
-
バーチャルオフィスの審査を通過するコツを教えてください。
-
バーチャルオフィスの審査を通過するコツ・ポイントは以下の12個です。誠実に取り組めば、個人事業主であっても、起業家であっても、通過できる可能性は高いでしょう。
1.バーチャルオフィス向けの事業内容かどうかを確認する
2.必要書類をすべてそろえる
3.書類は漏れなく・正しく・詳しく記入する
4.事業実態・実績がわかる会社のWebサイト(HP)を作成しておく
5.個人の経歴や実績をドキュメント等でまとめておく
6.事業の見通し(事業計画)を言語化しておく
7.バーチャルオフィスの利用目的を明確に持っておく
8.バーチャルオフィス運営会社のルールに目を通しておく&守る
9.審査担当者とのメールや電話の対応は迅速・丁寧に行う
10.審査担当者からの質問に誠実に答える
11.SNSに注意する
12.代理で申し込みをしてもらう場合は委任状に注意する
バーチャルオフィスは個人事業主・法人代表者のどちらの方でも利用できる住所貸しサービスです。しかし、利用するには審査に通過することが条件となります。バーチャルオフィスの利用を検討する際は、厳格な審査が行われることを念頭に置き、事前準備をしましょう。
本記事ではバーチャルオフィス契約時に審査が発生する背景から、審査を通過するためのポイント、審査に落ちやすい事例を紹介します。バーチャルオフィスを利用する予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
バーチャルオフィスの選び方・注意点はこちら
バーチャルオフィスのメリット・デメリットはこちら
目次
バーチャルオフィスの審査が厳しいのはサービスの安全性を図るため

バーチャルオフィスの契約にあたっては、犯罪者の流用を廃除する観点から、犯罪収益移転防止法に則り必ず審査が行われます。バーチャルオフィスでは住所・電話番号が借りられることから、振り込め詐欺やマネー・ローンダリングなど犯罪に悪用されるリスクが高いためです。
安全に使うためには欠かせない仕組みではあるものの、利用を希望するなら、無事に審査に通過できるよう、しっかりとした対策が求められます。
審査が厳しい=信頼して利用できるバーチャルオフィス
審査が厳しいというと一見ネガティブに思えるかもしれませんが、実はそうではありません。バーチャルオフィスでは同じ住所を複数人で利用するサービスです。その住所が犯罪に流用されると、自分自身がトラブルに巻き込まれる恐れがあります。極論すれば、自分が犯罪に関与した嫌疑をかけられ、逮捕・起訴されるかもしれません。したがって、審査が厳格であるほど安心してバーチャルオフィスサービスを契約できるといえるでしょう。
厳しい審査はバーチャルオフィスを安全に使うために不可欠ではあるものの、対策をすれば通過できる見込みは十分にあります。信頼して利用できるバーチャルオフィスの審査を通過するために実践してほしいコツ・ポイントを後述しますので、ぜひ参考にしてください。
バーチャルオフィスには犯罪収益移転防止法が適用される
バーチャルオフィスには、犯罪収益移転防止法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)が適用されます。犯罪収益移転防止法とは、マネー・ローンダリングやテロ資金の供与を防ぐことを目的に制定された法律です。
マネー・ローンダリングとは、日本語にすると資金洗浄という意味です。犯罪によって得られたお金の出どころを不明瞭にするために、架空の金融機関の口座や他人名義の口座を転々と移動させる行為等のことを指し、法律で禁止されている行為のひとつです。つまり犯罪収益移転防止法では、マネー・ローンダリングのように犯罪によって得られた収益が別の犯罪者のもとへ送金されないよう、本人確認などが義務付けられました。
犯罪収益移転防止法により規制される業種のひとつに「郵便物受取サービス業」があります。犯罪収益移転防止法において、以下の3つの要件を満たす事業者であれば「郵便物受取サービス業」であると定義づけられます。
- 自己の居所や会社の事務所の所在地を顧客が郵便物の受取場所として利用するこ
とを許諾している。
- 顧客に代わって顧客宛ての郵便物を受け取っている。
- 受け取った郵便物を顧客に引き渡している。
引用元:犯罪収益移転防止法に関するQ&Aについて(郵便物受取サービス業者)|経済産業省 商務・サービスグループ 商取引監督課
つまり、バーチャルオフィスは郵便物受取サービス業に含まれる業態の一種です。そのほか、レンタルオフィス、電話秘書代行サービスなどが「郵便物受取サービス業」にあたり、利用時には本人確認が必須になります。
