副業が解禁されたこともあり、起業する方が増加しています。ただ、いざ起業しようにも、「どのようなビジネスモデルを選択すべき?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、起業におすすめのビジネスモデル11選を紹介します。後半では、成功のためのポイントも解説していますので、ぜひご参考ください。
目次
必見!起業におすすめのビジネスアイデア11選
ここでは、以下の事業内容ごとに、起業におすすめのビジネスアイデアを11選紹介します。
- 作業・業務等の代行
- 他社商品・サービスの販売
- 自社商品・サービスの販売・貸与
- サービスの利用権提供
作業・業務等の代行
作業・業務等を代行するビジネスアイデアは、主に以下の2種類に分けられます。ここでは、具体例を挙げながら、各ビジネスアイデアの概要を紹介します。
- 代行サービス(BtoC)
- 受託・代行サービス(BtoB)
1.代行サービス(BtoC)
BtoCの代行サービスは、一般消費者向けに代行サービスを提供するビジネスです。顧客自身では難しい作業を、代わりに行うことで収益を得るビジネスモデルです。
BtoCの代行サービスとして、主に以下のアイデアが挙げられます。
- エアコンの取り付け代行
- お掃除代行
- 家族代行
- 恋人代行
- お買い物代行
- 修理代行
- 育児代行
- 引越し代行
代行サービスの魅力は、自身の得意分野を活かしやすい点です。たとえば、過去にエアコン工事に携わっていた方なら、自身で顧客を集め、エアコン取り付け代行として起業しやすいでしょう。
SNSやWebサイトの発達により、これまで難しいとされていた集客が比較的容易になりました。また、テレビドラマやメディアの報道によって、代行サービス自体の認知度も高まっているため、おすすめの業界です。
従来は多くの初期コストが必要とされていた代行サービスですが、近年では比較的少ない資金で始められます。自身の得意分野を活かしていきたい方におすすめです。
2.受託・代行サービス(BtoB)
BtoBの受託・代行サービスは、企業の困りごとを解消したり、代わりに業務の一部を担ったりするビジネスモデルです。以前と比較して、フリーランスという働き方が定着したこともあり、BtoBの受託・代行サービスが活発化しています。
たとえば、以下のジャンルで企業の業務を代行するケースが多く見られます。
- IT・システム開発
- Webサイト・メディア制作
- イベント企画・運営
- テレアポ・顧客対応
- 会計・財務
BtoCと同様、受託・代行サービスであるため、自身のスキルやノウハウを活かしやすい点が魅力です。また、すでに取引先とのツテがあったり、豊富な実績があったりする場合は、起業直後から大きな収益を期待できるでしょう。
BtoCと比較して、報酬単価も高い傾向にあるため、より大きな売上を目指したい方にはBtoBの受託・代行サービスがおすすめです。
他社商品・サービスの販売
他社商品・サービスを販売するビジネスアイデアには、以下のものがあります。
- 代理店・フランチャイズ
- 仲介
- 転売
3.代理店・フランチャイズ
代理店・フランチャイズは、特定の企業と契約し、販売権利やブランドなどを得て事業を行うビジネスモデルです。厳密には、代理店とフランチャイズは異なり、以下の違いがあります。
代理店 | フランチャイズ | |
契約企業から提供されるもの | 販売権利 | 販売権利 ブランド 経営ノウハウ |
契約企業へ支払うもの | 権利費用 | 加盟 金商品の仕入れ費用 ロイヤリティ |
契約企業からの制限 | 少ない | 多い |
代表例 | 携帯ショップ 保険代理店 広告代理店 旅行代理店 | コンビニ 居酒屋 学習塾 コインランドリー |
いずれも、需要のある既存商品・サービスを販売できる点が特徴です。自社で商品やサービスを構築する必要がないため、短期間で売上を作れます。
また、フランチャイズの場合は、本部のブランドやノウハウを利用できる点が魅力です。本部のサポートが手厚い場合、経験やノウハウが少ない方でも起業しやすいでしょう。
ただし、契約企業へ支払う権利費用やロイヤリティが発生する点に注意が必要です。売上によっては、これらの費用が利益を圧迫する恐れがあります。
4.仲介
仲介とは、両者の間を取り持つことで収益を得るビジネスモデルです。たとえば、以下のような事業が仲介に該当します。
- 不動産仲介
- 人材派遣
- 転職サイト
- M&A仲介
- 卸売
- 介護サービス仲介
- 結婚相談所
