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バーチャルオフィスの代表的なトラブル事例はなんですか?
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バーチャルオフィスのトラブル事例として、運営会社の倒産、解散、縮小により契約解除を余儀なくされたり、バーチャルオフィスの住所に犯罪歴があったりなどが挙げられます。
バーチャルオフィスを契約する前に、運営元をしっかりと調べておくことがポイントです。
在宅を拠点に事業をはじめたいときや、初期コストを削減しながら起業したいときなどに有益なバーチャルオフィス。自宅住所の代わりに記載できたり、賃貸よりも圧倒的に安い価格で借りられたり、メリットの多いサービスですが、契約時・運用時にはトラブルに巻き込まれないよう注意も必要です。
当ページではバーチャルオフィスで起こりうるトラブルとその対策について解説していきます。
目次
バーチャルオフィスのトラブル事例と対策を紹介
バーチャルオフィスを利用する前に、起こりうるトラブル事例を頭に入れておくことで、事前に対策ができるようになります。
バーチャルオフィスに限らず、どんなサービスでも一定のリスクはつきものです。少しでもリスクや被害を抑えられるように知識を身につけていきましょう。
ここでは、バーチャルオフィスで起こりうるトラブル事例と対策を種類ごとに紹介します。
住所・電話番号の記載に関するトラブル
まずは、バーチャルオフィスで借りた住所や電話番号の記載に関する以下のトラブルを紹介します。
- バーチャルオフィス運営会社の倒産、解散、縮小
- 借りていた住所の建物名が変わってしまった
- バーチャルオフィスの住所に犯罪歴があった
- 複数のバーチャルオフィス運営会社が同じ住所を利用していた
- 同じ会社名があったために登記ができなかった
- 電話転送サービスで借りた番号がWeb上に掲載されていた
1.バーチャルオフィス運営会社の倒産、解散、縮小
バーチャルオフィスを運営している会社が倒産したり、事業撤退を決定したりすると、借りていた住所は使用できなくなります。また事業縮小により、契約していた住所の店舗が閉鎖してしまった場合も、住所の利用はできません。
上記いずれの場合も、法人登記、開業届、会社のHP、ネットショップの特定商取引法に基づく表記など、住所を登録・掲載していた場合は、記載を削除して他の住所に変更しなければなりません。とくに法人登記していた場合は、新たに登記費用が発生するため注意が必要です。
バーチャルオフィス事業は一般的に、一定の顧客がつくと固定費を得られるので、経営は安定しやすいといわれています。しかし、その分新規参入も多く、激しい市場競争から撤退・縮小したサービスも少なからずあるので注意しておきましょう。
対策
バーチャルオフィス契約時は、運営会社の事業内容と安定性に着目しましょう。
バーチャルオフィス事業を本業としている運営会社のほうが、本業であるがゆえに事業撤退のリスクは低い可能性があります。「よく耳にする大手企業だから安心」とはいえないため、企業名だけで選ぶのはやめましょう。
また、会社の設立年数や事業の運営年数なども安定性を図るための指標のひとつです。契約前にはバーチャルオフィスサービスの運営会社も確認するようにしましょう。
2.借りていた住所の建物名が変わってしまった
バーチャルオフィスを運営しているほとんどの会社は、自社ビルを建てて住所貸しをしているわけではありません。そのためビルが売買されるなどの外的要因によって、運営会社も意図しないところで建物名が変わってしまうことがあります。
その場合、住所の利用者は各種公開していた住所の変更を行わなければなりません。住所変更に伴う費用を運営会社が負担してくれるとは限らないので、自己負担する前提で念頭に置いておいたほうが良いでしょう。
対策
建物名を含めた住所を利用しつつ、トラブルを回避する近道は、契約前に「名前が変わりやすいビル」を利用しているバーチャルオフィスを避けることです。
投資目的の不動産ファンドによって所有されているビルや個人オーナーが所有する雑居ビルは、建物の名前が変わってしまう可能性が他と比較して高い傾向にあります。
3.バーチャルオフィスの住所に犯罪歴があった
バーチャルオフィスは安価で借りられるため、詐欺などの犯罪目的で悪徳業者に利用されてしまうケースがあります。