バーチャルオフィスの審査〜契約までの流れ

バーチャルオフィスの審査〜契約までの流れを、バーチャルオフィス1を例に挙げて紹介します。まずは具体的な流れを掴んで、契約までのイメージを膨らませていきましょう。
<バーチャルオフィス1の審査〜契約までの流れ>
STEP1:本人確認書類など、審査に必要な書類の準備
STEP2:申し込みフォームから、項目の入力と書類アップロードを行い送信(eKYC※導入中)
STEP3:審査結果を待つ(確認事項あった際は運営からメールが届くため必要に応じて対応)
STEP4:審査通過通知が届く
STEP5:クレジットカードの登録および初期費用を入金(決済)する
STEP6:初期費用の決済が確認できたら契約成立
※eKYCとは、犯罪収益移転防止法に準拠したオンライン本人確認ツールのこと
本来、バーチャルオフィスには厳格な審査が求められます。「審査不要」と記載のあるバーチャルオフィスは、適正な審査が行われていない可能性があるので、注意しましょう。
バーチャルオフィスの注意点について、詳しくは以下の記事で解説しています。
バーチャルオフィスの主な審査条件
実際のところ、バーチャルオフィスの審査基準は公開されておらず、何をすれば審査に落ちるのかを明言することはできません。しかし、審査は「利用を許可すること自体が法令違反にならないか」「他の利用者とのトラブルにつながる要素がないか」を確かめるために行います。以下の要因があると捉えられた場合、審査に落ちてしまう可能性が高いことに注意してしましょう。
- 犯罪もしくは犯罪が疑われる行為のために借りる
- 住民票の住所として流用するなど、目的外使用が疑われる
- 本人確認書類の提出がない、または不十分
- 本人確認情報に詐称があった
- 非常識な応対をした
- 反社会的、クレームが付きやすいなど事業自体に問題がある
関連記事:弁護士監修!バーチャルオフィスの住所で住民票の登録はできない!
バーチャルオフィスの審査を通過するコツ・ポイント12選

バーチャルオフィスの審査を通過するためのコツ・ポイント12選を紹介します。どのような点に注意するべきなのか、一つひとつ確認していきましょう。
- バーチャルオフィス向けの事業内容かどうかを確認する
- 必要書類をすべてそろえる
- 書類は漏れなく・正しく・詳しく記入する
- 事業実態・実績がわかる会社のWebサイト(HP)を作成しておく
- 個人の経歴や実績をドキュメント等でまとめておく
- 事業の見通し(事業計画)を言語化しておく
- バーチャルオフィスの利用目的を明確に持っておく
- バーチャルオフィス運営会社のルールに目を通しておく&守る
- 審査担当者とのメールや電話の対応は迅速・丁寧に行う
- 審査担当者からの質問に誠実に答える
- SNSに注意する
- 代理で申し込みをしてもらう場合は委任状に注意する
1.バーチャルオフィス向きの事業内容かどうかを確認する
そもそも自身が営んでいる、もしくは営もうとしている事業が、バーチャルオフィスに向いているのかを確認しましょう。
バーチャルオフィスはあくまで事業用の住所を借りるサービスに過ぎず、物理的な執務スペースは基本的に借りられません。エステサロンなど、来訪した顧客に商品・サービスを提供するのが前提となる事業は基本的に向いていないといえます。
また、業種によっては許認可との関連で、バーチャルオフィスでの開業が法律により禁止されていることがあります。以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
2.必要書類をすべてそろえる
バーチャルオフィスの審査を受けるためには、審査に必要な書類すべてを提出する必要があります。すべて提出できないと、そもそも審査を受けられない可能性がある点に注意しましょう。
必要書類には、住民票のコピーのように役所に取りに行かなければならないものや、事業計画書のように事前に時間を作って作成する必要がある書類なども含まれます。
バーチャルオフィスを申し込む前に、審査に必要な書類を確認して、余裕を持って準備を進められるようにしましょう。具体的に必要となる書類の例は、以下の通りです。
【個人の方(個人事業主やこれから法人を設立される方)】
- 住民票(発行から3か月以内)
- 印鑑登録証明書(発行から3か月以内)
- 顔写真付き身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
