アパレルで起業するには?資金調達からブランド立ち上げまでを徹底解説!

[投稿日]2024年02月22日 / [最終更新日]2024年10月11日

アパレルで起業するには?資金調達からブランド立ち上げまでを徹底解説!

「好きな服を自分でデザインして、多くの人に届けたい」「自分のセンスで、新しいファッションを広げたい」そんな思いで、アパレル起業を目指す人は多いことでしょう。しかし、アパレル業界は競争が激しく、成功するのは簡単ではありません。資金調達やブランドの企画、商品開発、マーケティングなど、さまざまな課題を乗り越える必要があります。

本記事では、アパレルでの起業に必要なすべてを徹底解説します。

アパレルブランドとは

アパレルブランドとは、独自のファッションコンセプトを持つ商品を制作し、販売を行う企業や個人のこと

アパレルブランドとは、独自のファッションコンセプトを持つ商品を制作し、販売を行う企業や個人のことです。ファッション業界の進化とともに、アパレルブランドは多様化しており、消費者の個性的なニーズに応える重要な役割を果たしています。

最新の「電子商取引に関する市場調査」によると、日本のアパレル関連のEC市場は、コロナ禍の影響を受けて急速に成長しました。日本国内のBtoCのECにおける衣類・服飾雑貨市場が前年比5.02%増の約2兆5,499億円に達し、ECの普及率も21.56%を記録しています。さらに、国際間のEC市場も拡大を続けており、中国・米国の消費者による日本事業者からの購入額は、それぞれ中国が約2兆2,569億円、米国が約2兆7,499億円と増加しています。

アパレルブランドを起業するメリット

アパレルブランドを起業するメリット

アパレル業界での起業は、自身の独創性を形にする大きなチャンスです。独自のブランドを立ち上げることで、自分だけのデザインやアイデアを形にし、消費者に直接届けられます。これは、個人の創造性を最大限に活かし、独自のファッションを市場に出す良い機会です。

ここではアパレルブランドを起業するメリットを紹介します。

特に資格や許可が必要ない

アパレルブランドを立ち上げるために、特定の資格は必要ありません。重要なのは、ファッションへの深い情熱、市場理解、ビジネスセンスの3つです。これらは特別な資格よりも、実践的な経験や自己啓発を通じて磨かれるといえるでしょう。

具体的な法的要件としては、事業登録のみが必要で、そのための資格は問われません。個人事業主として活動する場合、開業届けの提出で公式にビジネスを開始できます。

取り扱える商品の幅が広い

アパレルブランドの立ち上げにおいて、取り扱える商品の範囲が広いことが大きなメリットです。起業者は自由に製品を選択し、市場のニーズに合わせて柔軟に対応できます。洋服だけでなく、帽子、靴、アクセサリー、バッグ、などさまざまな商品を取り扱うことが可能です。

ネットショップであれば店舗が必要ない

アパレルブランドの立ち上げをネットショップで行うなら、実店舗は不要です。場所や時間にとらわれずに販売できるため、初期費用やランニングコストを抑えることができ、小規模でも始められます。

ネットショップで成功を収めるためには、しっかりとした商品のデザインや製造、マーケティングが重要です。ターゲット層を明確にし、そのニーズに合った商品を展開しましょう。SNSやWeb広告など、さまざまなマーケティングを活用して商品を認知してもらうことが大切です。

アパレル起業を成功させるためのポイント

アパレル起業を成功させるためのポイント

アパレル起業を成功させるためには、ビジネス戦略、マーケティング、デザインスキル、そして適切な準備が必要です。ここではアパレル起業を成功させるためのポイントについて解説します。

ビジネス開始のための資金を確保する

アパレル起業を成功させるためには、ビジネス開始のための資金が必要です。資金を確保するためには、自己資金のほか、融資やクラウドファンディングなどを活用することも検討しましょう。

また資金を有効に活用するために、事業計画を作成し、資金の流れをしっかりと把握しておくことが大切です。

仕入れや製造ルートを確保する

アパレルブランドは、商品のデザインや販売だけでなく、仕入れや製造もポイントです。仕入れや製造がうまくいかなければ、商品を販売することができず、事業が継続できません。

