法人が外貨預金をするメリット・デメリットとは?賢い運用方法をご紹介

[投稿日]2024年12月16日 / [最終更新日]2024年12月29日

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法人が外貨預金をするメリット・デメリットとは?賢い運用方法をご紹介

金融機関が提供する預金のひとつに、外貨預金があります。法人が外貨預金をした場合、どのようなメリットが期待できるかと疑問に思うでしょう。

本記事では、外貨預金の概要をおさらいしつつ、メリット・デメリットを紹介します。外貨預金にかかる税金やおすすめの法人口座もまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

法人における「外貨預金」とは?

外貨預金とは?

外貨預金とは、日本円を他国の通貨に換金して預け入れる預金のことです。外貨への換金は金融機関が担うため、入出金時には日本円を預け入れたり、引き出したりするだけで取引を完結できます。

外貨預金をうまく活用することで、通貨間の金利差や為替変動による利益が見込めます。また、法人の場合はこうした資金運用としての用途だけでなく、海外進出・貿易取引の準備や預金のリスク分散として外貨預金を活用する場合があります。

なお、外貨預金の投資先通貨は、口座開設者が選択できます。通貨ごとに値動きの大小や金利が異なるため、これらの特徴を押さえて適切な通貨を選択する必要があります。

法人における外貨預金の種類

法人における外貨預金の種類

ひとえに外貨預金と言っても、いくつかの種類があります。ここでは、以下2つの観点から法人における外貨預金の種類を紹介します。

  • 預金種別
  • 通貨種別

預金種別

外貨定期預金と外貨普通預金

預金口座の種別に着目すると、外貨預金は以下の2種類に分類できます。

預金種別金利出金の制限主な用途
外貨定期預金高め有り資金運用・貯蓄
外貨普通預金低め無し事業資金の管理

外貨定期預金は、日本円を外貨に換金して定期預金に預け入れることです。一般的な定期預金と同様に、契約期間が満了するまで出金できない代わりに、金利が高く設定されています。

また、多くの金融機関では、定期預金を融資やビジネスローンの担保として利用できます。資産運用や資金調達を有利に進めることが目的なら、外貨定期預金が適しています。

一方、外貨普通預金は、日本円を外貨に換金して普通預金に預け入れることです。こちらも一般的な普通預金と同様に、資金移動のしやすさが魅力です。

外貨定期預金に比べて金利は低めですが、自由に預金の出し入れが可能なうえに、外貨預金としてのメリットも得られます。海外進出や貿易取引など、事業用途の資金を預け入れるケースが一般的です。

なお、金融機関によっては、上記以外の外貨預金商品を提供している場合があります。預金種別によってメリット・デメリットが異なるため、用途にあった預金種別を選択してください。

通貨種別

法人における外貨預金の、一般的な預け入れ可能な通貨は、以下のとおりです。

  • 米ドル
  • イギリスポンド
  • ユーロ
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • スイスフラン

預け入れ可能な通貨は、金融機関や外貨預金の種類によって異なります。たとえば、南アフリカランドや人民元、トルコリラなどは、外貨普通預金でのみ預け入れ可能とされていることがあります。

マイナー通貨で外貨預金を利用する場合は、金融機関の公式サイトで預け入れ可能な通貨を調べておきましょう。

法人が外貨預金をするメリット

法人が外貨預金をするメリット

ここでは、法人が外貨預金を利用するメリットを紹介します。

高金利や為替差益を期待できる

法人が外貨預金をすることで、金利や為替による利益が期待できます。

外貨預金の通貨によっては、日本円よりも高金利な場合があります。例えば、豪ドルで0.4%前後、南アフリカランドに至っては1%超えの金利で提供しているところもあるのです。こうした通貨へ交換して預金することで、日本円の預金よりも多くの金利を受け取れるでしょう。

また、預金を引き出す際には、通貨の価値変動による為替差益が期待できます。たとえば、1米ドル100円の時に100万円(=10,000米ドル)を預け入れたとします。その後円安が進み、1米ドル150円のタイミングで全額引き下ろすと、150万円(10,000米ドル×150円)が得られます。

預け入れ時と引き下ろし時の差額である、50万円が為替差益です。通貨間の金利差や為替による利益が期待できるのは、外貨預金ならではのメリットです。

為替変動のリスクヘッジになる

法人が外貨預金をすると、為替変動のリスクヘッジにつながります。通貨の価値は日々さまざまな要因によって変動しています。

もし日本円しか持っていない状態で円安が加速すると、資産価値が目減りします。一方、外貨預金で他国の通貨を保有しておくことで、日本円の為替変動によるリスクを回避できます。

特に、海外の企業との取引が多い場合は、為替変動による影響が大きいでしょう。そのため、取引先が多い国の通貨を保有しておくことで、為替変動のリスクを最小限に抑えられます。

法人が外貨預金をするデメリット

法人が外貨預金をするデメリット

次に、法人が外貨預金をするデメリットを紹介します。

元本割れのリスクがある

外貨預金で注意すべきなのが、円高による元本割れのリスクです。前述の為替差益とは反対で、円高が進むと、預けたお金の価値が目減りし、為替差損を生みます。

たとえば、1米ドル100円の時に100万円(=10,000米ドル)を預け入れ、円高によって1米ドル90円になったとします。このタイミングで全額を引き下ろした場合に手元へ来るのは、90万円(10,000米ドル×90円)です。預け入れた際と比較して、10万円の損失になります。