- クレジットカード
- 事業概要説明書類(※)
(※)事業概要説明書類の例
・事業計画書、創業計画書のコピー
・入会希望者本人の経歴がわかるWebページ等のコピー
・資格証明書(※士業など資格をもとに活動される方)
【法人の方】
- 履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)
- 印鑑証明書(発行から3か月以内)
- 代表権を持つ方の顔写真付き身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
- クレジットカード
- 事業概要説明書類
(※)事業概要説明書類の例
・クライアントとの契約書のコピー
・Webページ(HP)のURLおよび事業内容が分かる箇所のコピー
・対外的な会社案内のコピー
・決算書のコピー
3.書類は漏れなく・正しく・詳しく記入!詐称は絶対NG
書類の数、記入する項目が多いと、しっかり確認していたつもりでも漏れが発生してしまう可能性は十分にあります。書類内容をダブルチェックするなど、提出前には時間を取って入念に見直しをしましょう。
また、審査で良い印象を与えたいからといって、情報を詐称するのは厳禁です。事業を立ち上げたばかりで売上がほとんどない状態であったとしても、詐称によって審査に通る可能性は高くありません。質問があった場合は、素直に事業を立ち上げたばかりである旨を伝えましょう。
なお、書類を作成していてあやふやな部分があった場合は、自分で調べたり、運営会社に確認したりしてみましょう。あやふやな部分を誤解したまま進めると、結果として間違った書類を提出してしまうことは十分に考えられます。そして、単なる間違いだったとしても、結果として不正と判断されるリスクがある点に注意が必要です。
4.事業実態・実績がわかる会社のWebサイト(HP)を作成しておく
Webサイト(ホームページ)は会社や事業の実態・実績を判断するための有効な情報源です。バーチャルオフィスの申し込みの前に用意しておきましょう。費用をかけて凝ったものを作る必要はありませんが、最低限、以下の事項の記載は必要です。
- 会社名(または屋号)
- 代表者名
- 事業内容
- 事業の実績(取引先、イベント登壇歴、インタビューを受けた実績、ポートフォリオなど)
また、すでにWebサイト(ホームページ)を持っているのであれば、古い情報がないか確認を行いましょう。古い情報のままになっていて、現状の状態と乖離が起こると、審査においてその点を追及される恐れがあります。今一度見直し、最新の情報にブラッシュアップしておきましょう。
5.個人の経歴や実績をドキュメント等でまとめておく
審査では、事業だけでなく申込者自身の信頼性もチェックされている可能性が高いといえます。そのため、必要書類に記載がなかったとしても、個人の経歴(学歴・職歴)や実績をドキュメントなどでまとめて一緒に提出しておくと、審査担当者の信頼を獲得しやすくなるかもしれません。
特にメディアに掲載された経験がある、SNSなど何かしらの媒体を運営しているなど、目に見えてわかる実績や成果がある方は、それらの情報を提出書類に含めてください。
またバーチャルオフィスを利用して、これまで経験がない新しい領域の事業に挑戦する場合、「事業経験やノウハウが一切ない」と見做されると不信感を抱かれてしまう可能性があります。そのため、「事業開始に向けて資格を取得した」「過去のこんなスキルを活かせる」といった個人的なアピールもしておくと、より審査を通過する確率が高まるでしょう。保有資格がある場合は、資格の合格証明書やライセンスカードなど、裏付けとなるものをあわせて提出するとさらに効果的です。
6.事業の見通し(事業計画)を言語化しておく
バーチャルオフィスの審査では、運営しているまたは運営予定の事業の見通しを立てておくようにしましょう。バーチャルオフィスによっては、事業計画書の提出を求められる場合もあるほど、どのような事業を営むのかは審査において重要な指標のひとつです。
申し込みをする段階で、顧客を抱え売上を上げている必要はありませんが、以下のように数字を用いて、具体的に今後の事業計画を示せるとより審査に通過しやすくなります。
・○○程度の収益をあげられる見通しがある
・○○程度の見込み客が期待できる
・○○程度のPVを獲得できる
ただし、あまりに高い目標を掲げ過ぎると「実現可能性がない数字をでっちあげている」と悪印象を与えかねません。現実的な数字にとどめるとともに、その数字を挙げた背景について説明できるようにしておきましょう。