仕入れや製造ルートを確保することで、商品の品質や価格をコントロールでき、品質の高い商品を適正な価格で販売できます。消費者の満足度を高め、売上を伸ばすことにつながるでしょう。

商標登録を忘れない

アパレルブランド立ち上げの際は、商標登録が必要です。商標登録をすることで、自社のブランドを保護し、ブランドの認知度を高めます。

申請には、以下の費用がかかるので、事前に確認しておきましょう。

【商標登録にかかる費用】
出願料:3,400円+(8,600円×区分数)
登録料:32,900円×区分数
※書面で提出した場合の電子化手数料:2,400円+(800円×書面のページ数)
引用元:初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~ | 経済産業省 特許庁

実店舗を作る・ECサイトを構築する

アパレルブランドの成功には、ECサイトの構築が重要です。デジタル化が進む現代において、ECサイトは顧客と直接つながる重要な手段になります。2021年の経済産業省のデータでは、アパレル関連のEC市場が前年比9.35%増加し、市場規模は2兆4,279億円に達したことが示されており、オンライン市場での急成長が明らかになりました。

実店舗とECサイトの適切な組み合わせは、ブランドの魅力を最大限に引き出し、さまざまな消費者のニーズに応えられます。実店舗では商品の質感やフィット感を直接体験でき、ECサイトでは24時間いつでも手軽にショッピングを楽しめます。アパレルブランドが市場で目立つためには、両方を上手に活用する戦略が必要です。
参考:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)

アパレルブランドを起業するまでにやること

アパレルブランドを起業するまでにやること

アパレルブランドを起業するまでには、市場調査、ビジネスプランの策定、資金調達、製品開発、ブランドの構築など、一連の重要なステップを踏む必要があります。ここではアパレルブランドを起業するまでにやることについて解説します。

①ブランドの方針をかためる

アパレルブランドを起業するときには、ターゲットユーザーの定義、ブランドの市場における立ち位置の決定、ブランドの特性の定義など、ブランドの方向性を明確にすることが重要です。ブランドの方向性を明確にすることで、社内外の人に自社の商品やサービスには他社とは異なる魅力があるとアピールできます。

ブランドが確立されることにより価格競争に巻き込まれず、高い利益率を維持しながら事業運営が可能です。

②開業資金を準備する

アパレルブランドを開業するとき、最初の大きな課題は資金調達です。実店舗の開業からWebショップの運営まで、初期段階でかかる費用は多岐にわたります。

金融機関からの融資を受ける場合、詳細な事業計画の提出が必要です。事業の目標や資金の使途、将来の収益予測などを明確に示しましょう。自己資金を活用する場合、万全の資金計画が必要で、ビジネス以外の生活費も考慮し、資金の余裕を確保しなければなりません。

実店舗の開業費用は店舗の契約から内装、備品購入まで、開業には約1,000万円の投資が見込まれます。最初から高額な投資をするリスクを避け、小規模なフリマやポップアップストア、ネットショップからスタートし、徐々に規模を拡大する計画が賢明です。アパレルブランドの開業に際しては、慎重かつ計画的な資金調達と投資戦略が成功のカギとなるでしょう。

③開業手続きをする

アパレルブランドを起業するとき、まずは税務署への開業届の提出から始めましょう。また、青色申告の承認を受けるためには、青色申告承認申請書の提出が必要です。ただし、青色申告承認申請書の提出は開業届と同時に行う必要はありません。青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに提出しましょう。

会社として設立する場合、法務局への登記が必須です。商号の決定や定款の作成などの前準備が必要で、登記申請までの期間は事業の規模や準備の進行状況によります。

アパレルブランドを立ち上げる際に、ビジネス運営上の合法性を確保し、税制上のメリットを受けるためには、適切な手続きが必要です。
参考:A1-8 所得税の青色申告承認申請手続|国税庁

④商品を仕入れ・製造する

アパレル業界で差をつけるには、効率的な商品調達と販売戦略が重要です。仕入れと販売の方法には、メーカー・卸売業者から商品を仕入れて、自社ブランドタグへ付け替える、自社でオリジナル商品を製造・販売するなどの方法があります。