バーチャルオフィスの住所は、複数の事業者でともに利用する住所なので、1件でも犯罪歴があると、自分の事業とは関係がなくても、顧客や取引先からの信頼を失う可能性は大いにあり得ます。
対策
バーチャルオフィスを選ぶ際は、悪徳業者による住所利用を避けるために、契約前に事業者の本人確認および審査に力を入れているバーチャルオフィスサービスを選ぶと良いでしょう。
また事業者自身でも、バーチャルオフィスを契約する前に、貸し出している住所に犯罪歴などの怪しい情報がないかどうか、住所名で検索してみましょう。「住所 犯罪」などキーワードを組み合わせながら検索するのがポイントです。
くわえて、明確に犯罪となっていないものの、トラブルを招きやすい情報商材系ビジネスを運営している企業が多数利用している住所、および住所地の建物に入居している場合も、印象が悪くなってしまうため避けるべきでしょう。
4.複数のバーチャルオフィス運営会社が同じ住所を利用していた
同一の住所を複数のバーチャルオフィス運営会社が利用者に貸し出していたことによって、郵便関係のミスや来訪者の混乱を招いてしまう可能性があります。
同一の住所を複数のバーチャルオフィス運営会社が利用すること自体、とくに問題があるわけではありませんが、トラブルを招く可能性があることは念頭においておきましょう。
対策
バーチャルオフィスを契約する前に、住所を検索して調べたり、問い合わせフォームから直接質問したりして、確認するようにしましょう。ただし、一部のバーチャルオフィスは、契約が完了するまで提供する住所を公開しない場合もあります。この場合は、運営会社へ問い合わせて確認してもらうのが確実です。
5.同じ会社名があったために登記ができなかった
稀なケースですが、バーチャルオフィスの住所で法人登記をしようとすると、すでに同じ会社名で登記されているために、法人登記ができない場合があります。これは、商業登記法で定められた「同一商号・同一本店の禁止」によるものです。
複数の企業が、バーチャルオフィス住所を本店所在地として登記しているため、本法律によるトラブルが発生するリスクがあります。
対策
バーチャルオフィスを契約する前に、住所と登記しようとしている商号名を検索するのがおすすめです。ただし、一部のバーチャルオフィスは、契約が完了するまで提供する住所を公開しない場合もあります。この場合は、運営会社へ問い合わせて確認してもらうのが確実です。
6.電話転送サービスで借りた番号がWeb上に掲載されていた
バーチャルオフィスの電話転送サービスで借りた番号は、過去の利用者によってWeb上に公開されている場合があります。こうした電話番号を使用すると、過去に利用していた会社や個人との関係を誤解されたり、間違い電話がかかってきたりする恐れがあります。
もちろん、過去の利用から一定期間を空けて提供されますが、万が一前の利用者がWeb上に公開した情報を削除していない場合は、上記のトラブルに発展する可能性があります。
ただし、バーチャルオフィスに限らず電話番号の再利用は一般的です。近年、電話番号が枯渇しているという事情もあり、まったく新しい番号が発行されるケースというのはあまり多くない点に留意しましょう。
対策
契約前に、バーチャルオフィスの運営会社へ問い合わせて、提供される電話番号がWeb上に掲載されていないかを確認してもらうのが確実です。また、万が一Web上に掲載された電話番号を提供された場合に、変更が可能なのかも確かめておくと良いでしょう。
事業関連サービスの利用・許認可に関するトラブル
続いて、バーチャルオフィスを利用したことで発生する、事業に必要なサービスや許認可に関するトラブルと対応策を紹介します。具体的には、以下3つの事例です。
- 事業の許認可を取得できなかった
- 画像処理をしないと使えない住所だった
- 法人口座開設・融資を受ける難易度が上がった
7.事業の許認可を取得できなかった
バーチャルオフィスを契約して、いざ事業をはじめようと思ったら事業の許認可が得られず、事業を開始できない場合があります。なぜならバーチャルオフィスの住所では、事業開始を認められない業種があるからです。
許認可とは、ある特定の事業を運営する際に必要となる「行政機関からの許可」のこと。無許可で行うと業務停止になったり、罰則に値してしまったりする可能性があるので、経営者なら必ず守らなければならないルールのひとつです。