7.バーチャルオフィスの利用目的を明確にもっておく
何のためにバーチャルオフィスを契約するのか、利用目的をしっかりと伝えられるようにしておきましょう。何の事業を営むかを考えずにとりあえずバーチャルオフィスを契約しようとするのは、審査に落ちてしまう原因になります。運営会社側からすれば、犯罪など法律・モラルの観点から見て問題がある事業を営まれるリスクがあるためです。
運営会社からの信頼を得るためにも、自分のなかで利用目的を明確にしたうえで、伝えられるよう練り上げておきましょう。
8.バーチャルオフィス運営会社のルールに目を通しておく&守る
まず、自分が申し込もうとしているバーチャルオフィスの申し込み条件を照らし合わせて、自身の事業に問題がないかを確認しましょう。審査の流れは厳格に定められている以上、先に審査を進めて、後から書類を提出するといったことはできません。バーチャルオフィスが定める審査のフローに従い、粛々と手続きを進めましょう。
さらに、審査に先立ち、運営会社が定めるサービス内容や利用のルールにも目を通しておく必要があります。運営会社からすれば、「最低限のサービス内容やルールを理解していない利用者は、将来的にトラブルを起こしかねない」と懸念するためです。
事前にサービスの内容やルールには必ず目を通し、疑問点があれば質問して解決しておきましょう。
9.審査担当者とのメールや電話の対応は迅速・丁寧に行う
審査担当者からメールや電話で連絡があった際には、できる限り迅速かつ丁寧に対応しましょう。メールの返事や電話の折り返しがあまりにも遅いと「連絡が取れない」と判断され、不信感を抱かせてしまう可能性があります。
即座に回答できない場合であっても、たとえば「終日外出中のため、明日改めてご連絡いたします」と伝えるなど、丁寧な対応を心がけましょう。
また、そもそも審査担当者からのメールが届かない事態に陥ってしまわないように、以下の工夫をしておくことも大切です。
- 申込時に登録するメールアドレスに間違いがないか確認する
- 審査担当者からのメールを受け取れるよう設定しておく(メールフィルタリングの確認)
- 迷惑メールに振り分けられていないか確認する
なかでも普段からメールフィルタリング設定(特定の電子メールを拒否できる設定)をしている方は、事前に設定を確認しておくと安心です。バーチャルオフィスの審査では、信頼性は大きなポイントとなります。一般常識やビジネスマナーを守ってコミュニケーションを取りましょう。
10.審査担当者からの質問に誠実に答える
審査担当者からの質問に対して適当にはぐらかさず、丁寧かつ誠実に答えましょう。審査の現場では、事業を営む実態があるか、本人情報や業歴などに偽りがないかを確認する質問がなされます。
質問の意図がつかめない場合は、しっかりと考えたうえで質問をし返しても問題ありません。
11.SNSに注意する
FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSをやっている場合は、注意が必要です。自分自身や事業をアピールできる有用なツールであるものの、投稿内容によっては不信感を抱かれる可能性があります。バーチャルオフィスの運営会社が利用者のアカウントを検索し、内容に問題がないか確かめる「エゴサーチ」を行っても不思議ではありません。
SNSのアカウントはバーチャルオフィスの審査の前に見直し、他人の悪口や違法行為をほのめかしたものなど、問題がある投稿がないかを確認しておきましょう。自信がない場合は、アカウントを非公開・削除するのも選択肢のひとつです。
12.代理で申し込みをしてもらう場合は委任状に注意する
自分自身で申し込み手続きをするなら特段問題ありませんが、スタッフなど自分以外の人に代理で申し込みをしてもらう場合は、委任状に注意しましょう。
バーチャルオフィスの運営会社によっては、法人代表者以外が手続きをする場合、委任状や法人代表者の確認書類を提出するよう求められることがあります。具体的な手続きの流れは個々のバーチャルオフィスによって異なるので、事前に確認しておくと安心です。
バーチャルオフィスの審査に落ちやすいケース10選

バーチャルオフィスの審査基準は公開されていないうえに、通過できなかったとしてもその理由が開示されることはありません。しかし、明らかに審査において不利になることをしていれば、その分審査に落ちる可能性は高まります。
以下では「バーチャルオフィスの審査に落ちやすいケース」と題し、審査において不利になる状況を紹介します。
- 必要書類をそろえることができない