【メーカー・卸売業者から商品を仕入れる方法】

  1. 国内外の問屋や展示会を利用し、商品を仕入れる
  2. 自社ブランドのタグを付けて再販売


上記の手段は生産コストの節約、製造工程の短縮ができますが、価格競争が激しくなる傾向にあるため適切な在庫管理と品質チェックが重要です。

【自社でオリジナル商品を製造・販売する方法】

  1. 信頼できる製造工場を選び、パートナーシップを確立
  2. ブランドのコンセプトに基づいた商品イメージを具体化
  3. 商品の細部にわたるデザイン要素を綿密に計画
  4. 製造工場への指示書を明確に作成
  5. 商品の質とスタイルに合った生地や素材を選定
  6. 製造工程を具体的に指定する指示書を作成
  7. 商品の型紙を作成し、サンプル製造を行う
  8. コストを見積もり、最終的に生産を発注


オリジナル商品の製造は、ブランド価値を高め、市場での差別化を図ります。デザインの知識や経験、製造プロセスの管理が必要となるので、十分な計画と準備が必要です。

⑤洗濯表示ネームを取りつける

アパレルブランドを始める際には、洗濯表示ネームを取りつけなければなりません。洗濯表示ネームは、衣類のお手入れ方法や素材情報を消費者に伝えるためのものです。適切な洗濯表示ネームがなければ、製品の信頼性が損なわれ、消費者とのトラブルの可能性が高まります。

日本では、「家庭用品品質表示法」に基づき、衣類に洗濯ラベルの記載が法的に義務付けられています。法律に従い、衣類の洗濯ラベルに以下の情報を表記しましょう。

  • 繊維・素材の内容
  • 洗濯・アイロンの取り扱い指示(洗濯絵)
  • メーカー情報と連絡先
  • 製造国
  • 注意事項を含む追加情報


洗濯表示ネームを適切に表示しない場合、法律違反となり罰金を科されます。消費者の安全と製品の品質保証のために重要な規制です。
参考:家庭用品品質表示法とは | 消費者庁

⑥商品やショップの宣伝活動をする

商品やショップの宣伝活動は、アパレルブランドの成功にとても重要です。効果的な宣伝方法を以下にまとめました。

  • SNSマーケティング:広範囲のリーチが可能で、特に若年層に効果的
  • Webサイト開設:ブランドのオンラインプレゼンスを確立
  • オンライン広告:ターゲット市場への焦点を当てた広告戦略
  • ポスターやチラシ:地元市場へのアピールに有効
  • 地元エリアのポスティング:実店舗がある場合に地元顧客へのダイレクトなアプローチ

上記の宣伝方法を組み合わせることで、ブランドの知名度を高め、売上向上に貢献できます。オンラインとオフラインの両方を活用すると、より幅広い顧客層へのアプローチができるでしょう。

特に現代のアパレルビジネスでは、SNSの活用は必須です。無料でアクセス可能で、広範囲のターゲットの顧客にアピールできるため、新たにブランドを立ち上げるときには、積極的にSNSを活用することをおすすめします。

アパレルブランド商品を販売する方法

アパレルブランド商品を販売する方法

アパレルブランド商品を販売するには、ファッションに関する知識やマーケティングに関する知識、ビジネスに関する知識が必要です。また、資金調達やブランドコンセプト、商品開発、マーケティングなど、さまざまな準備をしなければなりません。

ここでは、アパレルブランド商品の主な販売方法について解説します。

Webショップを開設する

アパレルブランドを立ち上げるとき、Webショップの開設は革新的な戦略として注目されています。このアプローチは、経済的な観点からも、ブランドの知名度拡大の面からも、大きなメリットです。

Webショップの最大の魅力は、実店舗に比べて初期投資や継続的な運営コストを大幅に削減できることです。オンラインでの販売は、地域や時間の制限を受けず、広範囲の消費者にアプローチできます。ターゲット市場に合わせた効果的なマーケティング戦略を容易に実施でき、SNSやデジタル広告を活用して、ブランド独自の特徴を前面に打ち出したプロモーションが可能です。