なお、円高が進んでも、預金を引き出さなければ、含み損として残り損失が確定しません。しかし法人の場合は、会社や事業の状況によって緊急で現金が必要になるケースもあります。場合によっては、含み損を抱えているタイミングで損失を確定させなければならないため注意が必要です。

為替手数料がかかる

外貨預金では、日本円をほかの通貨に換金するため、入出金時に為替手数料が発生します。為替手数料は金融機関が定めるレートに反映されており、入出金時に差し引かれる仕組みです。

金融機関が定めるレートには以下の2種類があり、これらに為替手数料が反映されています。

  • TTSレート:日本円を外貨に換金する時のレート
  • TTBレート:外貨を日本円に換金する時のレート

そのため、仮に為替変動が少ない場合、入出金によって手数料分が損失になる可能性があります。為替手数料は金融機関によって異なるため、金利も考慮しつつ手数料が安いところを選ぶと良いでしょう。

預金保険制度の対象外になる

預金保険制度とは、万が一金融機関が破綻した際に、預金額の一部またはすべてを預金保険機構が保護する仕組みのことです。決済用預金や一般預金は保護の対象とされていますが、外貨預金は預金保護制度の対象外です。

仮に金融機関が破綻した際には、預金保険機構の保護が受けられず、破綻金融機関の財産状況に応じて元本が支払われます。最悪の場合、預金の全額を失うリスクもあるため、破綻リスクの少ない信用のある銀行を選択する必要があります。

法人が外貨預金をする際にかかる税金は?

法人が外貨預金をする際にかかる税金

法人が外貨預金をする際の税金には、「利息に対する税金」と「為替差益に対する税金」の2種類があります。

利息に対しては、復興特別所得税を含めた15.315%が源泉徴収されます。また、確定申告により控除が可能です。為替差益は、法人税の課税標準に含まれるため、法人税の確定申告が必要です。

外貨預金におすすめの法人口座はどこ?

以下では、外貨預金を提供する主な店舗型銀行とサービス内容を比較しています。

店舗型銀行(外貨普通預金)取り扱い外貨数金利(米ドル)為替手数料(米ドル)
三菱UFJ銀行25通貨0.01%インターネットバンキング:25銭
窓口:1円
みずほ銀行6通貨0.01%1円
三井住友銀行19通貨0.01%インターネットバンキング:50銭
窓口・電話:1円
りそな銀行15通貨0.01%1円
SBI新生銀行記載なし記載なし記載なし

取り扱い外貨が多いのは、三菱UFJ銀行です。米ドルやイギリスポンドのほかに、人民元やシンガポールドルなど、近年経済発展している国の通貨も取り扱っています。また、米ドルの為替手数料が安く設定されている点も魅力です。

次に、外貨預金を提供する主なネット銀行とサービス内容を比較します。

ネット銀行(外貨普通預金)取り扱い外貨数金利(米ドル)為替手数料(米ドル)
GMOあおぞらネット銀行8通貨0.31%5銭
住信SBIネット銀行9通貨0.31%6銭
楽天銀行6通貨0.01%1円
PayPay銀行9通貨0.50%5銭

特に外貨預金に適しているのは、GMOあおぞらネット銀行です。取り扱い外貨数はそれほど多くないものの、米ドルの金利が比較的高いうえに、為替手数料が安く設定されています。

なお、ネット銀行の外貨預金は、店舗型銀行よりも高金利な傾向にあります。法人の資産運用を目的として外貨預金をする場合は、ネット銀行を選択すると良いでしょう。

法人の余剰資金を上手に活用するその他の方法

余剰資金を活用する別の方法

外貨預金以外にも、法人の余剰資金を運用する方法は存在します。具体的には、主に以下4つの方法がおすすめです。

  • 債券投資:国や企業に資金を貸し出し、一定の利息を受け取る方法
  • 投資信託:専門家が株式や債券などに分散投資を行う金融商品
  • 不動産投資:不動産に投資し、賃貸収入や資産価値の上昇による収益を得る方法
  • 株式投資:株式を購入し、配当や株価の上昇によるキャピタルゲインを狙う投資方法

一般的にリスクが低いと言われているのは、債券投資と投資信託です。債券投資は、利息によって利益をあげる方法のため、比較的安定した収入が期待できます。

投資信託は、信託会社に依頼して分散投資を行ってもらう方法です。ノウハウを持った専門家が運用するため、経済・金融の知識がない状態からでも始めやすい点がメリットです。

ただし、いずれも投資であり、少なからずリスクがあります。余剰資金を運用する際は、デメリットにも着目して慎重に取り組みましょう。

まとめ

本記事では、法人が外貨預金をするメリット・デメリットを紹介しました。外貨預金では、高金利や為替変動による利益やリスクヘッジが期待できます。

しかし、入出金時に手数料がかかったり、為替差損が発生したりするリスクもあるため注意が必要です。なお、外貨預金を提供する金融機関は数多くあり、それぞれで金利や取り扱い外貨が異なります。

各金融機関の特徴を把握し、自社のニーズに合った法人口座で外貨預金をしてみてください。

以下の記事では、外貨預金におすすめの法人口座を比較しています。ぜひ、銀行選びの参考になさってください。

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。

https://virtualoffice1.jp/

この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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