- 個人・会社情報を意図的に詐称する
- バーチャルオフィスで開業できない事業を運営(予定)
- クレームが付きやすい事業を運営(予定)
- 反社会的な事業を運営(予定)
- 審査担当者からの質問に答えられない・秘匿する
- 事業内容が不明確
- 事業の成功確率が著しく低いと判断される事業内容(予定)
- 非常識な応対をする
- ネット上で会社・代表者・関係者の評判が著しく悪い
1.必要書類をそろえることができない
必要書類をそろえられなければ、そもそも手続き自体が進まず、審査まで進みません。大前提として、必要書類は漏れなく提出しましょう。もし、何らかの理由で必要書類が用意できない場合は、早めに運営会社に相談し、対応を仰いでください。
また、提出後に不備があった場合、確認のために連絡が入ります。内容を聞き、必要な対処を迅速に済ませましょう。
2.個人・会社情報を意図的に詐称する
氏名や住所などの個人情報および、事業内容などの会社情報を意図的に詐称した場合、審査を通過できない可能性が高くなります。
意図的に詐称するということは、「何か隠したいことがあるのでは」「犯罪に利用する目的があるのでは」と疑いを持たれかねないので、詐称は絶対にやめてください。
また、意図的な詐称ではなく、単なる書き間違いだったとしても、運営会社にはそのあたりの事情はわかりません。情報を書く際は、うろ覚えで書いてしまわずに、ちゃんと調べたうえで慎重に進めましょう。
3.バーチャルオフィスで開業できない事業を運営(予定)
バーチャルオフィスで開業できない事業を運営、または運営予定の場合は、法律によって規制されているので、審査に落ちる可能性が高いでしょう。
バーチャルオフィスの利用ができない業種
- 税理士、弁護士、司法書士、行政書士などの士業
- 古物商
- 有料職業紹介業
- 人材派遣業
- 宅地建物取引業
- 金融商品取引業
- 産業廃棄物収集運搬業
- 風俗営業
- 探偵業 など
上記の業種は認可の都合上、バーチャルオフィスを利用することができません。
そのほか法律上ではなく、バーチャルオフィスの運営会社側の規定として、利用できない業種が定められている場合があります(例:情報商材販売、出会い系サイト)。そもそもバーチャルオフィスを利用できるのかどうか、申し込みをする前に確認してみましょう。
4.クレームが付きやすい事業を運営(予定)
特段法律上の規定はないものの、バーチャルオフィス運営会社が利用する業種に制限をかけているケースがあります。特に顧客とのトラブルが起きがちな業種については、他の利用者を保護する観点から、申し込みを断るバーチャルオフィス運営会社は多いでしょう。
なお、バーチャルオフィス1では、下記業種の方のご契約はお断りしております。
契約をお断りしている業種
アダルト/ギャンブル/ネットワークビジネス(連鎖販売取引)/情報商材販売/出会い系サイト/ナイトワーク/麻薬/探偵業/政治活動をする団体/宗教活動をする団体/労働組合活動をする団体/暴力団活動をする団体/活動目的が不明瞭な団体/その他当社が適切でないと判断する業種・団体
※契約する事業・団体に関わらず、代表者や事業関係者が上記に関係していると当社が類推できる場合も含む
なお、業種の観点から問題がなかったとしても、不特定多数の来社が多いなど、事業内容自体がバーチャルオフィスに向いていないケースがあります。そのような場合も、審査においてはマイナスになるので注意しましょう。
5.反社会的な事業を運営(予定)
犯罪を目的とするなど、反社会的な事業を運営または運営予定の場合、バーチャルオフィスを契約することができません。
また暴力団など反社会的勢力とつながりがあったり、特定の政治・思想・宗教団体などとの関係性が見られる事業との関わりがあったりする場合も、審査で落とされる可能性が高くなります。
6.審査担当者からの質問に答えられない・秘匿する
審査の際には、たとえば「ご自身の経歴を教えてください」のように、審査担当者から質問をされることがあります。その際に、「質問を無視する」「守秘義務を盾にして秘匿する」などの行為をすると、審査に落ちてしまう可能性があるので注意しましょう。回答が得られない以上、希望者が本当にバーチャルオフィスを利用するのに相応しい人物かを判断できかねるためです。
万が一、意図がつかみづらい質問をされた場合は、どのような意図の質問かを踏み込んで聞いてみることをおすすめします。一度で理解できなかったとしても、答えようとする意思があると相手に伝わるでしょう。
7.事業内容が不明確