許認可を得ることが目的である場合には、賃貸オフィスや個別スペースが設けられたレンタルオフィスを契約しましょう。
バーチャルオフィス1では渋谷店にレンタルオフィス(個室プラン)を設置しました。詳細は下記のページをご覧ください。
対策
バーチャルオフィスの住所で、許認可を得られない業種をいくつか紹介します。
- 税理士
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 古物商
- 有料職業紹介業
- 人材派遣業
- 宅地建物取引業
- 金融商品取引業
- 産業廃棄物収集運搬業
- 探偵業
- 風俗業 など
日々法令は変化するため、開業する前に「自分が開業したい事業はバーチャルオフィスの住所を利用できるのか」を認可先に直接問い合わせをするようにしましょう 。
8.画像処理しないと使えない住所だった(テキスト表記不可)
たとえばAmazonや楽天、BASEやSTORESなどのネットショップで販売を行う際、必ず記載を求められる特定商取引法に基づく表記はテキストでしか入力できません。
しかしバーチャルオフィスのなかには、住所を画像処理して記載するよう規定しているサービスもあります。
もし画像処理を求めるバーチャルオフィスだった場合、特定商取引法に基づく表記に住所を表示できないので、事業をスタートさせることができなくなってしまいます。
対策
バーチャルオフィスの契約前に、必ず画像処理の必要がない住所かどうか確認しましょう。
ホームページなどに記載がない場合は、必ずお問い合わせしてくださいね。
9.法人口座開設・融資を受ける難易度がアップ
バーチャルオフィスは、ひとつの住所を複数の事業者で利用することになります。
複数人で利用するからこそ、事業者自身は正当に事業運営していたとしても、詐欺で利用されている住所ではないか、過去に犯罪歴のある住所ではないかなどを確認して、信頼できる住所かどうか見極める対応が必要です。
そのため法人口座開設および融資を行っても大丈夫な事業者なのか、銀行側は慎重に審査せざるを得ません。必然的に審査の難易度は高まると考えられ、場合によっては銀行側からお断りされてしまうケースもあるでしょう。
対策
法人口座開設および融資に関する審査は厳しくなりますが、開設できない、融資を受けられない、というわけではありません。実際にバーチャルオフィス住所を活用しながら法人口座を開設した方、融資を受けられた方の実績は多々あります。
これは、各銀行の方針によって、法人口座や融資の審査基準が異なるためです。一般的に、バーチャルオフィス住所での法人口座開設や融資が可能なのは、ネット銀行や都市銀行です。
一方、多くの信用金庫・組合や、一部の地方銀行は、登記住所における事業実態の有無を重視するため、バーチャルオフィスの住所が原因で法人口座の開設や融資を断る傾向にあります。
なお、法人口座開設や融資の成功率を少しでも高めるには、以下のポイントが大切です。
- 提供されるバーチャルオフィス住所に犯罪歴などの傷がないかを確認
- 必要書類や申請情報を不備なく提出
- 銀行の担当者と面談がある場合は情報をわかりやすく伝える
郵便物転送サービスや料金のトラブル
バーチャルオフィスのトラブルで特に多いのが、郵便物転送サービスと料金に関する事例です。口コミなどを確認しても、これらのトラブルに関する投稿が数多く見られます。ここでは、特に発生しやすい以下7つのトラブル事例と対応策を紹介します。
- 郵便の受取遅れによる業務・支払いの遅延
- バーチャルオフィス運営者による郵便物の誤送
- 社名変更や法人成りによって郵便物が受け取れない・戻ってしまう
- 想定よりも基本料金以外で発生する費用が多い
10.郵便の受取遅れによる業務・支払いの遅延
バーチャルオフィスでは、住所の貸し出しに加えて郵便物の転送サービスも行っている場合が多いです。しかし、一度バーチャルオフィスの住所地を経由してから自身の元に届くので、郵便を受け取るまでにタイムラグが発生してしまいます。
転送頻度はバーチャルオフィスサービスによってさまざまですが、今すぐ確認しなければならない書類、支払いをしなければならない請求書などが届いた場合、受け取りが遅れることで業務に支障が出る可能性は高いでしょう。
対策
受け取りのタイムラグを最小限に抑えるためには、下記4点のサービスがそろっているかどうか確認を行いましょう。
- 郵便物の到着状況を通知してくれるか
