資を受ける予定がない場合

多額の融資を受ける予定がない場合も、ネット銀行で法人口座を開設すべきです。たとえば、エンジニアやコンサルタントなど固定費がかからない業態や、自己資本のみで経営したい場合などです。

多額の融資を受けないのであれば、ネット銀行の借入限度額の低さや金利の高さは大きな障がいにならないでしょう。そのため、多額の融資を受けない場合は、手数料が安いネット銀行を選択するのがおすすめです。

サブバンクとして利用したい場合

サブバンクとして利用する場合、ネット銀行の法人口座が便利です。これは、ネット銀行の手数料が安く、使い勝手が非常に良いためです。また、メインバンクが店舗型銀行なら、信用力や融資条件などの問題をクリアできます。

ネット銀行の使い方として、従業員の給与支払いや取引先への振り込み用として活用したり、メインバンクで融資を断られた際のリスクヘッジに活用したりする方法が効果的です。メイン口座とサブ口座でお金の用途を分ければ、資金移動も把握しやすくなります。

法人口座開設で失敗しないためのポイント

法人口座開設で失敗しないためのポイント

法人口座開設の失敗を回避するには、自社の目標やニーズをもとに、関わる銀行の種類や求めるサービスを明確にすることが重要です。銀行のサービス内容や特徴は、ネット銀行・メガバンク・都市銀行などの各形態ごとに大きく異なります。

目標やニーズが曖昧では適切な比較・検討ができず、自社に合わない法人口座を開設してしまう恐れがあります。極端な例ですが、対面での手厚いサポートを受けたい会社がネット銀行を選択すれば、想定していたサービスが受けられません。

上記のような失敗を避けるためにも、銀行の用途や求めるサービスを明確にしてください。

法人口座が開設できるネット銀行をご紹介

以下の表では、法人口座を開設できるネット銀行の手数料や審査期間などを比較しています。

銀行名他行宛振込手数料口座維持手数料審査期間融資の借入上限額
GMOあおぞらネット銀行145円
※129円
※振込料金とくとく会員
無料最短即日~平均2営業日1,000万円
住信SBIネット銀行145円
※130〜145円
※振込優遇プログラム
無料オンライン:最短翌営業日
郵送:1週間程度
3,000万円
PayPay銀行通常:160円
※月5回まで0円
無料最短3日~10日程度1,000万円
楽天銀行3万円未満:150円
3万円以上:229円
無料1週間程度1億円
イオン銀行5万円未満:220円
5万円以上:440円
2,200円記載なし非公開

以下の記事では、項目別に手数料やサービス内容を一覧表にまとめて比較しています。より詳しく銀行を比較したい方は、ぜひご参考ください。

まとめ

本記事では、ネット銀行で法人口座を開設するデメリットを紹介しました。ネット銀行と言えば、手数料の安さや審査難易度などが取り上げられがちですが、実はデメリットもあります。

会社のニーズや法人口座の用途によっては、ほかの銀行形態を選択するほうが良い場合もあります。ぜひ本記事の内容を参考に、適切な銀行を選択してみてください。

以下の記事では、ネット銀行と店舗型銀行を、手数料やサービス内容ごとに比較しています。各銀行を細かく比較・検討したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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