事業内容が不明確だと、審査担当者は「何のためにバーチャルオフィスを利用するのか」という目的を把握することができないことに加え、事業の適正を判断することができません。
誰が見ても、どんな事業を行っているのかが読み取れるように、事業内容を具体的に伝えるようにしましょう。口頭での受け答えに不安があるのであれば、Webサイトを印刷したものや、事業・会社の紹介資料など「何をしているかがわかるもの」を持参すると効果的です。
なお、バーチャルオフィス1では「登記簿や定款に記載の事業目的を提出して問題ないか」といった質問を受けることがありますが、それだけでは不十分であり、提出書類として認めておりません。なぜなら登記簿等に記載する事業目的は誰でも書くことができ、インターネットでコピペすることもできてしまうからです。しっかりとした事業がわかる資料の提出が必須になります。
8.事業の成功確率が著しく低いと判断される事業内容(予定)
バーチャルオフィスの審査では、事業の成功確率が著しく低い(=収益を上げれる可能性が著しく低い)場合、審査で落とされてしまう可能性があります。なぜなら事業がうまくいかないことが原因で、料金を滞納したり、登記を放棄したりしてしまう恐れがあるからです。
バーチャルオフィスを契約する以前の話ではありますが、事業者になる以上、売上・利益の見通しを含めた事業計画を作成するようにしましょう。なお、作成した事業計画が「実現性の観点から問題がないか」という点を含め、税理士や中小企業診断士などの専門家にチェックしてもらうことも効果的です。
9.非常識な応対をする
バーチャルオフィス運営会社によっては、利用希望者に対しオンラインもしくは対面で面談を行うケースがあります。また、当然ではありますがメールでのやり取りも発生するでしょう。
その際にビジネスマナーの観点から問題がある行動を取ったり、暴言を吐くなど高圧的な態度を取ったりした場合は、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。最低限のマナーを守れない利用者がいた場合、他の利用者に迷惑をかける可能性があると判断されるためです。
過度に緊張する必要はありませんが、「こんな人と接するのは嫌だ」と思われる態度はとらない、というスタンスで臨みましょう。
10.ネット上で会社・代表者・関係者の評判が著しく悪い
提出した書類に問題はなくとも、ネット上で申し込み者や運営するサービス、関係者の評判が著しく悪い場合、審査が通りづらいと考えられます。他の利用者に悪影響を及ぼす可能性がある以上、利用許可をすることにリスクがあるためです。
ただし、悪い評判が実は事実無根の誹謗中傷に過ぎないことも考えられます。そのような場合は、弁護士に相談し、対策を講じたうえでバーチャルオフィスに申し込みしましょう。
バーチャルオフィスの審査に落ちたときの対処法

バーチャルオフィスの審査に落ちると、同一サービスでの再申し込みはできない場合がほとんどです。そのため審査に落ちてしまったときは、別のバーチャルオフィスサービスを探して申し込みをすることになります。
別のバーチャルオフィスに申し込む際は、審査に落ちてしまった理由を自分なりに分析してから、再トライするようにしましょう。振り返りを行わないまま申し込みをしてしまうと、再び審査に落ちてしまう可能性があります。
審査に落ちてしまったときは、「本人確認書類」と「事業内容」に原因がある場合がほとんどです。下記では、審査に落ちてしまう理由と対処法について解説します。
- 原因1.本人確認ができなかった
- 原因2.事業内容に具体性がなかった
- 原因3.起業目的が曖昧だった
- 原因4.信頼を得られなかった
原因1.本人確認ができなかった
原因のひとつとして考えられるのは「本人確認ができなかった」ことです。提出書類に以下の不備があった場合、審査が正常に完了せず、通過できない可能性が出てきます。
- 書類自体に抜け・漏れがある
- 本人確認書類の有効期限が切れていた
- 書類を画像で提出したが、その画像が不鮮明だった
仮に書類に不備があった場合、修正・再提出をするよう連絡があるはずです。連絡を受けた場合は、内容を確認し、速やかに対応しましょう。
原因2.事業内容に具体性がなかった
そもそも「何の事業を行うのか」が不明確であったり、「見込み客の想定が立たない(収益が生み出されない)」事業内容だったりすると審査に落ちてしまう可能性があります。
企業HPのコンテンツを充実化させることに加えて、取引先との取引履歴や、売上・販管費などの数値など、具体的に事業の内容・状況がわかる資料を提出しましょう。