- 窓口で郵便物の受け取りができるか
- 月4回以上の郵便物転送が基本サービスに含まれているか(別途有料でかかるサービスは費用が増大しやすい)
- 転送依頼時、即日もしくは翌日発送してくれるオプションがあるか
なかには、郵便物転送サービス自体行っていないバーチャルオフィスもあるので注意が必要です。また転送を受けるために、別途料金が発生するバーチャルオフィスも多々あります。その場合、想定よりも転送コストがかかってしまうため、料金面もチェックしておきましょう。
11.バーチャルオフィス運営者による郵便物の誤送
バーチャルオフィスでは、郵便物の転送をしてくれるサービスを提供しているところも多いですが、「転送」はどうしても「人の手」によって行わなければなりません。
そのためバーチャルオフィス運営者による郵便物の誤送が起きないとは言い切れません。
対策
バーチャルオフィス運営者による郵便物の誤送を回避するには、契約前に口コミを確認しておくと安心です。GoogleマップやXなど、複数のソースから確認することで、サービスの実態をより正確に評価しやすくなります。
なお、バーチャルオフィス運営者による郵便物の誤送を根本から解決する方法として、「来訪者向けの受付システム」を導入しているサービスを選ぶのも効果的です。本システムは、バーチャルオフィス店舗へ来訪があった際、来訪者自らが任意の事業者へ直接連絡を取れるというものです。
たとえば、大きな荷物や本人限定受け取りの荷物などが届いた際、システムを介して配達員が事業者(あなた)に電話をしてくれるので、その場で配送会社へ自宅への転送を依頼できます。つまり、バーチャルオフィス側で郵便物を預かる工程を除外でき、トラブルの発生を根本から防止できます。
バーチャルオフィス1では、タッチパネル式受付システムを導入しています。来訪者がシステムを利用すると、事前に登録した電話番号へ着信がある仕組みになっているので、リアルタイムで郵便物の転送依頼が可能です。
12.社名変更や法人成りによって郵便物が受け取れない・戻ってしまう
社名変更をした、法人成りをしたなど、バーチャルオフィス契約時から状況が変わった際、バーチャルオフィス運営側に伝え漏れしてしまうと、宛先不明と見做され郵便物を受け取れない・戻されてしまう可能性があります。
対策
社名変更したとき、法人成りしたときなど、バーチャルオフィス契約時から状況が変わったら、遅延なくバーチャルオフィス運営側にその旨を伝えて手続きを行うようにしましょう。
バーチャルオフィスを契約する前段階の場合は、電話などの口頭(口約束)で変更手続きができるバーチャルオフィスではなく、会員専用サイトから手続きできるバーチャルオフィスを選ぶのが望ましいです。
バーチャルオフィスは新規参入も多い業界であるため、オペレーションが確立されていないサービスにあたると手続きが滞る可能性があります。会員専用サイトを設けているサービスであれば、一定オペレーションの想定をしたうえでサイト開発に臨んでいるはずなので、手続きが滞るリスクは比較的低くなると考えられます。
13.想定よりも基本料金以外で発生する費用が多い
バーチャルオフィスは住所貸し以外にも、郵便物転送や電話転送などさまざまなサービスを提供しています。主に、住所貸し以外のサービスは、たとえ基本プランに含まれていたとしても、利用回数・時間に応じて別途使用料が発生するため、想定以上に費用が膨らむケースがあります。
たとえば、「住所貸し+電話転送」のプランで契約した場合に、電話の通話時間に応じて別途で通話料金を請求されるなどです。バーチャルオフィスでは、基本料金外での出費もあるため、契約前に料金体系を細かく調べておく必要があります。
基本料金以外で発生する主な費用は、以下のとおりです。
サービスの種類 | 費用項目 |
郵便物転送 | 郵便物転送の郵送料(転送料金) |
スポット転送の手数料 | |
写真で通知する際の手数料 | |
宛名追加 | |
電話転送 | 通話料金 |
フリーダイヤル番号取得 | |
FAX利用オプション | |
FAX受信・転送料金 |
対策
バーチャルオフィスによって料金体系が異なるため、安易に基本料金のみでサービスを選ぶのは危険です。料金面を重視する方は、複数のバーチャルオフィスの料金を細かく比較し、必要なサービスを安価に利用できるものを選択しましょう。
顧客・取引先対応のトラブル