基本的に、クライアントが求める顧客を紹介し、契約にいたることで報酬が発生します。報酬単価は、業種によって異なり、不動産や人材、M&Aなど、ビジネスに関連するものほど高額な傾向にあります。
なお、あくまでも両者の橋渡しによって収益を得るビジネスモデルのため、仕入れコストがかかりません。また、小規模であれば少ない人員で運営でき、利益率を高めやすい点がメリットです。
ただし、集客力が事業の収益に直結するため、事業が軌道に乗るまでに多くの時間がかかるでしょう。また、大手の競合も多いことから、緻密な事業戦略が求められます。
5.転売
転売は、商品を安く仕入れて利益を上乗せして再販することです。扱う商材は多岐に渡り、日用品や家電、美容グッズなどさまざまです。
転売では、すでに流通している商材を扱うため、再販価格の相場が形成されているケースが多いです。そのため、基本的には仕入れ価格をコントロールできれば、安定して収益を上げられます。
なお、転売から派生して、輸入業やOEM、製造・販売など、類似ビジネスへ移行しやすい点も魅力です。ただし、転売で大きな収益を得るには、資金力が欠かせません。
仕入れコストはもちろん、在庫の保管場所を確保したり、物流を構築したりするのにもコストがかかります。また、商品が売れるまでは資金を得られないため、キャッシュフローが圧迫される恐れがあります。
仕入れ・販売・流通と幅広い領域を担うため、事業を拡大するには相応の知識や経験が求められます。
自社商品・サービスの販売・貸与
自社商品・サービスを販売・貸与するビジネスモデルには、以下のものがあります。
- 自社ブランド商品
- 無形商品
- 不動産
6.自社ブランド商品
自社ブランド商品とは、文字どおり、自らブランドを確立して商品を販売していくビジネスモデルです。販売する商品は、自分で製造するだけでなく、外部の企業に製造を委託し、ブランドロゴをつけて販売する方法もあります。
「自分で製造」と聞くとハードルが高く感じますが、カバンやアクセサリーのハンドメイドもこれにあたります。製造受託を専門に行う企業も存在するため、商材によっては比較的容易に自社ブランド商品を開発できます。
自社ブランド商品の販売では、自分の好きな商材・得意ジャンルで事業ができる点が魅力です。また、マーケティングや販売を得意とする場合は親和性が高いでしょう。
ただし、自社ブランド商品を販売していくまでに、多くの時間と手間がかかる点に注意が必要です。商品の準備はもちろん、販売先の確立や広告宣伝など多くの課題があります。
課題1つ1つへの対処法を模索し、事業を進めていくと良いでしょう。
7.無形商品
無形商品は、物理的な形のない商品を扱う事業です。たとえば、以下の商材が挙げられます。
- 情報商材
- 教育教材
- アプリ
- NFT
- 画像・写真
無形商品を扱うビジネスモデルは、商品の仕入れ・作成〜販売をインターネット上で完結できます。そのため、初期費用やランニングコストを抑えやすく、高い利益率を確保できます。
また、インターネット上で売れる仕組みを構築できれば、その後少ない労力で収益を得られる点も魅力です。たとえば、商品を販売するためのWebサイトを立ち上げ、一定のアクセスを確保できれば、自分が稼働していない間にも商品が売れていくでしょう。
ただ、無形商品はインターネットでの販売に特化している分、仕組みの構築までに時間がかかります。コストがかからない一方で、収益化までに多くの時間と労力がかかる点に注意が必要です。
8.不動産
不動産を活用したビジネスモデルとして主流なのは、不動産賃貸です。たとえば、マンション物件の賃貸や駐車場のレンタルなどです。
不動産は立地に左右されやすく、都市部など需要が高い場合は、大きな収益が期待できます。また、すでに不動産を保有している場合、基本的に少ないコストで事業を行えます。
ただし、借主が見つからないと収益が得られない点に注意が必要です。仲介会社を利用したり、立地によっては不動産売買を検討したりすると良いでしょう。
サービスの利用権提供
サービスの利用権を提供するビジネスモデルには、主に以下の3つがあります。
- レンタルサービス
- サブスクリプション・会員制サービス
- プラットフォームサービス
9.レンタルサービス
レンタルサービスは、事業者が用意した物品を貸し出して収益を得るビジネスモデルです。物を持たないミニマリストというライフスタイルが注目されたことで、レンタルサービスの需要が高まっています。
レンタルサービスで貸し出すものとして、主に以下が挙げられます。
- 洋服・靴
- 本・マンガ
- 家具・家電
- ブランド品
- 自動車
レンタルサービス業を営むには、貸し出す物品をそろえるために多くの初期費用がかかります。ただし、一度物品を揃えれば中長期間運用できます。