原因3.起業目的が曖昧だった
なぜ起業をするのかという目的が曖昧だったり、自身の過去の経験とまったく結びつかない目的だったりすると、信頼性が下がり、審査に落ちてしまう可能性があります。
その場合は、自身のキャリアの延長線上に起業する目的があることをしっかり伝えること、新たな領域でチャレンジするときは資格取得など準備を進めていることをアピールするようにしましょう。
原因4.信頼を得られなかった
メール・電話など対応時の所作や人柄から、審査に落ちてしまう可能性があります。ただし、一般的なビジネスマナーが備わっていて、誠実に対応できていれば問題ありません。最低限「この人と接するのは嫌だ」と思われない程度の対応ができれば十分だといえます。
バーチャルオフィスの審査に面談がある場合の対策

バーチャルオフィスの審査では、基本的なビジネスマナーに基づき、誠実な対応ができていれば、特段問題がないと考えられます。具体的には、以下のポイントを心得たうえで対応しましょう。
- 一般的な常識を守る(時間を守る等)
- 丁寧なコミュニケーションを心がける
- 面談担当者からの質問に誠実に答える
- 複数人で運営する場合、代表者およびキーパーソンが面談に参加する
聞かれた質問の回答を誤魔化したり、嘘をついたり、または高圧的な態度で臨んだりするようなことがなければ、面談自体は滞りなく進むはずです。自身の経歴や事業内容などを具体的に答えられるように情報の整理をしておくと、自信を持った受け答えにもつながるでしょう。
また、複数人で事業を運営する場合は、代表者およびキーパーソンで面談に臨むことを推奨します。なぜなら本来、審査担当者からの質問に答えられる人がいるにも関わらず、面談に参加していないばかりに回答できない状況になってしまうと、信用を得られず審査に落ちてしまう可能性があるためです。
なかには勤めている会社が副業禁止であることから、代表者はパートナー(夫・妻など)の名前を使用しているケースがあると思います。そのような場合は、パートナーと共に面談に参加して、利用背景を隠さず伝えるようにしましょう。事実を隠したり、誤魔化したりすると審査が通らない可能性が高まってしまうため、本当のことを答えるのが一番です。
企業の採用面接ではないので、基本的には緊張しすぎず、落ち着いた受け答えをすれば問題ありません。
信頼できる審査体制があるバーチャルオフィスを選ぼう

バーチャルオフィスの審査を通過するためのコツやポイント、落ちやすいケースについて解説してきましたが、信頼できる審査体制のあるバーチャルオフィスを選ぶことも非常に重要です。
バーチャルオフィスや個人事業主や企業が共同でひとつの住所を利用するため、1人が犯罪行為をしてしまうと、外部からは住所が同じことで「犯罪に関係しているのでは?」と疑われてしまう可能性があります。そのため、厳格な審査体制を敷いているバーチャルオフィスを選ぶことが大切です。
信頼できる審査体制のあるバーチャルオフィスを選べるよう、ポイントをいくつか紹介します。
【信頼できる審査体制があるバーチャルオフィスの特徴】
- 書類審査+eKYCによる本人確認を実施している
- 書類審査+簡易書留や特定記録を使った郵送による本人確認を実施している
- 書類審査+対面で本人確認+定性審査を実施している
【審査体制が緩い可能性があるバーチャルオフィスの特徴】
- 審査不要
- 書類審査のみ
- 書類審査+電話による本人確認
信用できるバーチャルオフィスの見分け方について、詳しくは以下をご覧ください。
まとめ
バーチャルオフィスの審査を通過するためには、まずは誠実かつ丁寧な対応を心掛けるのが重要です。ただし、過度にかしこまったり、緊張したりする必要はなく、あくまで「この人と接するのは嫌だ」と思われない態度で接するようにしましょう。
またバーチャルオフィスの審査が厳しいことは事実ですが、誠実に取り組めば個人事業主であっても、起業家であっても、通過できる可能性は十分にあります。事前にバーチャルオフィスサービスのサイトから必要書類やルールを確認して、漏れなく準備を進めていきましょう。
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。
この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
東商 社長ネット 株式会社バーチャルオフィス1 牧野 傑
キャリアコンサルタントドットネット 牧野傑(まきのすぐる)
Yahoo!知恵袋(株)バーチャルオフィス1牧野傑
Yahoo!知恵袋回答集