バーチャルオフィスでは、顧客や取引先対応のトラブルも発生します。具体的には、以下3つのトラブルの発生頻度が高い傾向にあります。
- 顧客や取引先がアポなしで訪問してしまった
- バーチャルオフィススタッフの来客受付の対応が悪い
- 緊急電話へ柔軟に対応してくれない
14.顧客や取引先がアポなしで訪問してしまった
事業を運営していると、顧客や取引先がアポなしでバーチャルオフィスの住所に訪問してしまうことがあります。
来訪者は事業者が公開している住所先にオフィスがあると思って訪れるので、あなたが常駐していないことで新規契約の機会損失になったり、信頼性に懸念が生まれたりしてしまう可能性が考えられるでしょう。
とくに契約したバーチャルオフィスが受付のない無人オフィスの場合は、来訪者は「取引しても大丈夫なのか」と疑心暗鬼になってしまう可能性は高いと考えられます。
対策
バーチャルオフィス契約時は突然の来客があると想定して、受付のあるバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。なかには受付スタッフが常駐しているバーチャルオフィスもあるので、受付にまつわるサービス内容まで確認しておくと安心です。
また事業者側も自身のHPに「バーチャルオフィスを活用して事業運営している」旨を記載しておくなど、周知させておくことも大切です。
15.バーチャルオフィススタッフの来客受付の対応が悪い
バーチャルオフィスを借りて事業運営するということは、バーチャルオフィスのスタッフとコミュニケーションを取る機会が発生するということです。事業者自身はもちろん、バーチャルオフィスに来訪した顧客や取引先などがバーチャルオフィスのスタッフとコミュニケーションを取ることもあるでしょう。
その際に、バーチャルオフィスのスタッフの対応が悪いと、業務に支障が出たり、場合によっては顧客や取引先からの信頼を失ってしまう可能性もあります。
対策
バーチャルオフィスを契約する前に、必ず現地に赴いて自身の目で確認をしましょう。スタッフの対応や雰囲気などは、Web上の情報だけでは判断できません。
これから自分の事業拠点として利用する住所ですから、「ただ借りられればいい」という考えではなく、事業主として信頼をおける場所かどうか見極める行動を起こしましょう。
16.緊急電話へ柔軟に対応してくれない
バーチャルオフィスが提供するサービスに、電話秘書代行があります。電話秘書代行とは、事前に登録した電話番号へ着信があった際に、バーチャルオフィススタッフが一次対応をし、発信者の情報や要件をバーチャルオフィスの契約者へ通知するサービスです。
この電話秘書代行で問題となるのが、電話の発信者が緊急を要する重要な問題を抱える場合でも、バーチャルオフィススタッフの一次対応では処理しきれないということです。たとえば、バーチャルオフィスの契約者が提供する商品について、緊急で対応が必要なクレームが入ったとします。
もちろん、バーチャルオフィスのスタッフが一次対応をしますが、あくまでも発信者の情報や要件を伺う程度にとどまります。しかし、電話を発信した側(クレームをする方)からすると、「問い合わせ先へ電話をしたのに、問題の改善に至らない」との不満を抱くでしょう。
結果、バーチャルオフィスのスタッフが、契約者へ発信者の情報や要件を通知しても、すでに手遅れになっているケースがあります。
対策
上記のトラブルを回避するには、問い合わせの緊急度・重要度が高い内容については、別の番号へかけてもらうよう伝えておくのがおすすめです。バーチャルオフィスの電話秘書代行はその仕組み上、契約者の事業内容を把握しないまま一次対応にあたるため、処理しきれなかったり、契約者へ通知する際にタイムラグが生じたりするためです。
電話秘書代行の利用をお考えの方は、問い合わせ内容の緊急度・重要度を考慮して別の窓口を設けると良いでしょう。
トラブル回避に欠かせない!契約前・利用中に気をつけること
バーチャルオフィス利用時のトラブルを避けるために、「これだけ欠かせない!」という契約前・利用中の注意点を紹介します。
事業運営に集中して臨めるように、事前に排除できるトラブルの種は積んでおきましょう。
バーチャルオフィス契約前に確認すべき事項
バーチャルオフィス契約前に、必ず注意して確認しておくべき事項が5つあります。
契約書・利用規約を確認する
バーチャルオフィスによって契約書や利用規約の内容は異なります。