フリーマーケットに参加する

アパレルブランドの成長戦略として、フリーマーケットの活用は大きな可能性があります。この方法の最大の魅力は、低予算で直接顧客と交流できる点です。実際に商品を見て触れることで、顧客からの生の反応や貴重な意見を聞くことができます。

フリーマーケットでの成功の秘訣は、ブランドの独自性を発揮することです。他にはないユニークなデザインや、ブランドを効果的に伝えることが求められます。顧客との直接的なコミュニケーションを大切にし、接客スキルを磨くことも重要です。

フリーマーケットは、新しいアパレルブランドが市場に出すための絶好の場所となります。個性を際立たせ、顧客との直接的なつながりを築くことで、ブランドのファン層を広げられるでしょう。

フリマアプリやネットオークションを活用する

アパレルブランドを市場に出すとき、フリマアプリやネットオークションの利用は、特に効果的なアプローチです。フリマアプリやネットオークションなら、高額な店舗運営コストを必要とせずに済みます。これにより、スタートアップのアパレルブランドでも運営コストを抑えつつ、市場へのアプローチができるでしょう。商品の魅力を伝える写真や詳細な説明を掲載することで、顧客への直接的なアピールが行える点も魅力です。

新規ブランドにとって、フリマアプリやネットオークションは、顧客基盤の拡大やブランドの知名度向上に大変役立ちます。

実店舗を開業する

アパレルブランドを立ち上げるとき、実店舗は重要な戦略のひとつです。実店舗は、顧客に直接製品を手に取ってもらい、試着やフィッティングの経験を提供できます。これにより、顧客との直接的な関係を築き、ブランドイメージを強化することが可能です。

しかし実店舗の運営には、家賃や人件費などの運営コストが伴います。店舗の立地や周辺の市場環境による影響も大きいので、これらの要因を十分に考慮しましょう。

アパレル起業に向いているのはどんな人?

アパレル起業に向いているのはどんな人?

アパレル業界での起業は、創造力豊かな思考、市場の深い洞察、実行可能なビジネススキル、さらには冒険心とリーダーシップが必要です。

ここでは アパレル起業に向いている人について解説します。

ファッションが好きな人

アパレルブランドを立ち上げるには、何よりもまずファッションへの深い興味・関心が必要です。

  • 雑誌やオンラインメディアなど、ファッション関連のコンテンツを頻繁にチェックしている
  • 自身のファッションセンスを大切にし、スタイルに個性を反映させる
  • 業界の動向を常にチェックし、ファッション知識を積極的に学び続ける

上記の特徴が自身に当てはまっている場合、ファッション業界での起業が合っている可能性が高いでしょう。

慎重に考えつつも大胆な行動が取れる人

アパレルブランドを起業するときは、慎重に考えつつも大胆な判断ができる人が向いています。

アパレルブランドの起業は、大きなリスクを伴います。商品の企画やデザイン、生産、販売など、さまざまな業務を成功させるためには、慎重な判断が必要です。とはいえ、アパレル業界はトレンドや流行が常に変化する業界なので、新しいトレンドや流行をいち早く取り入れるために、大胆な判断が求められます。

まとめ

アパレル業界での起業は、創造性とビジネスセンスが大切です。成功するためには、市場の理解、ブランド作り、資金調達、そして持続可能なビジネスモデルの構築が必要になります。

アパレルブランドの立ち上げは決して簡単ではありませんが、しっかりと準備をして、成功のポイントを押さえれば実現できます。アパレルブランドを立ち上げたい方は、ぜひ本記事を参考にして、準備を進めましょう。

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参考

参考記事:発送代行サービスとは?メリット・デメリットと業者を選ぶポイント|配送プラットフォーム「ピックゴー」

参考記事:ダイレクトメール(DM)とは?メリットやデメリット、安く出すコツDM発送

この記事の投稿者

バーチャルオフィス1編集部

東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1

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この記事の監修者

株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑

株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役

2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。

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