ランニングコストは、プラットフォームの運営費と物品のメンテナンスコストなどで済むため、比較的収益性の高いビジネスモデルと言えます。また、仕組み化により業務を自動化しやすい点も魅力です。
10.サブスクリプション・会員制サービス
サブスクリプション・会員制サービスは、顧客から定額料金をもらい、商品・サービスを提供するビジネスモデルです。一般的なもので言えば、動画配信サービスやサロン運営などが挙げられます。
近年では、通常の販売形態から派生して、お肉のサブスクやお酒のサブスクなどを提供する事業者もあります。このビジネスモデルは、収益が安定しやすく、正確な予測を立てやすい点が魅力です。
基本的には、「単価×顧客数」で月の収益が予測できます。一度顧客として定着すると、解約のリスクが減るため、顧客数を比較的高精度に予測できます。
もちろん、顧客の獲得にはさまざまな課題がありますが、事業が軌道に乗ったあとに安定して運営しやすいのは、このビジネスモデルならではの魅力です。
11.プラットフォームサービス
プラットフォームサービスは、主にインターネット上にプラットフォーム(場所)を構築するビジネスモデルです。主に、以下のようなものが挙げられます。
- マッチングサービス
- 掲示板
- ECモール
- SNS
- 比較サイト
プラットフォームサービスの魅力は、特定ニーズ・属性のユーザーを囲い込める点です。ユーザーを厳選することで、広告や商品販売の効果を最大化できます。
たとえば、ビジネス関連のマッチングサービスであれば、利用するユーザーはほとんどがビジネスパーソンです。そこに転職や資産運用の広告を出稿すれば、高い効果が期待できるでしょう。
プラットフォームサービスは構築と維持に手間がかかるものの、うまくユーザーを囲い込めた場合に大きなリターンが期待できます。
起業のやり方は3種類ある
これまで、起業におすすめのビジネスアイデアを紹介してきましたが、これらを実行するための方法にはいくつか種類があります。具体的には、以下3つの起業形態があります。
- 副業
- 個人事業主
- 法人
ここでは、各起業形態の概要とメリット・デメリットを紹介します。
副業
本業とは別に、副業として起業する方法があります。この方法では、出勤前や帰宅後、休日などの空き時間を活用して事業を行います。
慣れるまでは作業時間の確保が難しいものの、本業の給料にプラスして収益が期待できる点がメリットです。仮に起業一本でいく場合、収益がなければ生活費を工面するのが困難です。
副業であれば、本業の給料をもらいながら事業を始められるため、生活の心配をする必要がありません。また、「副業が軌道に乗り、必要資金を貯めてから独立」という比較的安定した方法をとれるのも、副業起業ならではの魅力です。
ただし、副業で起業する場合は、作業時間の確保が大きな課題です。本業のかたわら、事業を進めなければならないため、常に作業効率を高めていく必要があります。
なお、勤め先によっては副業を禁止している場合もあるため、起業する前に労働契約を確認しておくと良いでしょう。
個人事業主
個人事業主は、法人を設立せず、個人で継続的かつ反復して事業を行う人のことです。広義では、副業も個人事業主に該当しますが、ここでは本業として事業を行う者を個人事業主と定義します。
個人事業主として起業する場合、副業よりも多くの作業時間を確保できます。その分、事業に専念しやすく、軌道に乗るまでの期間を短縮しやすいでしょう。
また、個人事業主は、会社名のような屋号をつけられます。屋号を使うと、個人名で事業をするよりもビジネス感が強く、取引先や顧客からの信用力を高めやすいです。
ただし、税金や会計に関する知識が求められる点に注意が必要です。基本的には確定申告や税金の支払いが必要なため、これらに関する正しい知識を身につけていく必要があります。
なお、業種によっては法人でなければできない事業が存在します。事業内容を決める際には、関連法や許認可について調べ、個人事業主でも始められるかを確認することが重要です。
法人
法人は、法人登記を行い、法律上の人格が認められた組織のことです。代表者が事業の意思決定をする点は個人事業主と同様ですが、法人は代表者と別人格として扱われます。
そのため、銀行口座やクレジットカードは代表者名ではなく、法人として作成します。法人は個人事業主よりも信用力や自由度が高い傾向にあります。
特に、信用力は顧客との関係を構築するうえで欠かせない要素のため、事業をより有利に進めたい方には法人がおすすめです。ただし、法人登記に多くのコストや手間がかかる点に注意が必要です。