何かあったときに事業者が不利になる記載が書かれていないか、必ず目を通すようにしましょう。特に損害に関する対応や免責事項、損害金の有無、個別の特約は要チェックです。
犯罪歴のない住所かどうか確認する
契約前に住所で検索をかけて怪しい情報が出てこないかどうか、必ず調べましょう。
「住所 犯罪」「住所 ギャンブル」などマイナスイメージを抱くキーワードと組み合わせると検索しやすくなります。
本人確認や審査の有無を確認する
バーチャルオフィス契約時に、事業者の本人確認・審査を行っているかどうか確認しましょう。
eKYC(電子本人確認システム)の導入、事業計画書等の提出が求められるなど、悪徳業者の利用を回避する対応をしているかどうかは重要です。
郵便物の転送サービス内容・料金を確認する
バーチャルオフィスによっては転送サービスを行っていない場合や別途料金が発生する場合もあります。
予期せぬコストの発生を防ぐためにも、基本料金で何ができるのかを把握して、納得できるサービスを提供しているバーチャルオフィスを選ぶと良いでしょう。
現地でバーチャルオフィスの雰囲気やスタッフの対応を確認する
Web上の情報を過信することなく、自分の目で見て判断を行いましょう。
バーチャルオフィスの全体的な雰囲気や受付の有無・わかりやすさ、スタッフがいる場合には、対応の良さ(明るさなど)を確認してみてください。
バーチャルオフィス利用中に注意すべき事項
バーチャルオフィス利用中に、注意しておくべき事項は2つあります。
連絡手段を確保しておくこと
バーチャルオフィスの住所を利用する際は、他者と連絡を取り合える状態を保つことが大切です。
バーチャルオフィスに届いた郵便物を受け取ったり、電話やメールに対応できたり、架空の住所を活用する分、確実にコミュニケーションできる手段を確保しましょう。
ネットショップで返品対応があった際は受取先を確保すること
ネットショップ運営をしている方で、顧客から返品の希望があった、顧客が商品を受け取れず戻ってきたなど、返品対応が発生した場合は、返送先を別途準備しましょう。バーチャルオフィスは返品対応先に指定できない場合が多いので、返品時は倉庫や自宅に届けてもらうようコミュニケーションを行う必要があります。
補足
バーチャルオフィスを利用するということは、自身でオフィスを持つことと違い、「多少の制限を受ける」ということを念頭において置きましょう。
たとえば、郵便物を受け取りたいのに、バーチャルオフィスが営業時間外で受け取れないなど、自分の思うように事が運ばない可能性もあります。
バーチャルオフィスを契約するということは、互いに使用上のルールを守って運用しようと約束をすること。ルールを把握していないがために、あなた自身が起点となってトラブルを引き起こさないよう注意していきましょう。
▼バーチャルオフィスの注意点について詳しくは下記をご覧ください。
まとめ
事業に集中して取り組める環境づくりも経営者の仕事のひとつ。事前に対策を行って、将来起こりうるトラブルの確率を引き下げていきましょう。
なかでも契約前段階で、気をつけるべき点は多いです。「とにかく住所を借りたい」という一心で進めるのではなく、少し立ち止まって「本当に信頼のおけるバーチャルオフィスなのか?」と自分自身に問いながら契約を検討していきましょう。
この記事の投稿者
バーチャルオフィス1編集部
東京都渋谷区道玄坂、広島市中区大手町にあるバーチャルオフィス1
月額880円で法人登記・週1回の郵便転送・郵便物の来館受取ができる起業家やフリーランスのためのバーチャルオフィスを提供しています。
この記事の監修者
株式会社バーチャルオフィス1代表取締役 牧野 傑
株式会社バーチャルオフィス1 代表取締役
2022年2月に株式会社バーチャルオフィス1の代表取締役に就任。東京(渋谷)、広島にて個人事業主(フリーランス)、法人向けにビジネス用の住所を提供するバーチャルオフィスを運営している。自ら起業した経験も踏まえ、「月額880円+郵送費用」といったわかりやすさを追求したワンプランで、利用者目線に立ったバーチャルオフィスを目指している。
東商 社長ネット 株式会社バーチャルオフィス1 牧野 傑
キャリアコンサルタントドットネット 牧野傑(まきのすぐる)
Yahoo!知恵袋(株)バーチャルオフィス1牧野傑
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