株式会社では約30万円、合同会社でも約10万円の登記費用がかかります。また、定款や実印の作成や資本金の払込など、手続き面が煩雑なため、事業開始までに時間がかかるケースがほとんどです。
起業のハードル自体が高いため、起業形態を選ぶ際は慎重に選択してみてください。
起業で成功するためのポイント
もちろん、起業で必ず成功する方法は存在しません。ただし、以下のポイントを押さえることで、失敗のリスクを抑えて事業の成功率を高められます。
- 明確な目的を持つ
- 市場分析を入念に行う
- スモールスタートをする
- ランニングコストを最小限に抑える
明確な目的を持つ
起業するうえで特に重要なのが、明確な目的を持つことです。具体的には、「何のために起業し、どのような目標を達成するのか」を設定します。
目的が明確だと、そこから逆算してさまざまな計画を立てられます。たとえば、起業して5年後に年収1000万円を達成という目標があれば、実現のために必要な道のりが把握しやすいでしょう。
また、事業を続けていくと、時にはスランプやモチベーションの低下に悩まされる場合があります。この時、揺るぎない起業の目的があると、自分を鼓舞して行動しやすくなります。
目的があれば、不要な失敗を防ぎ、モチベーションを高めやすいため、起業前に必ず明確にしておきましょう。
市場分析を入念に行う
起業前のビジネスモデル構築では、入念に市場分析をすることが重要です。市場分析では、特定の業種や市場の現状を分析し、将来的な動向を予測します。
たとえば、どの程度の需要が見込まれるのか、競合にはどのような事業者がいるのか、法令制度の改正による影響はあるかなどが分析対象です。市場を入念に分析しておくと、リスクを回避し、成功率の高い事業戦略を策定しやすくなります。
市場分析の内容によっては、多くの時間がかかりますが、起業の成功率を上げるためにもぜひ取り組んでみてください。
スモールスタートをする
起業の成功率を上げるには、できるだけ初期コストを抑えたスモールスタートがおすすめです。これは、リスクを最小限に抑えながら、事業の検証と改善を繰り返しやすくするためです。
一般的に、事業が軌道に乗るまでには、多くの失敗をするでしょう。失敗の程度によっては、損失が生じるかもしれません。
しかし、初期費用を抑えて小さく始めておけば、失敗による損失を最小限に抑えられます。これにより、多くのトライアンドエラーを繰り返せるため、事業の成功率を高められます。
起業では、ついつい大きな初期投資をしがちですが、可能な限りムダを削り、スモールスタートを徹底してみてください。
ランニングコストを最小限に抑える
先ほどの内容に付随して、ランニングコストも最小限に抑えることが大切です。理由は同じで、起業直後の不安定な時期に事業の検証と改善を繰り返しやすくするためです。
また、1つ付け加えると、ランニングコストを抑えることで利益率が上がり、収益性が高まります。同じ売上でも利益率を高めることで利益を拡大できるため、事業のランニングコストは最小限に抑えるに越したことはありません。
比較的削減しやすいランニングコストとして、以下のものが挙げられます。
- 事務所・店舗の賃料
- 光熱費やインターネット代
- 事業で使う備品などの消耗品費
事務所・店舗の賃料は、人件費に次いでコストの比重が大きな項目です。ただし、立地や広さなどの条件面を下げることで、比較的容易にランニングコストを抑えられます。
また、レンタルオフィスやバーチャルオフィスなどを利用することで、月々のコストを大きく削減できます。事業内容にあわせてこれらの選択肢も検討してみてください。
まとめ
本記事では、起業におすすめのビジネスモデルを紹介しました。ビジネスモデルを選ぶ際は、収益性のみならず、自身の経験やノウハウを活かせるものを選択しましょう。
また、企業では、ついつい大きく事業を始めがちですが、初期費用やランニングコストを抑え、スモールスタートをすることが大切です。本記事で紹介したビジネスモデルを参考に、ぜひ自分に合った事業に挑戦してみてください。
弊社「バーチャルオフィス1」では、事業用の住所を880円~で借りられるバーチャルオフィスサービスを提供しています。これから起業をする方で、スモールスタートを検討している方は、ぜひ活用してみてください。
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。
この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
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